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2009年10月23日 (金)

「善徳女王」 カットしすぎなんじゃ?

 話が冗漫すぎて、途中で見るのを結局リタイアしてしまったBSフジ 「風の国」。
 その後番組として始まったのが、韓国では今年の5月から放送され、視聴率40%を超えるという、「善徳女王」。 今年の5月、というのは、日本で見られる韓国ドラマの基準からいくと、ホントについ最近、というレベルである。

 いきなりイ・スンジェサンが大帝役で登場するも 「イ・サン」 とは違う声優サンで、何となく違和感を抱きながらの視聴である。 まあ、大塚周夫サンなんか、チョイ役でおいそれとは使えないと思うが。
 と書いたように、このドラマでのイ・スンジェサンは、ホントに最初だけの出演で、チョイ役、という感じ。 ただしその存在感は、相変わらず圧倒的で、あっという間に亡くなってしまうのに、後室のミシルのたくらみを見抜いたり、喘ぎながらも孫のペクチョンに後事を託したり、ちょっとの出番で実に印象的。
 しかも、ミシルのたくらみを見抜くまではよかったが、ミシルを殺すよう命じた花郎(ファラン)がミシルと通じていることまでは見抜けず、人によって王たりえた、という自らの自負も結果的には崩れていた、という皮肉まで演じている。 深い。

 この、悪役の後室ミシル。
 花郎部隊を味方にして、いったんはイム・ホサン(「チャングム」 の王様役でした)を王位につけたはいいものの、煙たがられてイム・ホサンに復讐。 花郎たちを次々自害させてイム・ホサンを脅迫するあたり、ちょっと常軌を逸している、というか。

 小道具にも凝っている。
 このイ・スンジェサン演じる大帝と、ミシルを運ぶ輿。
 一人用の輿は何度も見てきたが、これは四畳半程度の、部屋ごと運ぶような、巨大な輿である。 「ソドンヨ」 で、百済と新羅のテクノロジー合戦を見てきたので、何となく合点のいくような光景だった。
 初代王の卵、というのも、なんだか 「太王四神記」 を見ているようなCGだったが、まあこれは、「ちょっとやってみました」 程度かな。

 いずれにせよ、さすがに視聴率40%番組、話を面白くするキモを抑えている、と感じる。
 だが、私が気になったのは、話がところどころ分かりにくい、という点だ。

 いちばん分かりにくかったのは、「チュモン」 でヨンタバル商団の護衛隊長?でソソノの夫役をやっていた、チョン・ホビンサン。
 この人、花郎の総指揮者という役柄なのに、花郎集団をミシルに我が物顔に動かされても、何の行動もしない。 いったい何のための総指揮者なんだか、まるで分らない。
 ドラマ冒頭からお祈りをしたり、イ・スンジェサンの北斗七星の遺言(この遺言の場面も、回想のナレーションだけで、そもそも出てこない)を常に気にかけてたり、善徳女王を身ごもっている母親(マヤ)の命を救おうとしたり、ドラマで重要な役割を演じているはずなのに、自分が指揮しているはずの花郎部隊の、常にカヤの外に置かれているような感じだ。

 つまり、どうも、重要な部分をカットされているような気がしてならないのだ。

 韓国ドラマというのは、週2回やって、しかも放送時間が1本70分、とか。
 これを日本で放送するとき、NHKならば 「イ・サン」 のように、60分番組で10分程度のカットで済むところを、民放になると45分程度しかやらないために、だいたい3分の1くらいはカットされてしまう、という計算になる。 まあ、韓国でのCMの時間とか、そこらへんの知識はないのでいい加減な計算ではある。 だけど、「冬のソナタ」 の完全版をかつてNHKBS2でやった時、だいたい1本70分程度だったので、あながち間違いでもないと思うが。
  「チャングム」 も、地上波の民放で数回やった気がするが、かなりズタズタだったのではないだろうか。

 それにしても、初回はいつも登場人物が矢継ぎ早で、それでなくとも話が把握しづらいのに、そのうえカットカットでは、たまったものではない。
 そのうえBSフジでは、これまでその日本語吹き替えの方法に、何度となくしっくりこないものを感じてきた。 いちいち製作費をかけて日本語吹き替えにするよりも、私などは字幕で見たいのだが。
 全編字幕付きノーカット版、という方法が、いちばん良心的な放送の仕方だと思うのだ。 しかも韓国並みに週2回、とは言わないまでも、週1で2時間半放送とか。 そこまでは贅沢ってもんでしょうかね。

 しかしまあ、なんとかならんもんでしょうか。 なまじ面白いだけに余計そう感じます。

当ブログ 「善徳女王」 に関するほかの記事
カットしすぎなんじゃ?
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/post-69fc.html
第4回 面白いのは分かったから、全部見せてくれ!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/4-62b0.html
第9回 成人後の役者そろい踏み、で… http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/9-b1d2.html
第16回 今までにないタイプの悪役、ミシルhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/16-bac2.html
第25回 韓国式の 「生きろ!」http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/25-e18c.html
第28-29回 王女になったトンマン、ミシルとの闘いhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/28-29-11cb.html

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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