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2009年4月27日 (月)

タモリ倶楽部 「絶頂派美術展」 着眼点が素晴らしい

 テレ東の 「美の巨人たち」 や、NHK 「迷宮美術館」 では決して取り上げることのできないアートの題材を取り上げた、2009年4月24日(一部地域除く)深夜の 「タモリ倶楽部」。
 着眼点が素晴らしい。
 官能的な西洋美術の作品を味わおう、という企画である。

 講師として、多摩美術大学の西岡教授。 ゲストには、みうらじゅんサン。 安齋サンも加わってくれたら、結構面白かっただろうに。 みうらサンとは友達だし。 この回の空耳アワーでも、オルセー美術館に行った時のことを、安齋サン、得意満面で話していた。 「クールベはパンクだ」 という持論を展開、…ってほどのことじゃないですが。

 さて、本編。

 まず、その絵の作者を紹介するのに、「タモリ倶楽部」 のディレクターであるビギン山元氏(あのビギンに似た人)の、そこそこうまいんだけど、多摩美大のセンセイの前で見せるにはちょっと恥ずかしいかな(笑)、という絵を使用。
 この時点で笑える。
 みうら氏も、さっそく 「ビミョーなデッサンですよね」「これじゃ美大は受からないな」(笑)と絶妙のツッコミ。

 1枚目は、時の皇帝ナポレオン3世が買ったという、アレクサンドル・カバネルの 「ヴィーナスの誕生」。
 足の指が突っ張っていることで、絶頂を表している、とか。
 キリスト教への言い訳に、「生まれたばかりだからしょうがない」 という意味で、この題材が選ばれているという、西岡センセイの説明に、タモリサン 「生まれたばかりでこんな豊満じゃあねェ、赤ん坊たまんないヤねェ」 みうらサン 「お父さんが放さないっていう」、…笑いました。
 左右の胸のバランスが、実際とは違う、という技法は、人物を美しく見せるために、アングルもよくとった方法だが、このカバネルの絵でも、同じことが行われている。 みうらサン 「シリコン入れてるとか」(笑)。

 みうらサン 「しかし、英語ではイクことを comming (来る) って言いますけど、どうして仏教徒は、イクって言うんですかね?」 と西岡センセイにムチャ振り(笑)。 美術とはカンケーないような気もしたんですが。 それに対して西岡センセイ、「桃源郷でも西方浄土とかでも、どこか遠くにいいものがある ( そこに行く、という考えなのでは )」 と、完璧なお答えで。 みうらサン 「(じゃ)『死ぬー』って人はなんで?」(笑)。

 2枚目はカルロス・シュヴァーベの 「憂鬱と理想」。 北斎のあの大波を思わせる波をかぶりながら、男女が絶頂を迎えているような作品だ。 みうらサン 「これふたりサーファーみたいなことではないんですか」(笑)。

 万事このような調子で番組は進んでいくのだが、あの 「落穂拾い」 で有名な、ミレーの作品にも、ウタマロみたいのがあったのには、ちょっと驚いた。 もろに、男女の営みを描いた絵である。 テレビ用に、ソフトなものを選んだようだったが。 タモリサン 「この(男の) 顔分かるもんねー、『ええかー、ええのんかー』って」(笑)。 みうらサン 「(「晩鐘」 っていうのは)農民プレイってことですか」(笑)。

 ダヴィンチとミケランジェロが描いた共通の画題、「レダと白鳥」 の白鳥にも、男性器の暗示という意味があったと。 ちょっとお勉強になりました。 みうらサン 「確チン犯っていうやつですね」(笑)。
 ミケランジェロのほうは、レダと白鳥がキスしている絵で、タモリサン 「スワンとか言って吸ってるよね」(笑) みうらサン 「スワンの馬鹿みたいなね」(笑)。 下らないけど、これこそが 「タモリ倶楽部」 の真骨頂であろう。

 もともと、芸術家には、根源的な性欲を作品で具現化しよう、という欲求があるように、私には思える。

 ゴヤの 「裸のマハ」 と 「着衣のマハ」 という一対の作品。 「裸」 のほうは、長いこと表には出てこなかった作品らしい。 だが、その描き込みようは、「着衣」 の比ではない。 やるなあ、ゴヤ、つー感じだ。

 アングルの晩年に描いた 「トルコ風呂」。 若いころから彼が描きためてきた、裸婦たちを一堂に会したという作品だが、私などに言わせると、どうも節操がないように感じる。 年をとって性欲への歯止めが利いていない印象を受けるのだ。 ただのエロジジイ、というか。

 ロダンなどは、もっと過激である。 「タモリ倶楽部」 ではさすがに出てこなかったが、いや、永久におおっぴらにはできないレベルであろう。 彼のは、…ちょっと。

 こういう、芸術家の性欲を感じさせるような、官能的な作品に対しては、今回の 「タモリ倶楽部」 のように、笑い飛ばしながら見るのが大正解なのだ、と私などは思う。

 またやってくれそうなので、期待しないで待ってます(笑)。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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