韓国ドラマ 「テジョヨン」 のツンデレ女
( この記事少しずつですが更新してます。 ですので、初出の2008年12月13日時点の感想にはなっておりません。 しかも継ぎ足し継ぎ足しで、相当記事じたいが長くなっております。 悪しからず )
BS日テレで毎週月~金で午前10時から再放送している、韓国ドラマ 「テジョヨン」。
このドラマには、個人的には 「チャングムの誓い」 以来、ハマりまくりました。
BSフジでやっていた 「朱蒙 ( チュモン )」 は、高句麗の建国の話だったが、この 「テジョヨン」 ではその高句麗の滅亡前夜から、渤海の建国に至るまでの話である。 日本でいうと奈良時代あたりか。
個人的な好みでは、チュモンよりもこっちのほうが面白かった。
吹き替えじゃなかったせいかな。
戦闘シーンや戦略的なことが多くて、男の子向けな話だったかもしれない。
韓国ドラマの時代劇は、史実を追いながら、そこに大胆なフィクションを混ぜ込む。 その最たるものが、障害やすれ違いの多過ぎる恋、という設定だ。 「チャングム」 も、「ソドンヨ」 もそうだった。
んで、このドラマもその例にもれず、主人公テジョヨン ( チェ・スジョン ) も敵方の女性を愛してしまうわけであるが、この契丹族の可汗の娘、チョリン ( パク・イェジン ) が、物語前半ではヤケに萌え萌えで参った。 ってなんじゃそりゃ。
このふたり、出会ったときからそもそもが敵味方同士で、チョリンはテジョヨンを殺さなければならない立場にいたわけだ。 だからテジョヨンと対峙する時、チョリンはムチャクチャテジョヨンを罵倒する。
だが一度命を助けてもらってから、チョリンはテジョヨンに想いを寄せてしまう。
ここが物語のミソだ。
それでもまだ敵同士なので、テジョヨンに出会えばまたチョリンは、「百回でも千回でも戦う」 などと強がるのだが、その罵詈雑言があくまで表向きのものでしかなくなる。
その、罵詈雑言を、想いを寄せる男に浴びせかけるときの、チョリンの 「ホントは好きなのに」 という苦悶の表情が、なんつーか、グッとくるのである。
つまり、このチョリンは、ツンデレ女なのだ。
チュモンのときのソソノも最初そうだったが、どうも韓国には、アキバで話題になるよりずっと前から、ツンデレ萌えという文化が存在していたらしい、って知らんけど。
物語中盤、テジョヨンと結ばれるような関係になってからも、チョリンはテジョヨンに対して、結構高ビシャな言葉をやめなかった。
どうしてか知らんが、そもそもタカビーな女なのだろう。
けれどもまたそこに愛情が込められているので、それにもまたクラクラっときたものだ。
このチョリンを演じるパク・イェジン。
日本の女優で似ているのは米倉涼子、といったところか。 だが、私は米倉さんには興味はない。 ついでに言えば、ツンデレ喫茶にも、全く興味がない。
それは、単に異常なシチュエーションを嗜好する男たちのために演技でツンデレを演じているか、民族が歴史的に持つ激情が本質的に演じさせるものなのかの違いなのだと、私は思う。
ただ、物語後半になるとこのチョリン、かつて愛した男などよりも、自分の国のほうが大事、みたいになってしまって、私は大いに失望した。 それは一面では、自分とテジョヨンの間に生まれた子供コムを守るための行動だったのだが、あんなにヤな女になる必要が、果たしてあったのかどうか…。
それに、悲しすぎるんだな。 すれ違いで結局テジョヨンが結婚したポジャン王の姪スギョンが、あまりにもできた嫁で。 しかも、このスギョン、やたらと知略に長けた所があって。 これじゃチョリンがどうあがいたって再び結ばれないでしょ。 せつないよなあ。
なんにせよ、チョリン以外にも注目する役者が数多くいるのが、このドラマの大きな強みである。
主人公テジョヨンをやっているチェ・スジョン。
ワタシ的には 「海神 ( ヘシン )」 のイメージで、韓国の真田広之かなという感じだったが、この人、「初恋」 でヨン様の兄貴やってた人だったのね。 ぜんっぜん分からんかった。 「テジョヨン」 は、まさしく彼の代表作たり得る作品であろう。
中国 ( 唐 ) の人たちがみんな韓国語をしゃべっているという違和感はあるが、唐側の人間で、私が最も親近感を覚えていたのは、ソリンギ将軍 ( イ・ドクファ ) だった。 テジョヨン最大の敵なのだが、情にもろく字が読めない。 西田敏行か竹中直人か、というほどの怪演ぶりで、不思議な魅力をたたえた人物だった。
彼の行動規範には、人の道を外さない、というのがあって、そのためいくら憎たらしいことをしようが、ちっとも憎めない。 その手下のホンペとのおかしなやりとりは、このドラマの懐の深さを感じさせる。 結構笑ったものだ。
物語序盤を引っ張ってきたヨンゲソムンとヤン・マンチュンの、血管キレまくりの演技。
これはよかった。
特にヨンゲソムンの顔のインパクトといったら。 あの顔でここまで大袈裟だと却って引き込まれる、という見事な見本だった。
韓国ドラマ定番の悪役。
「テジョヨン」 では、この悪役たちの憎たらしさが、尋常ではない。
今まで見た韓ドラの中で 「人相の悪さ」「性格の悪さ」 では断トツで一位である。
サブグをやってた人って、いい役で出てくるのを見たことないんだけど。 この人性格いい役やったら、すごい好感度上がりそうだが。
プ・ギウォン。 物語前半で絶対外せない悪役。
かれの最期は、見苦しくて、さすが孤高の憎まれ役、という殺され方だった。
物語序盤では、このヨンゲソムンとプ・ギウォンの対立が物語の一つの柱だったのだが、プ大臣の唐との友好推進政策は、その憎々しさや詰めの甘さは別として、間違いではないと私には思えたものだ。
ヨンゲソムンの唐なんかぶっ潰せ論のほうが無謀なような。
ヨンゲソムンは最後はホントーに無謀になってしまったのだが。
私がプ大臣のほうに理があると考えたのは、徴兵制度がない日本人だからなのだろうか、と考えたりもする。
あとは 「復活」 にも出ていた悪役、シン・ホンですか。 こいつずいぶん早い段階から出てたと思うんだが、序盤姿を隠していてから登場して以来、物語終盤に至るまで、憎々しさをふりまき続けた。
この、シン・ホンの真の目的は、自分が仕えていた高句麗の将軍の息子、イ・ヘゴに天下を握らせ、テ・ジュンサン親子を殺すことだろう。
けれども、だいたいテ・ジュンサンとジョヨン親子を憎むそもそものきっかけ自体が、お前のカンチガイのせいだろみたいな原因で。 イ・ヘゴの父親だって、お前の要らぬ企みのためにテ・ジュンサンにわざと殺されたんだろ、って感じがする。
だけどシン・ホンって、顔ヒクヒクするのが、見ていておもしろいっスよね。
そのイ・ヘゴ。
父の仇であるとか、チョリンをめぐる恋敵であるとかの理由でテジョヨンと敵対するのだが、見ていてあまり憎たらしいと思わなかった。
やはり、父に関してはシン・ホンの勘違いに付き合わされていると思うし、チョリンに対する思いが純粋この上ない、というのが、見ている側に伝わってくるせいだろう。 チョン・ボソクさんは、「商道」 とか 「シンドン」 で見かけたことがあるけど、イ・ヘゴ役が一番ハマっている気がする。
唐側の人間ではイムンも、物語中盤では腹立つことが多かった。
テジョヨンには数回コテンパンにやられていて、そのたびテジョヨンへの憎悪を増していく一方だったこの男。
味方のソリンギや、周りの人間にも不快感をまき散らすような、鼻もちならない男だったのだが、ドラマが進むにつれて、このイムンという男は、成長していく。 このドラマ、イムンをただの憎まれ役で終わらせないのである。 こんなところが、物語に深みを与えている。
あとは、たまにしか出ないけど、唐の実権を握った則天武后。 このオバサン、「イ・ジェマ」 でもチェ・スジョンをいじめてたぞ。 あんまり厚化粧なのも、見ててイライラするんですけど。 だけど、王宮にいるだけなのに、並み居る臣下より状況判断が的確なのは恐ろしい。
テジョヨンの軍師を務めるミモサ。 百済出身のために、いったいどこまで信用したらいいのか分からない危うさをもっていた。 この危うさが、ドラマにちょっとしたスパイスを与えている。 何か、このテの顔の男の子って、どこの小学校でも一人くらいはいそうな気がするんですけど。
テジョヨンと義兄弟の契りを結んだ、フクスドルとコルサビウ。 その絆の強さにはたびたび感動させられる。
コルサビウ、カッコイイよね。 女っ気がないのがまた硬派なんだな。 だけど、なんかミモサに仕えていたクムランと、後半やたらとコンビを組むようになる。
この、女戦士クムラン。
たいそう気の強い女性で、ミモサに恩があるため、自分は彼の女だと公言してはばからない。 コルサビウにも冷たいそぶりで、ツンデレ入ってそうなんだけど。 しかし最後は…。
結構キますよ、クムラン。
前半のツンデレ大賞がチョリンで、後半のツンデレ大賞はクムランだろう。 決定!
そしてテジョヨンとチョリンの子であるコム。 顔はそんなにイケてないし、テジョヨンに別に似てないけど、この男の子は後半、結構重要な役回りを演じている。 イ・ヘゴはこの子を自分の子として育てるのだが、だんだん運命に翻弄されていくのだ。 特に物語終盤では、どっちが主役か分かんなくなってくるほど、出番が多い。 だもんで演技力は凄い。
最後までこの長ったらしい記事をお読みくださいまして、ありがとうございます。
この記事以外にも、「テジョヨン」 関係で書いとりますんで、ぜひそちらもお読み下さいまし。 ケピルサムンとか、イ・ジンチュンとか、書いとります。 リンクの仕方が分からないもので、お手数をおかけいたしますが。
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