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2009年6月16日 (火)

「桑田佳佑の音楽寅さん」 2009年6月15日 大阪編その2

 5月30日(2009年)に大阪城ホールで行われた、大阪のFM局802の20周年ライブで、シークレットゲストとして登場することになった桑田サン。

 まずは大阪の商店街をロケ地にミュージッククリップ風な作りの、「買物ブギ」。 魚屋サンでタイやヒラメを買うところと、歌詞がリンクしているとか、なかなかよくできた映像だった。
 「買物ブギ」 は服部良一サンの戦後の傑作で、日本における 「ブギ」 というものの、発祥的作品だ。 子供の時分にこの曲を聞いて、「ワテほんまによう言わんわ」 の部分のメロディに、ヤケに悪魔的な響きを感じたことを覚えている。 意味も分からなかったし。 「ワテほんまによいわんわ」 って、どーゆー意味?とか。 「あきれてものも言われへん」 って感じなのかな。
 この曲のブギー感覚は、歌謡曲の流れを多分に含んでいて、桑田サンの世界と共通するものがある。 やるなあ、桑っちょ。

 続いて、大阪城ホールの模様。
 はじめにユースケサンが出てきて、「今日は素敵な仲間を連れてきました。 トーラちゃーん!」 という紹介のあいさつに、会場の反応はいまひとつ。 ユースケサンに寅チャンで分かんないってことは、「音楽寅さん」 の認知度も、さほど高くないってことなのか。

 桑田サン、「寅さん」 第1回目の追悼特番でかぶったトラのぬいぐるみを着て登場。 まだ会場、この人が誰なのか分かっていない様子。
 いきなりユースケサンに耳打ちして、「なに?『セックスがしたい』って…」 と笑かします。
 「『呼吸ができない』?『脱ぎたい』?『暑い』?」 で、着ぐるみを脱ぐと、桑田サンだということが分かって、会場は大盛り上がり。

 1曲目はこの番組のテーマ曲、「HONKY JILL」。
 この曲、桑田サンのこの手の曲としては、いちばんストレートって感じがする。 リミッターを、意識的に外していると思うのだ。 家族でこのテレビを見ていて気まずくなったとかいう声もあったようだが、すいませんね、桑田サンって、そういう人なんである。

 2曲目は上田正樹サンの 「悲しい色やね」。
 アレンジ的に、完璧レコードコピーだった。 この曲は、特に桑田サンが歌わなくても、すでに大名曲なのだが、とてもよかったです、桑田サンの歌い込みが深くて。

 3曲目は途中から。 「明日晴れるかな」。 4曲目は 「波乗りジョニー」。 全編聴きたかったなあ。

 続いては、スタジオ収録で 「雨の御堂筋」。
 欧陽菲菲サンの、1970年のヒット曲。 当時ベンチャーズが日本情緒を曲にしたものに、歌詞をつけたものが、よく流行っていた。 「二人の銀座」 とか、「京都慕情」 とか。
 この 「ベンチャーズ歌謡」 に対しては、ずいぶんとふつうの歌謡曲と違う響きを感じていた。 ベンチャーズの、当時の日本の歌謡界に与えた影響というものは、もうちょっと評価されてもいい気がするのだが。(追記 : と書いた矢先、先日6月14日、ベンチャーズの結成当時からのメンバーだった、ボブ・ボーグル氏が亡くなったというニュースが、今日届きました。 謹んでご冥福をお祈りいたします)

 スタジオ収録の次の曲は、憂歌団の 「お政治オバチャン」 …って、桑田サンの格好、もろにあの、ピンクのスーツのオバチャンなんですけど。 歌詞が最高に面白かった。
 政治ばっかりやっていて恋もしたことがない政治家のオバチャンが、「きれいなパンティもたまにははいてみたい」 というのだ。
 「きれいなフリルのついたやつ/イチゴの模様のついたやつ/黄色いリボンのついたやつ/男も出来ずに50年」…この歌詞を、あのピンクのスーツで歌われた日にゃ、爆笑するしかございません。
 ラストでは、田中角栄サンのマネで、「マアこのー、マアこのー」。 若い人は、知ってる人、少ないだろうなあ。 昭和も遠くなかりけり。
 とどめに、「カーッ、ペッ!」。 このくだりを不快と思う人もいるとは思うが、政治全体に対してうんざりしっぱなしな無党派層にしてみれば、桑田よくやった!というところだろうか。

 ラストは、北新地のジャズバー、「藤田Bar」 で、この地で50年サックスを吹いてきたという、藤田サンと共演。
 曲は、「酒と泪と男と女」。
 特に大阪弁の歌ではないのだが、妙にこの場に合っていた。 藤田サンも、ジャズではないこの曲に、絶妙に絡んでいた。

 なんか、こういう組み合わせって、今後の桑田サンのキャリアに加えていったらいいのでは、とさえ思ってしまう。 腕のいいスタジオミュージシャンのアンサンブルもいいけど、近頃自分たちは、下手くそだけど味のある音楽ってものに、触れていない気がするのだ。 ヘタクソっていうのは失礼な言い方だが。

 この前後編で、桑田サンは、大阪のパワーをもらおうとしていたように思う。 自分の人生にカツを入れるためにも、不況でも負けずに笑って生きているっていう、大阪の方々の生きる姿勢を学びたいな、そう思った、「音楽寅さん」 だった。

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