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2009年7月 8日 (水)

映画 「レット・イット・ビー」 私情レビュー

 全オリジナルアルバムのリマスター版の話題ですっかり忘れ去られた格好になっているが、画質を向上させたDVDが待ち遠しい 「レット・イット・ビー」 の映画版。

 だが、おそらく発売までに、いろんな障害が横たわっているのだろう。
 それほどこのプロジェクトには、遺恨が渦巻いているのだ。
 数年前に、ほとんどポールの遺恨を解消する目的で作られたかのようなCD 「レット・イット・ビー…ネイキッド」 で、映画版の発売にようやくこぎつけたように思えたのだが。

 ここは正規のDVDを我慢する意味も含めて、私の手元にある画質の悪い保存版(VHS標準)(四半世紀前くらいにTBS深夜に放送されたノーカット版)で、私情を大いにはさんだレビューを書いてみようと思う。

 まずユナイテッド・アーチスツのマーク。
 映画 「レット・イット・ビー」 は、リンゴのバスドラの、「THE BEATLES」 のロゴの大写しから始まる。
 それを運び、回転いすを取り付けるのは、ローディのマル・エヴァンス。 クレジットに、プロデューサー、ニール・アスピナルの名前。 ビートルズを陰で支えてきた、同志のそろい踏みには、二人とも亡くなってしまった今、妙に感慨深いものがある。
 ポールの物悲しいピアノを傍らで見つめるリンゴ。 そこにジョージがやってきて、リンゴと一緒にカメラの前でニッコリ。 ポールのピアノの哀しい旋律と、ジョージたちの笑顔が見ていてちぐはぐで、グループがバラバラだという象徴のように、個人的には思える。

 画面はジョンが歌う 「ドント・レット・ミー・ダウン」 に切り替わる。
 ジョンの左わきには、ヨーコの姿。 ポールとジョージも合わせて、この4人は結構な至近距離で、車座になって向かい合っている。 特にポールは、ヨーコとのあまりの距離の近さに、ずいぶんストレスを感じていたであろう、と察することのできるシーンだ。
 完成バージョンでは聴くことのできないワウワウペダルを多用したギターの音色が、何となくメンバーの苛立ちを助長するかのようにも聴こえる。

 続いて、「マクスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」。 「G,B,Em…」 と歌うポール。 途中からポールがピアノに変わっているので違うテイクということが分かる。 歌詞つきになるが、それでもまだ半分出来上がっていない状態。 マルがリズム感の悪いハンマーを叩く。 間奏は口笛。 リンゴのハイハット以外、全体的に、ダラダラした演奏。

 そのあと、ジョージがマイクをつかむと、感電するというシーン。 トゥイッケナム・スタジオの機材状態の悪さがうかがわれるシーンだ。 スタッフがしっかりつかんでもなんともなかったため、ジョージがもう一回つかんだ瞬間、ハウリングとともに、またビリッ。 どうも、ジョージがそのとき手にしていたエレキ・ギターとの関連性が疑われる。 なにしろ、ジョージのテンションは、これでまた下がったことだろう。

 続く 「トゥ・オブ・アス」 は、ひとつのマイクにジョンとポールが顔をつき合わせて歌う。 このビートルズ初期のようなスタイルには、ちょっと演出気味なところもあるが、素直に感動してしまう。 アレンジは、最終的なものよりずいぶん激しく、ブギウギ調。

 そして 「アイヴ・ガッタ・フィーリング」。 最初からジョンとポールのダブル・コーラスで始まる。 演奏後、途中のリンクでのジョンのギターについて、そのチョーキングの仕方をポールが何度もジョンに説明する。 ポールは、手のひらで 「こんな感じ」、と言いながら、ジョンに教えるのだが、なかなかうまくいかない。 それでも、ジョンは何とかポールのイメージを形にしようと、何度もチョーキングを繰り返すところが、印象的だ。 レコードではその結果を聴くことができるが、この映画のシーンを思い起こすと、完璧としか言いようがないチョーキングだと思う。 アレは、やろうとしても、なかなかできない難しいチョーキングだ。

 「オー!ダーリン」 のさわりの部分だけピアノで歌って、「ワン・アフター・909」 についてのインタビューを受けるポール。 「昨日の夜聴いたけど、あの曲はよかったよ」 というスタッフに、「なんでそう思うの?初期の曲だよ」 と、結構きつく反発している。
 ポール 「あの歌は、歌詞がおかしかった。 『彼女は9時9分の次の列車で旅に出る/どいてくれよハニー、オレもそれに乗るんだ/ちょっとどいてくれ/もうちょっとどいてくれ/頼むよベイベー、氷みたいに冷たくしないで』」
 ここでちょっと笑って、まるで作曲者のジョンをバカにしているような感じ。
 間髪をいれずにおなじこの曲が流れるので、なんだかジョンが気の毒になるような編集の流れだ。

 続いてポールのピアノのところにリンゴが「ご機嫌いかが」 とやってきて、ブギー調のピアノ連弾を繰り広げる。 個人的には、中学校のピアノなんかで、よくマネをして弾いたものだ。

 「トゥ・オブ・アス」 の演奏をさえぎって、ここで、例の、ポールとジョージの口論である。 (追記・コメントを寄せてもらった匿名様の助言により、ちょっとネットで調べた結果、だいたいこんなことを言っていたことが明らかになりました。 匿名様、誠にありがとうございます!)
ポール 「もう1時間も何のアイデアもないまま、ただダラダラやってる。 リフはさあ…」
ジョージ 「リフもクソも…きみの言うとおりがんばってますよ」
ポール 「ちょっと待てよジョージ! "You and I have memories"のとこさ、」
ジョージ 「"memories longer than the road…"」
ポール 「待って、そうじゃなくて…しっくりこないから演奏もまとまらないんだ、このままじゃ…」
ジョージ 「じゃあまた続けるかい?」
ポール 「じゃあやめようか? 『もう無理だ!』って言ってさ」
ジョージ 「きみの納得がいくまでやるさ…ここにテープレコーダーがあればなあ…まずは録音して、それを聴けばアイデアも出るんだけど」
ポール 「それもいいけどさあ…」
? 「オレも賛成だな」
ポール 「なんて言うかさ…ちょっとアレンジが複雑になり過ぎたかもね…だからさ、1回全部バラして、基本から肉付けしていきたいんだ、そしたらいいアレンジも浮かんでくるよ。 ちょっと複雑になり過ぎてるからね」
ジョージ 「複雑なんじゃないさ。 きみがいちいちウルサイのが原因だよ。 なんならずっとコードだけ弾いててやるよ、それがお望みならね」
ポール 「なあおいジョージ、すぐにひねくれるのはやめてくれよ! オレは助言しているだけなんだ。 これでもきみを傷つけないように気を遣ってしゃべってるつもりだぜ」
ジョージ 「オレが何を言っても気分が悪いんだろ?」
ポール 「別にそんなことないよ! オレが言いたいのはさ…」
? 「ノイズが気になるなあ…」
ポール 「そんなことじゃないんだよ。 そういうつもりで言ってるんじゃないんだ。 きみはいつもオレの言葉を悪い意味で取るよな。 こないだもそれで揉めたよな。 だけどきみを傷つけるつもりなんてないんだよ。 オレが言いたいのはさ、『なあみんな!バンド全体のことを考えようぜ、力を合わせていいものを作っていこうぜ』 ってことだけなんだよ」
ジョージ 「笑わせるなよ、オレは自分のギターがどう使われようが知ったこっちゃないんだ」
ポール 「言いたいことは分かるよ、たとえばこういう議論だろ? 『ヘイ・ジュード』 の全編にギターを入れるべきか?いやそうは思わないな、みたいなさ」
ジョージ 「あのさあ、そんなの、もうどうでもいいんだよ。 きみの言われた通りにやればいいんだろ? いっそギターなんか弾かなくてもいいんだぜ、もしオレがジャマだって言うんならね。 きみのご機嫌を取れるならオレは何だって言う事を聞いてやるよ」

 ここでジョンがようやく割って入り、「テープの音を聴けばいいよ。 そうすればギターの音が合ってるかどうかも分かる」 ととりなす。 ポールの服装が違っていることから、これは違う場面を編集している、という意見もあるようだ。
 ただしいずれにせよ、ポールはジョンがしゃべっているあいだ、ずっとベースでアドリブを弾きっぱなし。 とてもまじめにジョンの話を聞いているようには見えない。 雰囲気サイアク。

 ジョンは構わず、「『ぼくの世界は変えられない』(「アクロス・ザ・ユニヴァース」)をやろう」 と言って、歌い出すのだが、演奏はダラダラ。
 後年ジョンが、「オレの曲をやり始めると、みんなサボタージュ状態になった」 と話していた、象徴的な該当シーンだ。
 また編集なのか、シーンはいきなり 「ディグ・ア・ポニー」。
 ただしポールは演奏にも加わらず、あくびをしては、かみ殺している状態。 途中からベースを弾きだしても、口をポカーンと開けたまま、まるでやる気が見られないのだ。 ここらへん、ジョンのファンにとっては、見ちゃいられない。 ジョンもそのあまりのテンションのない演奏を途中で打ち切り、ロックンロールのオールディーズでメンバーの士気を上げようとする。
 「スージー・パーカー」 ラストの「ダダダダダダ」 のコーラスは、なかばヤケ気味なポール。

 ジョージがリンゴに 「へヴィー・ワルツだよ」 と言って聴かせるのは、「アイ・ミー・マイン」。 リンゴは手拍子でうながすけど、これもなんか投げやりが入ったようなアクションで。 途中からテイクが変わって、ジョンとヨーコが踊るのだが、ジョンってこの曲のレコーディングに、最後までちゃんと加わってなかったように見える。

 トゥイッケナムの 「使えねえ~」 スタジオから、現場はアップル社のスタジオへ移動。
 「フォー・ユー・ブルー」 をバックに、建物の正面入口に歩いて入っていくポール、車から降りてイタズラっぽく、かくれんぼのしぐさをするリンゴ、ロールスロイスから降りて、地下に入っていくジョンとヨーコ、自分で車を運転してきたジョージ、それぞれの登場の仕方がいい。
 アルバムの最初にジョンが叫ぶ 「アイ・ディグ・ピグミー」 の部分の映像も流れるが、なんかその映像、実際にしゃべっているように見えない。 たぶんあとからかぶせたんだろう。
 ポールがジョンに、「マハリシのところでは、君は芝居がかっていたよ、『先生、教えてください』 みたいでさ」 などと話して、ジョンを笑わせる。 「ベサメ・ムーチョ」。 まるでバリトン歌手みたいな歌い方で、またまたジョンを笑わせるポール。 トゥイッケナム・スタジオの寒々しさからは、ちょっと解放されたような感じだ。

 続いて、リンゴのピアノにジョージがアコギで合わせる、「オクトパス・ガーデン」。 サビの前の部分のメロディに、ピアノでコードを弾きながらアドバイスをするジョージ、この映画で初めて見る、心温まるシーンだ。 これを見ていると、ジョージが自分の頭のなかにあるコード進行のイメージを、キーボードで表現することができた、ということが分かる。 ただ、この曲のオリジナル・キーはEだが、この映画のなかでは、Cで演奏されているので、ジョージもイメージを具体化しやすかったのだろうが。
 リンゴがピアノ、ジョージがアコギで合わせているところで、ジョンとヨーコがスタジオに到着、ジョンはリンゴのドラムセットを叩きはじめる。
 ところが、ポールが娘のヘザーを連れてスタジオ入りすると、演奏は唐突に終わってしまうのだ。 なんとも気まずい。
 皮肉なところを、映画スタッフは撮ってしまったものだ。
 ただ、ポールが連れてきたヘザーは、とてもかわいい。 ドラムをいきなり叩いて、リンゴをびっくりさせたり、場を和ませるのに、一役買っている。 たぶんポールがヘザーを連れてきたのは、そういう目的があったのだろう。

 曲は、「ユー・リアリー・ガッタ・ホールド・オン・ミー」。 メンバーにとって、特別の思いのある曲だ。 出だしでまたダラダラ気味なのだが、ジョンが何とか盛り上げる。 ジョージもフルでコーラス参加するが、2番の歌詞はちょっとあやふやで、首を傾げたりするところ、なんかカワイイ。 ビリー・プレストンが参加しているのが、途中から分かる。

 そして、「ザ・ロング・アンド・ワイディング・ロード」。 ジャズ風なおふざけをポールがたしなめて、ちゃんと演奏が始まったかと思ったら、途中でそのポールがふざけ出して、中断。 ちゃんと歌うには、ちょっとコッパズカシイ部分があるのかな、と思ったりする。

 その恥ずかしさを振り払うように、曲は 「シェイク・ラトル・アンド・ロール」「カンザス・シティ」。 「カンザス・シティ」 は、「フォー・セール」 のヴァージョンではない。 ぐるぐる回り続けるヘザー。 足だけ見えるのは、たぶんリンダだろう。 ヨーコが出ずっぱりなのに、リンダはあくまで顔を見せないのが、ちょっと感心する。 メドレーで、「ミス・アン」。
 続いて、「ディグ・イット」。 完全ヴァージョン。 みんなノリノリなのに、リンゴだけテンション低かったり。
 「ディグ・イット」 が終わると、ポールがジョンに、おそらくルーフトップライヴの説得をしている。 「ハンブルグでも最初はナーバスだったけど、最後は上手くいったんだから、きっと今回もできるよ、でなきゃ永久にライヴはやりません、ってことになる」

 そしてちゃんとした形で 「トゥ・オブ・アス」「レット・イット・ビー」「ザ・ロング・アンド・ワイディング・ロード」。 リンゴの物悲しい表情が、なぜか心に残る。

 そして、この映画のハイライト、ルーフトップライヴの全貌。

 時期はロンドンの一番寒い1月終わり、街の人々の反応を見るのは実に面白いのだが、当時の人々にとって、「レット・イット・ビー」 の頃のビートルズの音楽は、どう響いていたのだろうか、ということを、私はいつも考えながら、この映画を見てきた。

 要するに、「ホワイト・アルバム」 で一種先祖がえりみたいな傾向は示していたとはいえ、この頃のビートルズは、サイケ時代の完璧さからは完全に脱皮してしまっている。 ましてや、このころのビートルズの掲げていたテーマは、「原点に帰れ」 である。 20代後半を迎えていたビートルズが、また大衆のものに戻りつつある、という感覚だったのだろうか。

 いずれにせよ、今の感覚でルーフトップの曲を聞くと、楽曲的にとても優れていることに、いまさらながら気づく。 私もガキだった頃は、グループの分裂状態や、やる気のなさに気を取られていたが、「アイヴ・ガッタ・フィーリング」 などはとてもキャッチーな曲だし、「ワン・アフター・909」 は、初期には結構かったるい曲だったのを、とてもタイトな曲に変身させている。

 さてこのルーフトップライヴ、途中から撮影班は警察の動きを追っていくが、それがいかにもわざとらしい。 ジョンか誰かが話していたが、もっと過激に、メンバー全員逮捕とか、もっと過激な方向に行ったら面白かろうな、とは思うが、「これでオーディションには受かったかな」 というジョンのラストの一発は、そんなわざとらしさを一掃させるユーモアにあふれていた。 やはり、ジョンは、神がかっている。

 この映画を見ていて思うのは、映画自体が、ひとつの楽曲のような気がするところだ。 1曲1曲のつなぎの部分も一種の音楽みたいに聞こえる。 この録画されたものの以前に、かまやつひろしサンがナレーションを務めていたテレビのヴァージョンがあって、それをカセットテープに吹き込んで何十回となく聴いたせいだろう。

 ただ、こんな聴き取れる部分だけの意訳しまくりの字幕より、ちゃんと細かいところまで聴き取った字幕付きのものを世に出すことで、メンバーの確執についてもっとちゃんとした考察がなされるべきなのではないかと、思ったりもする(追記・匿名様の助言により、相当細かく聴きとりのできているDVDが発売されていることが分かりました。 ひょっとすると、将来発売される正規のDVDよりすごいかも。 ただ、画質は悪いようです)。
 いずれにしろ、この 「レット・イット・ビー」 は、きちんと画質も音質もデジタル・リマスターおよびサラウンド化をほどこして、一刻も早く出すべきだ。 でないとみんな死んじゃうぞ(笑)。

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コメント

いつぞやの者です。また、おじゃまします。
この映画、かなり翻訳された字幕付きのDVD-Rが出回っています。
正規のものではないため、あまりお薦めはできませんが、メンバーの発する言葉に興味があるようでしたら、以下のキーワードでググると見つかると思います。
IMP,LET IT BE,SPECIAL J EDITION

どなたか存じませんが、またのコメントとのこと、ありがとうございます。
耳よりな情報をお教えいただき、重ねてお礼申し上げます!

さっそく調べてみたいと思います。 英語のヒヤリングの能力があればなーと、いつも考えてはいるんですが、ね。
「アンソロジー」 のCDなんかでも、ああ何しゃべってんのか分かればなー、と思いながら聴いてますし。 だけどネットで調べたりすると、結構分かって、ネットの便利さを実感しております。 「レヴォリューション9」の歌詞(?)を見つけた時は、さすがにブッ飛びました。

それにしても、ビートルズファンの誇り?(笑)みたいなものもあって、学生時代は英語をハッチャキになって勉強して、結構成績よかったと、自分なりに思っていたんですが。
学校の英語なんか役に立たない見本みたいな感じですよね、コレって(笑)。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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