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2008年12月31日 (水)

小田和正 「クリスマスの約束」 の違和感

 毎年クリスマスの時期になるとTBSテレビでやっている小田和正の音楽特番。 今年も見た。

 私はオフ・コース時代の初期から小田サンの歌が比較的好きだった。
 「さよなら」 で人気が出て以降は、オフ・コースなどというのは女性専用車両、みたいな感じで、確か柴門ふみのマンガ 「同級生」 だったか、主人公の男 ( 鴨居クン ) が 「オフ・コースを聴いて泣いてしまった」 とか打ち明ける場面があったと思うが、男がオフ・コースを聴いていると告白するのは、結構気恥ずかしい雰囲気の時代があったことは事実だ。
 私もオフ・コースが好きだと誰かに話すことはなかったが、ひとりでよく弾き語りはしたものだ。

 ただし小田サンの声域は、フツーの男が歌おうとすると少々きついものがある。
 どうやったらあんな澄んだ高い声が出るのか、毎日練習すると音域だけは届くようにはなるが、どーしてもトリが首を絞められたような声になってしまい、とてもじゃないがキレイ、とは言い難い。 練習しなけりゃまた元通りだし。 クリスタルキングの田中サンがいい例だ。 歌わなきゃ、どんどん低くなるのだ、声とゆーものは。

 だが、小田サンは事も無げに高い声が出せる。 これはもう、もって生まれたものとしか言いようがないだろう。 私などはうらやましくて仕方ない。 いや、男はみんな、高い声が出るということに、一種の憧れをもっているのかもしれない、そう私は思う。 ポール・マッカートニーだって、マイケル・ジャクソンと共演した時に、やたら張り合って高い声を出そうとしていたし。 ポールはビートルズのなかでは一番高い声が出せる人だったが、それでもマイケルには嫉妬してしまうようである。 私はその心情が、とてもよく理解できる。
 しかも、小田サンの澄んでいるのは、声だけではない。 歌詞もメロディも、みんな透明感にあふれているというのが凄い。

 それにしても、あんなに透明感のある歌を歌っておきながら、小田サンがこの番組で全国を旅しているところを見ると、結構辛辣な物言いをする人なんだなあ、というのがよく分かる。 「ババア元気」 とか。 自分とそうトシが変わらないだろ、って感じだが。 面と向かっては言わないが、言葉だけ聞いているとまるで毒蝮三太夫状態だ。
 でも、それがイヤミに聞こえないというのが、小田サンの人格のなせる技なのだろう。 私などが辛辣な言葉を使えば、たちまち蹴飛ばされそうだ。

 私は 「同級生」 の鴨居クンのように、小田サンの音楽を聴くとウルウルしてしまうところがある。 それはやはり、小田サンのその人格を貫いている透明感が、そうさせるのであろう。 この番組を見ていても、結構ウルウルきてしまった。

 だが。
 このTBSの特番は、毎度々々見ていて、なんだか違和感が残る。
 それは、客席の映し方に最大の問題があるように思う。
 きれいなネーチャンばかり映しとるのだ。
 そのきれいなネーチャン達が、小田サンの歌を聴いてみんな泣いとるのだ。
 まるで、キレイでなければ小田サンの音楽を聴く資格がない、と言わんばかりに。
 ブスが小田サンの音楽を聴いたっていいではないか。
 私みたいなムサいオッサンが小田サンの音楽を聴いてもいいではないか。 オッサンは映ってたみたいだけど。
 どうしてこう、セレブのパーティみたいな見せ方をしようとするのか。
 そりゃ、ブスが泣いているところを見たって、絵的に面白くもおかしくもないが、きれいなネーチャンばかり優遇し過ぎとちゃいますか。

 この番組は、小田サンの音楽を、まるで勝ち組の独占物に矮小化しようとしているように、私には見えてならないのだ。 まあ、ムサいオッサンのひがみでしょうが。

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