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2009年11月30日 (月)

「JIN-仁-」 第8回 自分の器との闘い!

 龍馬(内野聖陽サン)暗殺のシナリオが狂いはじめ、それと南方仁(大沢たかおサン)のタイムスリップとのかかわりを通じて、物語が終息しそうな感じになってきた、「JIN-仁-」。
 ああ、もう終わっちゃうのかー、あと数回で。
 それで続編が作られるとか、映画化されるとか、ここまで話題作になってしまうと、下手な思惑がいろいろと作品の周囲に漂い始めて、つくづく純粋にドラマを楽しめない、下らない時代になったものだと実感します。

 ただドラマのほうは、相変わらず堅実な作り。
 今回のテーマは、自分の器、とでも申しましょうか。

 以前より強力なペニシリンをつくるために、必要なのはカネ。 そんな時に、ちょうどその強力なペニシリンが必要な患者が出てしまって。
 それが、小出恵介クン演じる橘恭太郎が思いを寄せている花魁、初音(水沢エレナチャン)。 今回はこの初音を救うための闘いを、南方、龍馬、恭太郎の三者三様で見せます。

 南方は野風(中谷美紀サン)からの資金供出を拒み、龍馬は持ち前の口八丁で資金を調達するも、実はだまされていた、という展開で。 結局初音をはらませたと思われる歌舞伎役者、澤村田之助(吉沢悠クン)に土下座した恭太郎のおかげで、なんとか龍馬の失敗は埋め合わされました。

 ここで野風の資金供出を拒んだ南方先生も、状況から見て心情的には実にその通りでありましょう。 いくらなんでも、野風が夕霧ねえさん(高岡早紀チャン)を助けようとした時とは、事情が違います。 野風には南方に対する恋慕の気持ちがあって、だからこそ南方の力になりたいと願うのですが、ここで拒まれたことで、「あちきにはなにもありんせん」 と、自らの器のありようを思い知らされてしまう、という展開が、とても切ない。

 内野龍馬も、結局だまされていたとはいえ、その小判をペニシリン製造所で働いている者たちの前でぶちまけ、ひとりひとりに手渡すなど、実に人心掌握に長けている。 常に直情実行型。 ここまで人のために何の躊躇もなく動いてみたいものです。

 そんな南方や龍馬を見ていて、恭太郎は自分の器の小ささにめげまくっていくのですが、それって仕方がない話ですよね。 ふたりとも、スーパーマン並みですもんね。 南方先生は、ただ単に現代医学を知っているだけかもしれませんが、それも江戸時代の人から見れば、神に等しいわけであって。 かたや坂本龍馬と言えば、現代に至るまでその信奉者が後を絶たない、日本史における魅力的人物ナンバーワンとも呼べる男ですからね。 恭チャンでなくてもめげますよ(笑)。

 ところがその恭チャンが、今回は歴史上の人物も真っ青なことを成し遂げたんですからね。

 頑として譲らない田之助に、金を貸してくれるよう頼み続ける、という 「見世物」 を演じたんですからね。 侍が、「役者風情」 なんてさげすまれるような歌舞伎役者に、公衆の面前で頭を下げるんですから、その屈辱たるやいかに。
 田之助も、それにほだされて、「あの金は返さなくていいからね。 貸すなんてセコイマネはキライなんだよ」 って。 なんかカッコよすぎてムカムカしますが(笑)、それが江戸っ子の心意気って感じでしたよ。

 だけどそれだけのことをやっておいて、まだ自分のことをぼんくらだという恭チャン。
 内野龍馬が、それを一喝します。
 「おまんのどこがぼんくらじゃ!」

 歴史上の人物からお墨付きを頂いたのですから、大いに誇ってもいいんですが(笑)、人間、器が大きい小さいじゃないんだ、ということを、とても肌で感じる展開になっているからこそ、このドラマは凄いのです。 結局、南方もヤマサの石丸謙二郎サンに 「自分は器が小さい」 と打ち明けたうえで、資金の提供を申し出る。
 人間は、結局人を動かすのは、それだけの意気込みが、あるかどうかなんだと。 器なんか関係ないんだ、と。 身を捨ててまで守ろうとするものがあるからこそ、人はまわりを動かすことができるのだ、と。
 目の前のことを、ただ一生懸命にやり遂げていく。 そこにこそ、浮かぶ瀬もあるんだと思います。 あ~また、説教臭くなってきた(笑)。

 いずれにせよ、幕末を生きる人々の息遣いが聞こえてくるようなこのドラマ、もっともっと見ていたい気が、するのです。

当ブログ 「JIN」 についてのほかの記事
第1回 荒唐無稽との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---1-e9ae.html
第2回 建前との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---2-f3b1.html
第3回 自分の病との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---3-3290.html
第4回 女としての闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/---4-542b.html
第5回 梅毒との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---5-9dba.html
第6回 リアルとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---6-25d6.html
第7回 明日のための闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---7-87b0.html
第8回 自分の器との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---8-e9a7.html
第9回 心意気どうしの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---9-8cf0.html
第10回 ああもう、どうなっちゃうの?との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---10-670a.html
第11回(最終回)続編あるかどうかとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---7290.html
番外 続編の可能性を、もう一度考えるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---a138.html

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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