« 「桑田佳佑の音楽寅さん」 2009年6月8日 大阪で生まれた桑っちょ? | トップページ | 「タモリ倶楽部」 原田芳雄サン、カシオペアに乗る »

2009年6月11日 (木)

「白い春」 第9回 じわじわ泣かせる

 大橋のぞみチャン扮する村上さちが重い病気になってしまう、という展開の、「白い春」 第9回。
 見ているうちに知らず知らずのうちに泣けてきてしまう、「じわじわ」 型の、泣ける話だった。

 まず冒頭、初めての給料をもらって、「これだけかよ」 と憎まれ口を叩きながら、ひとり公園で給料袋を開け何度も中身を見て、うれしくて仕方のない様子の阿部サン。 これだけでもう笑えるのだが、その笑いの質が、なんだかとても、こちらの心を豊かにしてくれるような笑いなのだ。

 よく考えれば、阿部サンが刑務所を出てから、これが初めてもらった給料ではない。
 それでも阿部サンがこれだけうれしく感じているのは、やはりその労働の質において掃除夫の時よりもかなり上だからだと思える。 さちと一緒にいられることの喜びも加味されているだろう。

 阿部サンがひとりでニヤニヤしているのを、そのサッチャンが見てるんだなあ。 それで、そのニヤけたオッサンを、サッチャンが色とりどりに、絵に描いているのだ。

 これが、今回の話を引っ張るカギになっている。 いつもながら感心するのだが、このドラマの脚本家の、話のもっていきかたは実に自然で、言っちゃナンだけど、私はいっつも、「天地人」 の脚本家にこのドラマを見て勉強してもらいたいと感じてしまう。 あ、意見には個人差があります。

 んで、阿部サンは、そのサッチャンの様子を見て、自分の初任給をサッチャンのために使おうと、新宿の画材屋 「世界堂」 に画材を買いにいくのだ。

 この阿部サンの判断は、実に正しい。 というか、どこで教わったんだ!というくらい、この店に画材を買いにいくのは、正解なのだ。
 というのも、新宿の 「世界堂」 というのは、結構美術をやっている者には名の知れた、画材の安売り店なのである。

 だがその同じ晩、サッチャンは倒れて入院してしまう。
 翌朝病院に駆けつけた阿部サンは、サッチャンが母親と同じ病気かもしれないことを告げられ、動揺しまくる。 「オマエはすぐ思っていることが顔に出るから、さちの見舞いはするな」 という遠藤憲一サン。 顔を手でゴシゴシする阿部サン。 笑える。
 ここらへんで、今回の冒頭で、阿部サンがニヤニヤしていたくだりが、生きてくるのだ。 でもこういうところで笑かす、という作り手の手腕も、大したものだ。

 検査の結果を待っている間、「もしお姉ちゃんと同じ病気だったら、私お姉ちゃんを許さない」 と言う白石美帆サンに、「マリコがさちを生まなきゃよかったと思っているのか!さちは生まれてこないほうがよかったのか!」 と食ってかかる阿部サン。 かぶりを振る白石サン。 なんか、この辺から、もうジワジワきます。

 さちの手術代を払うのが大変だと盗み聞きをして、阿部サンが神社にお参りをしたら、遠藤サンとカチあう、というエピソードも、とてもよかった。 
「さちの世話でおまえに仕事を任せなきゃいけない」 という遠藤サンの申し入れを受け入れる阿部サン。 「本当なら、オレが払わなきゃいけないカネなんだ」 という思いを吐き出すあたり、またまたグッときます。

 手術の前日、阿部サンは白石サンから、遠藤サンに内緒で見舞いに来てほしい、と頼まれる。 入院してからサッチャンの描いた絵が、モノクロの、自分が天使になってしまう絵ばっかりだ、というのだ。
 ここで冒頭のシーンが、また生きてくる。

 阿部サンはサッチャンへのプレゼントの画材を手に、病院へ向かう。
 前に失礼を犯した医者の先生に、自分のなけなしの初任給を渡そうとする阿部サン。 ああー、もう、ちょっと、この辺から、知らないあいだに私、涙が。
 阿部サンとサッチャンとのシーンでは、そんなに悲しくもないはずなのに、涙が止まらない状態になってました。 オッチャン、年とったせいですかね。

 次回予告では、サッチャンがどうなるのか、まったく分からない状態。 分かったら、予告編の意味ないですけど。 でも、このドラマの作り手サンの、登場人物に対する温かいまなざしを見ていると、けっして悲劇にはならないと、私は思っています。

当ブログ 「白い春」 に関するほかの記事
第1回 なんだ、コメディじゃないのか?http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/04/post-f49f.html
第2回 やっぱり笑えるぞhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/04/post-148c.html
第3回 シリアスの中に含まれる喜劇性http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/04/post-5f88.html
第4回 なかなか真実にたどり着けない阿部寛サンhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/05/post-fd3d.html
第5回 予告編にだまされたhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/05/5-44cd.html
第6回 世田谷にハローワークなんてあったっけ?http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/05/post-8001.html
第7回 みんな幸せになれたらいいのにhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/05/post-2253.html
第8回 覚悟がいかに大事なのかhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/06/post-8347.html
第9回 じわじわ泣かせるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/06/post-eb06.html
第10回 やはり一緒にはいられないhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/06/10-f524.html
第11回(最終回) まさか、まさか… http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/06/11-36a9.html

|

« 「桑田佳佑の音楽寅さん」 2009年6月8日 大阪で生まれた桑っちょ? | トップページ | 「タモリ倶楽部」 原田芳雄サン、カシオペアに乗る »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/45305618

この記事へのトラックバック一覧です: 「白い春」 第9回 じわじわ泣かせる:

« 「桑田佳佑の音楽寅さん」 2009年6月8日 大阪で生まれた桑っちょ? | トップページ | 「タモリ倶楽部」 原田芳雄サン、カシオペアに乗る »