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2009年1月24日 (土)

「久米宏のテレビってヤツは!?」 ってヤツは!?

 久米宏サンという人に対する世間の印象は、テレ朝で長いこと続いた 「ニュースステーション」 以前から知っていた人と、以後に知った人との間で大きく二分されるように思う。

 「Nステ」 で久米サンを知った人は、どうも久米サンが報道権力の側にある人間、という捉え方をする傾向にあるようだ。 「Nステ」 以前から久米サンを知っている私くらいの世代にしてみると、この人そんなにエラそうな人間じゃないんだけどな、と少し残念に思ったりする。

 私が久米サンの存在を知ったのは昭和40年代の終わりころ、TBSラジオの 「土曜ワイドラジオTOKYO」 で、確か団地に出かけて行って、 「今この放送を聴いている方、ベランダに出てきてくださーい」、みたいな、インスタント聴取率調査みたいなことをやっていたのが最初だ。 たぶん。

 テレビで久米サンを初めて見たのは、火曜日7時30分からの 「ぴったしカンカン」 だった。 その前の週まで、確かこの枠はコント55号の番組で、欽ちゃんと二郎サンはそのまま 「ぴったしカンカン」 のレギュラー回答者となった。 コント55号のお笑いを見たかった私としては、ずいぶんがっかりしたものだ。
 だが、久米サンの司会は、頭の回転が速く、軽妙で実にこなれていた。
 この番組で、私の久米サンに対する高評価は定まったと言っていい。
 その後 「ザ・ベストテン」 で、久米サンのネームバリューは決定的となり、「Nステ」 でその地位は不動のものとなった感がある。

 だが、私は久米サンが 「Nステ」 をやることにあまり賛成ではなかった。 久米サンは、正面切ってニュースを扱うより、副次的な情報を独自の視点で語ることのほうが合っていると思っていたからだ。 要するに、日テレで横山やすしサンとやっていた、「TVスクランブル」 のようなスタンスだ。 「Nステ」 では放送開始当初、金曜日になるといくらかくだけて、 「TVスクランブル」 みたいなことをやっていたのだが、そっちのほうが私が見たい久米サンだった。

 TBS水曜22時からやっている(追記、2009年3月で打ち切り)、「久米宏のテレビってヤツは!?」 は、その 「金曜Nステ」 をほうふつとさせる番組である。

 ただ、久米サンに以前のような切り口の見事さがあるかというと、ちょっと考えざるを得ない。
 久米サンは、本人もおっしゃっている通り、 「Nステ」 でいったん燃えつきたのだ。

 こないだの 「テレビってヤツは」 番組内での鈴木宗雄氏との恫喝合戦のくだりを見ていて思ったのだが、「Nステ」 は、久米サンに、彼の持っていた独自の俯瞰的視点を失くさせることも強要したのではなかろうか。

 久米サンがNステ時代、鈴木宗雄氏にだいぶ恫喝されたらしいことは、「テレヤツ」 を見ていて伝わってきた。
 その回のゲストであった鈴木宗雄氏はそれに対して 「自分は恫喝なんぞしとりません」 などと言っていたが、それは明らかに政治家のウソであることが分かる類のものだった。
 ただムネオ氏は 「久米サン(Nステ?)にも恫喝された」 と同時に話していた。 久米サンは承服しかねる顔をしていたが、久米サンがやらなくても、テレ朝の誰かはやったんだろう。

 要するに、これはNステが、久米サンの預かり知らぬところで、報道権力の傲慢の一翼を担っていたことの証左でもあるのだ。

 久米サンは厳しい顔をしてムネオ氏の話を聞いていたが、恫喝されたという事実だけが頭にこびりついて、ムネオ氏がそのとき何をマスコミから守りたかったのかとか、総体的にものを見られなくなっているのではないかと、私には感じられた。 同時に、久米サンがNステのしがらみから抜け出せなくなっているようにも、私には思えたのだ。

 ともあれ、いくら切り口が鋭くなくなっても、大昔からの久米サンウォッチャーとしては、久米サンがテレビでいい企画の番組をやっていると、妙に安心してうれしくなるものだ。
 まあ、「テレビってヤツは」 も、つまらん企画の回もありますがね。

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