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2009年6月 3日 (水)

音楽評論家の黒田恭一さん死去

 音楽評論家の黒田恭一サンが、5月29日に亡くなった。 71歳とのこと、まだ若すぎる(2009年)。

 この人はクラシックの評論で有名らしいのだが、私がこの人の評論に出会ったのは、小学館の雑誌、「サライ」 のCDレビューが最初だった。 よって、かなり遅い部類になる。

 「サライ」 のCDレビューで黒田サンが最初に評論したのが、アストル・ピアソラの、アメリカン・クラヴェ・レーベルから出た傑作3部作だった。
 偶然にも当時私は、身内の形見だったピアソラの 「タンゴ・ゼロ・アワー」 を譲り受け、その世界に完全にハマっていた。
 その 「タンゴ・ゼロ・アワー」 のジャケット写真が、でかでかと、当時の私の愛読誌だった 「サライ」 に載っていたのだ。 驚いたのなんのって。

 なぜなら、「タンゴ・ゼロ・アワー」 というCDは、その当時すでに新譜ではなかったからだ。 私はその瞬間から、黒田恭一サンという人の評論は信用できる、と思ったのである。

 それで、そのレビューでほかに紹介されていた、ピアソラのもう2枚のCD、「ラ・カモッラ」「ラフ・ダンサー・アンド・シクリカル・ナイト」 を求めて、CDショップを駆けずり回り、当時まだ輸入盤しかなかったその2枚を手に入れた。
 そしてそれらを聴き、私は完全に、この人の言うことについていこう、と決めた。

 それからしばらく、私の購入するCDは、黒田サンの 「サライ・レビュー」 に頼りきりとなった。

 ただ、黒田サンが手放しで絶賛していないな、という論調は文面から区別がついたので、そういうCDとかは買わなかったが。

 だから、ほぼ9分9厘、黒田サンの絶賛するものは、いいCDだった、ということだけは、断言できる。
 そのなかでもこれは、というCDは、ギドン・クレーメルの 「ピアソラへのオマージュ」 の第1弾目、そして、リー・リトナーとデイヴ・グルージンの 「トゥー・ワールド」、チャーリー・パーカーの 「エイプリル・イン・パリ」、といったところか。
 まだ数え切れないほどあるが、特に 「トゥー・ワールド」 と 「エイプリル・イン・パリ」 は、購入してから10年は経つというのに、未だに頻繁に聴く。 つい昨日も聴いていた。

 「サライ」 自体を買わなくなってしまったために、黒田サンの評論に触れる機会も、ここ数年はなくなっていたのだが、黒田サンに勧められて買ったCDのほとんどは、私の人生にとって、最良の伴侶であることだけは、間違いがない。

 本当に、本当に、ありがとうございました、黒田恭一サン。

 そして心より、ご冥福を、お祈りいたします。

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