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2009年7月14日 (火)

「官僚たちの夏」 第2回 電子計算機…(遠い目)

 「官僚たちの夏」 第2回のテーマは、「テレビ」。

 佐藤浩市サン演じる 「ミスター通産省」 風越は、テレビを外国から輸入させないと決め、国内の電機業界のテレビ製造許可を30社に絞り込む。
 その選抜に落ちてしまったのが岡本信人サンが社長を演じる大沢無線だったのだが、今回このドラマでは最終的にコンピュータへの業種転換を決断する。
 この決断って、当時としては相当無謀だったのではないかな、そう感じた。
 ドラマでは昭和31年当時の現物(?)まで出てきたが、なにしろ当時のコンピュータは、現在のものに比べるとハチャメチャにでかくて、しかも電子計算機という呼び名の通り、計算しかしない代物だった。 アメリカではIBMがすでに台頭していたが、これは企業用とか研究所用というのが主な得意先で、とても家庭用の収まるレベルではなかったはずだ。

 要するに、テレビという、これから家庭用としての未来が洋々と開けている電気製品を作ることに命をかけていた大沢無線にとって、企業用、研究所用にしか需要のない、巨大な代物を作ることは、180度の経営転換と言ってもいいのだ。

 事実、このドラマの舞台となった昭和31年、1956年から、コンピュータがようやく家庭用のものとして定着したのは、ウィンドウズ95の発売された、1995年、それからおよそ40年後のことになる。 40年というのは、企業経営者にとって、そんな先のことを見据えて経営なんかできるか、というレベルの話なのだ。
 パソコンが常識になっている現代からの視点で今回のこのドラマを見ていると、当時の人々特に堺雅人サンがヤケに先見の明があったように思えてくるが、当時の視点から考えると、何を夢物語を得意気にやっとるんだ、という感覚でしかない気がする。

 ただし、こういう下地が生まれなければ、現在の日本のIT産業も、もっと遅れたものになっていたかもしれない。 それに、ドラマとしては、よく練られている。 堺雅人サンが岡本信人社長に、自分の父親が果たせなかった夢を託しているくだりであるとか、岡本サンがやはり、夢物語でしかない電子計算機の話を、拒絶し続けた末に受け入れる部分のやり取りは、見ている側を納得させる説得力に満ちていた。

 それに、このドラマでうなってしまうのは、風越たちに、「自分たちのやっていることは、間違いなんじゃないだろうか」 という反駁をさせている点だ。

 片方を立てれば片方が成り立たなくなる、そういう決断の積み重ねを、彼らは日々おこなっているわけなのである。
 だが、間違っていようと間違っていまいと、「これが日本のためなのだ」 という信念のもとでそれを断行する。 風越たちは、そうすることでしか、自分たちのやっていることに自信を持つことができないのだ。
 ここらへんの決意が、「日本のため」 という、背中がかゆくなるような建前みたいな言葉に、重みを逆に持たせている。

 そして彼らに自らの存在意義について苦悩させることによって、このドラマが単なる 「戦後の歩みドラマ」 に陥る危険性を回避しようとしている。

 それにしても、蛇足であるが、途中で大蔵関係の課長役で出て来た人、田宮二郎サンにそっくりだった。 出演者テロップには、「田宮五郎」 ってなってたけど、この人かなあ?
 田宮サンの息子サンかな。 クリソツでした。 気味悪いくらい。

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コメント

あれだけ似ているのは父親の執念でしょうか。
活躍を待ちます。

投稿: 全く | 2009年7月15日 (水) 14時59分

全くサン
あっ、田宮五郎サンのことですか?
なんなんですかねー。 最初はあそこだけ合成かと思いました。 それにしても、髪形やらなんやら、完全に狙ってましたよね。 でも逆に、あそこまでしてしまうと、ギャグの領域というか…。
彼が役者として生きていくとすれば、あれだけ父親にそっくりなのは、かえって足かせになる気がしますけど。 でも、心情的には、全くサンのおっしゃるように、活躍してほしい気がします。
コメント、ありがとうございます。

投稿: リウ | 2009年7月15日 (水) 17時25分

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