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2009年9月 7日 (月)

「官僚たちの夏」 第8回 この内容じゃ選挙前は放送できない

 3週ぶりの、「官僚たちの夏」。
 先々週は 「世界陸上」、先週は選挙特番。
 で、今週から 「堂々の第2部」 というわけで、華々しく再開とあい成ったが、佐藤浩市サン演じる風越が左遷されているのは今回だけだったし、内容に関して劇的な変化はないし、わざわざ第2部と喧伝する意味は、実はないと言っていい。 早い話が、「テレビ局の都合」 である。

 このドラマ、最初から10回、と決まっていたようだが、衆議院選挙が8月30日に行われる、という事態は、想定していなかったように思える。 告示後の放送が、「世界陸上」 でお休みになったのは、幸運な偶然だったのではないか。
 なぜなら、告示後に今回第8回の放送をしたとしたら、たぶん公職選挙法に抵触する可能性があった。 それくらい、今回の自民党(ドラマでは 「民自党」)政治家たちは、…
 …カッコよかったあ~(しみじみ…笑)。

 風越が特許庁に飛ばされた代わりに特許庁から異例の復帰を果たした船越英一郎サン演じる玉木が、国産初の旅客機YS-11の機体改善のために、その計算処理能力において圧倒的な優位を保っている米国IBM(ドラマではIDN)社のコンピュータを使おう、という話になって。 それを北大路欣也サン演じる池田勇人総理(ドラマでは池内総理)に談判に行くのだが。

 玉木 「手っ取り早くIDNを導入したほうが効率的です」
 池内総理 「だが、…現状の効率だけを追求して、日本に何が残る?」
 玉木 「…は?」
 池内総理 「アメリカ製のコンピュータを導入したほうが手っ取り早いというなら、飛行機だってアメリカ製を導入したほうが手っ取り早いということになる。 すべてそういう考えでやっていたら、家電も自動車も、外国製にすればそれで済むという話になる。 国内産業は何ひとつ育たないことにつながり、…国は滅びる」
 玉木 「(笑)それは極端すぎる意見です…。 一緒に国際化を推進してきた池内総理がどうしてそんなことをおっしゃるのか分かりません」
 池内総理 「オレは!国際競争で日本産業の力を伸ばすことには賛同してきたが、自由化で、何から何まで外国の技術に依存しようなどという情けない発想に賛成したつもりはない!」

 そして池内総理は玉木に、国産のコンピュータも旅客機も育成してやってほしい、と懇願する。
 これが、自らの死期を悟った池内総理の、玉木への最後の願いだというのだ。

 これがカッコよくなくて、何がカッコイイというのか!(笑)

 そして池内総理は、長塚京三サン演じる佐藤栄作(ドラマでは須藤恵作)に、折から始まっていた東京オリンピックの話をしながら、次期総理の座を打診する。

 池内総理 「ひとりの力じゃ聖火台までたどり着けない。 次の人間へ、また次の人間へと渡していく。 …国政も同じだ。 オレも、岸谷前総理から受け継いだ政権を、次の総理に渡さなければならない。 …オレは総理を辞めるよ。 この国を、須藤君に託したい」
 須藤 「私に? しかし我々はいつも対立し、そのたびにあなたは私を潰してきた。 政策論でも、けっして一致していません」
 池内総理 「だが、君はどんなときでも、信念を貫いた。 国際化というオレの役目が終わった今、必要なのは須藤君のような指導者だ。 これからの日本をよろしく頼むよ」
 手を差し出す総理。 しばらく考え、立ち上がって手を差し伸べる須藤。
 須藤 「分かりました。 必ず日本国を、世界の一流国にしてみせます」

 どうですか。 ここまで来ると、もはやプロパガンダとしか言いようがないじゃ、あーりませんか(笑)。
 これを選挙前に放送していたら、自民党はもうちょっと、がんばれたかもしれません、…ってそれはないか(笑)。
 でもこれって結局、密室でのなんとやら、ってことですよね。

 この回のラストで、車いすに座って点滴を受けている池内総理が、自分の家の庭に出て、YS-11が頭上を飛ぶのを楽しみにしている、と風越に語るところは、なんとも 「ドラマ的に」 感動する場面だった。

 でも、これを素直に感動できない私自身に対して、なんとも複雑な気持ちになってしまう。

 なぜなら、国産旅客機がこのあと、本当に成長したのかな、と考えた時、門外漢でなにも知らない私がここで発言するのもおこがましいが、旅客機ってボーイング社ばっかりだよなあ、という気がしてならないのだ。 YS-11は確かに、国産旅客機として、実に誇り高い機種だった。 テレビドラマでも取り上げられたりして、個人的にも思い入れの強い旅客機である。 だけど振り返ってみると、これだけだったような感じなのだが。 もしそんなことはない、という方がおられましたら、どうかご指摘ください。

 これは結局、旅客機の産業が、その後国内ではじゅうぶん国際競争力を身につけられなかった、ということなのだろうか。
 旅客機製造というのは、日本の産業構造に必ずしも合っていないような気もするのだが、いったいこの分野が伸びなかったのはどうしてなのかな、と考えたりもした、今回の 「官僚たちの夏」 だった。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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