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2009年5月 5日 (火)

「桑田佳祐の音楽寅さん」 第3回 アベーロード

 「音楽寅さん」 2009年5月4日放送第3回目で桑田サンは、ビートルズの 「アビイ・ロード」 を空耳チックに日本語に直した。

 時間の都合上駆け足気味だったが、ほとんど全編をやっつけたというのがまず凄い。
 しかもそのほとんどが政治、国際、環境問題に内容を絞っているというのが、次に凄い。
 1曲1曲のテーマが、明確に決まっているのだ。

 普通、英語に沿って日本語に直そうとした場合、内容が意味不明のハチャメチャになるものだ。 なのに1曲の初めから終わりまで、ちゃんと意味が通じている。 なんだコレ? スゲエぞ。
 曲のテーマがはっきりしているから、笑うより先に、まず感心してしまうのだ。
 これは、頭の回線が最初からブッ飛んでいることが前提でなければ、まずできない。 それに加えて、政治などに対する、強い怒りがなければ、完成させることは難しい。

 またさらに注目すべきは、この詞の世界が、見事に桑田サンの世界だ、ということだ。 要するに、桑田サンの詞は、空耳という発想から形成されたものであることを、改めて実感させるのである。

 今回の桑田サンの政治に対する揶揄のしかたは、与野党まったく見境いなし。
 「カム・トゥゲザー」 は 「公明党BROTHER」。 連立政権批判である。
 「サムシング」 では共産党をおちょくっている。
 民主党の小沢代表だって、こき下ろす。 「ビコーズ」 改題の 「民主党」。 これは特に辛辣だった。 出だしから 「違法?小沢譲らん異端児微妙…」「偽装でいいんですかい?一郎不満ない?」 最後は 「民主党の時代いつ来る?」 である。 恐れ入りました。
 
 「マクスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」 は年金批判。 「シルヴァー・ハンマー・マン!」 という原曲最後のヴァースが、「知ればあんな払わん!」。 大笑いするやら、感心するやら。 降参します。

 あとは曲目自体も多いのでこっちも駆け足で紹介するが、少々長くなりますけどご容赦ください。

 「オー!ダーリン」 は 「親だ~れ?」。 小泉チルドレンとDAIGOをおちょくっている。

 「オクトパス・ガーデン」 は 「ぼく当選さす票田」。 ここでは選挙を揶揄。

 「アイ・ウォント・ユー」 は 「iPhone中」。 株式相場が大変なことを歌っている。 個人的には、ポール・マッカートニーの 「ザ・パウンド・イズ・シンキング」 を思い出す内容。

 「ヒア・カムズ・ザ・サン」 は 「爪噛むオジサン」。 麻生総理や中川元大臣のことだ。

 「ユー・ネヴァー・ギウ・ミー・ユア・マネー」 は 「油田は危機を招き」。 地球温暖化問題だ。 ぜひYouTubeなんかで見てもらいたい内容である。

 「サン・キング」 は 「国際危惧!」。 北朝鮮問題。 原曲での意味不明ポルトガル語の部分は、「ヨンビョンからムッチャ見守れ出入りには目凝らそう」「ノドンチュチェ主義なんだソレ?地下兵器バラそう」「そしてマンギョンボン号絶った日朝関係にて交わそう」。 よくここまで意味通じさせてると思う。 脱帽。

 「ミーン・ミスター・マスタード」 は 「民意無視して増した」。 曲の終わり 「サッチ・ア・ダーティ・オールド・マン」 サザンの曲の題名元ネタとなった部分は、「おっちゃん誰やお前?」。

 「ポリシーン・パン」 は 「オレ審判?」 裁判員制度ヤダー、という歌にしちゃいました。

 「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウインドウ」 → 「死刑にするも罰するも非道?」。 メドレーで内容もメドレーになっているところが渋い。

 「ゴールデン・スランバー」 は 「公然知らんばい!」。 公職辞任の歌になっちゃった。 「アンド・アイ・ウィル・シング・ア・ララバイ」 が 「居直る真意が分からない」。 よく考えつくよ。 まったく。

 「キャリー・ザット・ウェイト」 が 「借金(かり)が増え!」。 なんとなく原曲と内容がリンクしてるのがおかしい。

 「ジ・エンド」 は 「次年度」。 議員世襲制だあ。 タイムリー過ぎ。 「お家!往来!ああ愉快なご縁が取り持つ党内部」 って、腹イテエ(笑)。 「ラヴ・ユー、ラヴ・ユー」 のギター合戦のところでは 「安倍、安倍」。 これで、「アベー・ロード」 というわけですな。 ラストが 「美しい国…夢」。 ああなんか、ものすごいトータル感にあふれてます。

 「ハー・マジェスティ」 はさすがにおさまりきらなかったのか、最初からオマケ扱いで日本語にしなかったのか、ユースケサンのナレーションのバックで流れるだけだったが、なんという、濃い内容の30分だったことか。

 イクイップメントもさすがに凝っていて、ちゃんとビートルズが 「アビイ・ロード」 のときに使っていた楽器を使用していた。
 ドラムはちょっと分からないが、桑田サンのギターはジョン・レノンが弾いていたエピフォン・カジノの塗装はぎ取りっぽい仕様のやつ、リードギターの人はレス・ポール、ベースの人はリッケンバッカー。
 まあ、曲によって桑田サンは使い分けていましたけどね。 ただ、ベースは色が違うだろとか、「ジ・エンド」 のジョンのパートはエピフォンで行くべきだろうとか、細っかいことを言い出したらキリがないんだが。

 音的にも、ギターの音色とか、細かいシンセの使い方まで、よくまあここまでコピーしました、という感じ。 「ユー・ネヴァー・ギヴ・…」 の出だしのピアノに絡むのは、ギターじゃなくてベースだろとか、こっちも細かいことを言い出したらキリがないんだが、昔はビートルズの中期以降の曲なんて、コピー不可能とまで言われていた時期があったことを考えると、なんだか隔世の感がある。

 書いてる方もつかれたが、これを全部考えた桑田サンのほうがもっともっと大変だったに違いない。 あらためて、ご尊敬申し上げます。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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