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2009年7月24日 (金)

「佐野元春のザ・ソングライターズ」 小田和正 後編

 「佐野元春のザ・ソングライターズ」 小田和正サンの後編。
 前編の記事はこちらです↓
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/07/1-e13b.html

 9割9分歌詞より曲が先とおっしゃる小田サン。
 「詞を先に書くと、その詞にぴったり当てはまるメロディというのがなかなか出てこない」。
  それは、メロディの良さを歌詞によって犠牲にされたくない、メロディを二の次にするのはとても不快な感じがするから、という。 小田サンのメロディに対するこだわりを、垣間見ることのできた話だった。

 「ラヴ・ストーリーは突然に」 も、サビの部分の歌詞は当たり前すぎて、これでいいのかなあと自問自答しながら、結局歌い続けていくことで自分が納得できていったと。
 「さよなら」 にしても、最初は 「だんだん近づいていく」 みたいな内容の歌詞だったのを、レコーディングの時になって全部書き直して、やっとしっくりいったと。
 歌い続けることで、ライヴで演奏することで、歌詞と曲との融合を実感しているようである。

 印象的だったのは、「言葉にできない」 のエピソードだった。

 元春サンが 「歌詞ではない、スキャットがこの部分のコアになっていますね。 あまりにも感情が高ぶって、言葉にはできない、伝えられない感情とは何なのか、そこを想像する楽しみがある」 と切り出して。

 小田サンはそれに対して、この曲は、オフコースというグループが解散する、そのコンサートの最後の曲になるだろう、という思いで書いた、と言うのである。

 当時私は、オフコースの解散について、何の情報もキャッチしていなかった。 だのに、まことしやかにオフコースは解散するという報道が繰り返されていた。  たしか、「OVER」 というアルバムに収められた曲に、「WE ARE OVER,THANK YOU」 という声が隠れて入っている、という新聞記事もあった。
 ファンの女の子たちのテンションも、確かな情報がなにひとつないのにどんどん高まっていくのを、なんであんなに騒いでいるんだ、という思いで眺めていた記憶がある。

 結局鈴木康博サンの脱退だけで、その後もしばらくオフコースは存続したのだったが、あの頃のオフコースには、そんな一種異様なテンションの高まりが存在していたことだけは確かだ。 やはり、それなりの覚悟が、「言葉にできない」 という歌には込められていたのだ。

 「詞のないもので伝わる方法はないんだろうかと。 みんなが勝手にイメージして、膨らませてくれるもの、みんなが作ってくれるもの、っていうことで、ラララ…っていうなかに、なんかみんなが見つけてくれるんじゃないかという、…それで、そういう感情って何なんだろうって思って、哀しいこと、悔しいこと、うれしいことっていうのを、ラララに託せば、なんか今までと違うものが伝わるんじゃないかと」
 元春サンはその小田サンの言葉に激しく同意し、「哀しい」 と最初に振っておいて、最後に真逆の 「うれしい」 とつなげるところが、小田サンのソングライターとしての真骨頂だと絶賛する。 それを聞いている小田サン、何となく面映ゆくて笑っちゃいそうな感じで、ちょっと可笑しかった。

 「詞を書くのはいやなんです(今は違うらしいが)」 という小田サンの発言には、元春サンも驚いていたが、小田サンにとって、作詞作業というのは、限りない試行錯誤の繰り返しなのだろう。 歌詞も何通りか作って、比較しながら直していく、そんな話も小田サンはしていた。 自分が納得できるまで、それはいやでも成し遂げなければならない、会場の学生の質問に答えている小田サンは、そういうことを一貫して話していたように思う。
 それは、やはりプロとしての自覚でもあるのだろうが、その曲を何としても仕上げるんだ、という執念みたいなものも、私は感じるのである。

 詞をシンプルにしようと心がけている、という小田サンの姿勢は、その努力の上に成立しているからこそ、普遍性を持つものに変貌していくのだ、そう感じた、この回の 「ソングライターズ」 だった。

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