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2009年7月19日 (日)

「官僚たちの夏」 第3回 ジャパン・バッシングの始まり

 「官僚たちの夏」 第3回は、日米の貿易摩擦のはざまで揺れ動く繊維業界がテーマ。

 相変わらず不勉強なので、ドラマの出来に絞って話をさせていただくが、ドラマ的には、通産省の役人である高橋克典サンを悪役に立たせたり、繊維業界の代表みたいな形で桂ざこばサンを繊維工場の社長として登場させたり、このドラマは構図の単純化によって、分かりやすさに重点を置いている気がする。

 しかし、この作られ方は、ややもするとドラマのリアリティに対してダメージを与える結果になりかねない、危険な選択だ。

 簡単に言うと、繊維業界にはざこばサンしかおらんのか、つーことだが。
 過去2回の自動車業界、電機業界でも、ドラマ中で表立った企業はせいぜい1社か2社で、テーマのために利害関係が単純化されている面は、どうしても気になってしまう。 3社くらい出てくると、結構リアリティのある力関係が描ける気がするのだが。

 また、通産省内や、政治家との関係を、これまたシンボライズして描こうとすると、どうしても、このドラマ自体が現自民党政権寄りの論調なのではないかという、うがった見方をされてしまう危険性が生じる。 今回北大路欣也サンが自民党(ドラマでは民自党)岸内閣の(ドラマでは岸谷、だったっけな?)通産省の大臣になって、本格的にドラマにかかわりだしたせいで、その傾向がますます鮮明になってきているように感じる。 アメリカの無理な要求に苦慮し、日本の将来のことをトータルで考えている自民党の政治家、というイメージ、である。

 だが今回、作り手がいちばん焦点を置いていたのは、結果的に外圧に屈することになった繊維部長、船越英一郎サンの苦悩だった。

 かれは、親米派の高橋克典サンとは違って、日本国内の産業の実情も視野に入れている、思慮深い人間として描かれている。
 そのかれが、北大路通産大臣とともに折衝を重ね続け、結局アメリカの無理な要求をのんでしまう。 しかも、当初1年の猶予があったその話は、2週間後の来月から、というミもフタもない話になってしまうのだ。
 佐藤浩市サン演じる風越から 「酒でも飲んでなきゃやっとられん時もあるだろう」 と、就任祝いにもらった酒を無理矢理あおり、持っていたグラスを割るシーンには、船越サンのサスペンスドラマ以外のパターンを初めて見た気がした。 まあ、私あまり、この人の出るドラマって、見たことないんですけど。

 また、この回のもうひとつのキモは、高橋克実サン(高橋克典サンと、1字違いか)がざこば社長からもらったシャツである。

 それは、1ドルシャツという安かろう悪かろうみたいな製品を作っていたざこばサンの繊維工場で作られた、破れない新製品。
 2週間後の綿製品対米輸出自主規制決定に抗議して押しかけたざこばサンが、高橋克実サンの胸ぐらを思いっきりつかみ上げるのだが、そのシャツが破れないのだ。
 「大丈夫だ!あなたの会社のシャツは、簡単に破れない!立派な一流品だ!必ず、持ちこたえるさ!」 この高橋克実サンの叫びには、心打たれました。

 思えば日米の貿易摩擦の出はじめが、このころだったのかも知れない。 要するにこのことは、日本が対外国に強い影響力を持ち始めた、まさにエポックメイキングな出来事だったとは言えまいか。 その後ジャパン・バッシングという事態にまで発展するのだと思うと、感慨深いものがある、が、…今じゃジャパン・ナッシングかあ。 この番組スポンサーのトヨタサン、がんばってください。

 佐藤浩市サン、繊維は部外者なので、今回出番少なかったなあ。 出てきても、部外者は出て行け!みたいな感じで。 ウラで堺雅人サンや高橋克実サンをスパイとして送り込むとか、結構あざといことやってたけど。 日本を守るためにガンバッテマス、というわりに。 もっとこの、功罪の、「罪」 の部分にも光を当ててくれると、さらに見ごたえが増す気がするのだが。

 なにしろ、見ごたえあります。 ドラマのTBS、バンザイ!

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コメント

史実に面白さは期待しないが、人間の綾の出し方に面白味を感じる
特に柏木由紀子さんが堺雅人さんと絡んだ数秒に出会いの因縁を伺わせた…
ここにも物語が!

投稿: ひろ | 2009年7月20日 (月) 06時33分

ひろ様
えっ、柏木サンと堺サンって、なんか接点があるんですか。 どんな因縁なんですか?
堺サン、大臣つきになっても、髪の毛ぼさぼさで、笑えます。
柏木サンにしても、床嶋佳子サンにしてもそうですが、さりげなく、内助の功を演じていて、その奥ゆかしさには、ほっとします。
それにしても、ブランデーをストレートでがぶがぶ。 アレは、胃をやられますな。

投稿: リウ | 2009年7月20日 (月) 10時21分

接点というか…
クライマーズハイの縁というか。
柏木さんは遺族なので妙な縁を感じてしまいました(すみません。私の妄想です…)

投稿: ひろ | 2009年7月20日 (月) 11時38分

ひろ様
いやいや、お答えくださり、どうもです。
「クライマーズハイ」 つながりでいえば、佐藤浩市サンはテレビドラマ、堺雅人サンは映画で、同じ作品に出演されていたみたいですね。
1986年の日航ジャンボ機の墜落の時は、ショックでしたよ。 柏木サンも、やはりテレビに出てくると、心のなかで応援しています。

投稿: リウ | 2009年7月21日 (火) 01時33分

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