「不毛地帯」 第4回 ギバチャンの無念が伝わってこない
防衛庁の機密漏えいで捕まった古田新太サンのウソによって、追い詰められてしまった柳葉敏郎サン扮する、川又。
唐沢寿明サン演じる主人公、壹岐正の家に行った帰り、東急東横線の都立大学駅から、どうも自由が丘方面に向かったようである。 電車に乗ってから、冗談交じりな感じで敬礼をしながら壹岐と別れるシーンは、映画 「駅STATION」 を思い出させるものだった。
そこから川又は、多摩川の近くの貨物列車に轢かれて死んだのだが、ちょっとここで、ストーリーとは関係ない話をしようと思う。
壹岐が多摩川方面を、「反対方向」 とか言っていたことだ。
都立大駅から自由が丘方面、というのは、そのまま行けば多摩川方面に向かうのであって、けっして反対方面ではない。
ただ多摩川の近くを走る貨物列車というのが、よく分からない。
国鉄、現在のJRのことだろうか。
だとしてもその路線は、昔から立体になっているように思えるのだが。
もしかして現在の多摩川線のことだろうか? 夜中に貨物が走ってたとか。 でも私鉄を貨物が走るかなあ?
どうもこの現場のカーブの仕方を見ていると、多摩川線のような気がするのだが。
いずれにせよ、この自殺現場の多摩川近辺の風景は、当時はいかにもこんな感じだったのだろう、と思わせるにじゅうぶんなド田舎だった(笑)。
話を戻すが、この川又の自殺のくだりを見ていて、どうも彼の無念さとか、その悲劇的な部分が伝わってこないように感じた。
それは、壹岐正の家で語った、川又の最後の話がどうにもきれいごと過ぎて、とってつけたような感じがぬぐいきれないのが原因である。
「ラッキードF104を導入することによって、戦争をしない、戦争をさせない、自衛隊のありかたを国民に納得してもらうこと」 が念願だった、そのために幕僚長になることが必要だった、と川又は言うのであるが、その理屈が分からないのだ。
どうしてそれとこれとがつながるのか。
その説明は、ドラマのなかでは、なされていない。
だから、段田安則サン演じる貝塚が弔問に訪れたときに、壹岐が激昂してつかみかかるのも、なんだか唐突なように感じる。
貝塚は 「川又の奥サンにじゅうぶんな金銭的支援をさせるために協力してくれ給え」 と壹岐に言ったのだが、「お願い致します」 まではよかった。
続けて 「遺書なんかあったらマズイから握りつぶしてくれ」 と言った瞬間、壹岐は貝塚につかみかかるのだ。
壹岐は川又の無念や貝塚の卑劣さを知り尽くしているからこそつかみかかったのであるが、肝心の、川又の無念がどういうものだったのかの描写が足りないために、壹岐の怒りばかりが先行してしまう感じになる。
貝塚の親切が形ばかりでオモテウラありすぎなのはよく分かるのだが、「奥サンのためにいろいろ尽力しよう」 と言っているのに、協力してあげないでどうするのだ。 ここは涙をのんで、「よろしくお願い致します」 で済ませなければならないのではないか。
「国民に納得してもらう自衛隊」 というのがどういうものなのか、もっとちゃんとした話を、川又から聞きたかったものだ。
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