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2009年11月 8日 (日)

「JIN-仁-」 第5回 梅毒との闘い!

 今回の 「JIN-仁-」 は、野風(中谷美紀サン)の先輩花魁、夕霧(高岡早紀サン)が罹った梅毒の治療のために、当時まだ開発されていなかったペニシリンを作り出すことがテーマ。

 この場合、いくらなんでも南方仁(大沢たかおサン)もただの医者。 薬を使うことは知っていても、その薬をどうやって製造するかまでは分かるわけがないはずです。
 それを、知っていたんだなー南方先生は。
 未来のほうの中谷美紀サン(なんか、ややこしいけど、未来というのは美紀サンの役名でもあって、ミキという役名と実際の名前と読みが同じであって…)が、南方と出会うきっかけとなったペニシリンの製造方法のレポートが元になっていたわけです。
 こういう、いかにもドラマ的なあり得ない話を、「ふたりの出会いのきっかけだった」 みたいな大きな話として、コソコソやらずにドーンと話の軸にしてしまうところが、このドラマの凄いところだと思っています。

 その製造過程は、なんかよく分からんけど引き込まれる(笑)。 青カビが原料になるくらいは一応知っていましたが、それを集めてかき回して濾過して灰と混ぜて、…アルカリ性がどうとか酸性がどうとか、…その一連の作業が、視覚的にとても興味深い。 これこそがテレビドラマの醍醐味、と言っていいでしょう。

 そしてペニシリンができるまでの、いくつもの陶器製のシャーレを開けていく田口浩正サンのカウントダウン。 この演出にも引き込まれます。 14番目だったかな、そんなにすぐには効果ありのシャーレが出てきませんでしたが、この過程も、そう簡単にはペニシリンを量産できなかったという、後々の物語の展開にもかかわってくる。
 しかも、ペニシリン生成に成功した瞬間に南方が感じる一抹の不安。 後世のフレミングなんかの手柄を横取りしちゃったようなもんですし(笑)、これで戦争の勝敗とか、そういう大げさなレベルで歴史を変える可能性を生んでしまったわけですからね。 第二次大戦のときのポスターかなんか、冒頭にインサートされてましたよね。 ここらへんのサブリミナル的な用意周到さも、このドラマを見ていて頻繁に感じる点です。

 そこに飛び込んできた、夕霧危篤の報。 咲(綾瀬はるかチャン)が南方の助手を買って出るのですが、女が吉原に出入りするのには、大門切手というパスポートみたいなものが必要なのです。 咲チャン、バッと結っていた髪をほどき、男装するために着物を貸して下さいと医学所生たちに頼む。
 ここらへんの細かい江戸時代の描写にも抜かりがないのも、毎度感じるこのドラマの凄い点です。

 夕霧の容体は重く、ペニシリン注射によって劇的な回復を見せたのですが、とうとう最期の時を迎えます。
 膿がほとんど消えた夕霧に施された化粧。
 「泣いても一生、笑うても一生、ならば今生、泣くまいぞ」
 というセリフは、人を恨んだり嫌なことに押しつぶされたりする人生よりも、人に感謝し、前向きに生きていくことがいかに尊いかを語って、余りあります。 展開が緻密なうえに、人間ドラマがしっかりしているからこそ、このドラマは人を感動させる力に満ちているんだと思います。

 そして夕霧は、両手を合わせて南方を拝むようにしながら、死んでいくのです。 思えば夕霧は、南方が治療をしますと入って来た時も、両手を合わせて拝んでいた。 亡くなるときは、野風も涙を流しながら両手を合わせていた。
 こうした、人が人を拝むという精神も、いまの日本では死滅している感情と言えるのではないでしょうか。
 感謝の気持ちというものは、まあ言うなれば、「ありがとう」 の言葉ひとつで表明できるものです。
 でも両手を合わせて、まるで神仏に対するように人に感謝するという方が、感謝の気持ちとしては一歩も二歩も前をいっている。
 これは現代人に対する、アンチテーゼの意味合いも兼ねている気がするのです。

 このドラマは、ちょっと凄いことになってます。 私のなかでは、回を追うごとに、どんどん株が上がっています。

当ブログ 「JIN」 についてのほかの記事
第1回 荒唐無稽との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---1-e9ae.html
第2回 建前との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---2-f3b1.html
第3回 自分の病との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---3-3290.html
第4回 女としての闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/---4-542b.html
第5回 梅毒との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---5-9dba.html
第6回 リアルとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---6-25d6.html
第7回 明日のための闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---7-87b0.html
第8回 自分の器との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---8-e9a7.html
第9回 心意気どうしの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---9-8cf0.html
第10回 ああもう、どうなっちゃうの?との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---10-670a.html
第11回(最終回)続編あるかどうかとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---7290.html
番外 続編の可能性を、もう一度考えるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---a138.html

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