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2009年11月17日 (火)

「スタジオパークからこんにちは」 オノ・ヨーコサンの悲しみは、まだ続いている

 当ブログ2009年10月7日付で、「徹子の部屋」 に出演されたオノ・ヨーコサンの姿を記事にしましたが、今度はなんと、NHK 「スタジオパークからこんにちは」 11月16日にご出演。 前回の記事と重複しない程度に書いてみます。 というのも、今回ジョンのことを思って涙ぐんだり、ちょっとショッキングな場面があったものですから。

 それにしても、ヨーコサンも、黒柳サン相手とはちょっと勝手が違うようで、武内陶子アナ相手に幾分ぎこちない応対をしていました。
 なんでそんなことが分かるのか?というと、「徹子の部屋」 の時に比べて、ヨーコサンの口癖である 「そうねやっぱしね」 が連発されていたからで(笑)。 あっ、ちょっとNHKだと勝手が悪いのかなという感じ。 ただ 「日曜美術館」 なんかでNHKにはお出になっては、いるんですけどね。

 番組で紹介されていましたが、ヨーコサンは今年、ベネチア・ビエンナーレ生涯業績部門金獅子賞を受賞されたそうです。 この賞がどれほどの権威ある賞だかは分かりませんが、番組でヨーコサンは、「あまり自分のやっていることが人に認められてない感じがしていたので、びっくりしました」 と語っていました。
 いや、結構近年になってヨーコサンの前衛芸術活動は、なんだか忘れましたけどいろいろ賞をもらっていると思いますが。 だから 「人に認められてないんじゃないか」 というヨーコサンの不安は、ちょっと意外な気がしました。 日本こそ、ヨーコサンの長年の業績を認めて、紫綬褒章のひとつでもあげたらいいのに、と思います。

 なにしろ、前衛芸術というのは、他人に認めてもらうことによって初めて体を成す、という側面がありますからね。 眉をひそめられ、何が芸術だと唾を吐きかけられてもなお、自分の感性を信じ切らなければ、前衛芸術などというものは、やっとられんのです。
 ヨーコサンは自分の前衛を認識してもらおうという意図もあって、ジョンに近づいた可能性も捨てきれませんが、それは私たち個人個人が憶測するしかない問題でもあります。 なにしろ、ヨーコサンは、ジョン・レノンと出会う前から、前衛芸術の巨匠ジョン・ケージとも邂逅していたし、そもそもジョン・レノンと出会った場所が、ロンドンのインディカ・ギャラリーという、いっぱしの画廊だった。 ある程度の評価を得られなければ、ここまでの業績をジョンと出会う前に残しているはずはありません。

 ちょっと、ヨーコサンの前衛芸術について語り出すと止まらなくなるので、この話は別の機会にいたしますが、「スタジオパークからこんにちは」 では、そのパフォーマンスのうち、「カット・ピース」 を放送していました。 舞台に座ったヨーコサンの着衣を、観客が少しずつ切っていくという、アレですよ。 前に少しだけ見たことがありましたが、今回流れたのは、ちょっとナーバス気味のヨーコサンのアップでした。 あ、結構恥ずかしがっていたんだ、と思って。 どことなく、「おしん」 の小林綾子チャンをほうふつとさせる顔でしたが。 結構カワイイ(笑)。

 いいとこのお嬢サンだったヨーコサン、戦前に撮られた幼少の時分の映像も番組で流れました。 これほどまとめて見たのは、初めてかなー。 ご両親の写真も出てきましたが、ヨーコサンはどっちかというと、父親似ですよね。 ご両親とも芸術に興味がありながら、そういうことをよしとされる人生を歩めなかったらしく、「不満だったでしょうね」 とヨーコサン。

 ジョンとはいつも笑い転げていた、というヨーコサン、ミルクティを入れるのにまず牛乳にお湯を入れて、みたいな方法でやっていたら、ミミおばさんが 「違うでしょ!」 とか。 いろいろ思い出しているうちに、なんとなくジョンへの気持ちが高ぶってきた感じがします。

 それがとうとうこみあげてきてしまったのが、ヨーコサンの帽子やサングラスのファッションが素敵!という武内サンのフリにヨーコサンが答えている途中。

 「ダブル・ファンタジー」 を作っている時にちょうど暇ができて、ちょっとぶらぶらがてら、お店でジョンとサングラスを見ていたら 「これをかけるといいよ」 と、サングラスを勧められたそうです。
 そのあとすぐにジョンがなくなってしまって、泣いてばかりいたもんだから人前に出る時にサングラスがどうしても必要だった、と。

 武内アナ 「サングラスのスタイルっていうのは結構長く…」
 ヨーコサン 「あっそれはね、とっても面白いことがあったの。 あのね、あのージョンと私が 『ダブルファンタジー』 っていうの作ったでしょ、でね、エンジニアがね、『あっ一時間くださいこれちょっと直さなきゃなんないから』 ってねえ、で 『じゃお散歩行ってきましょう』 ってふたりであの、外を歩いてたんですよ、であのー、デパートに行ったわけですね、そしたらたくさんこう、あのーメガネがあって、サングラスがあって、それでジョンがひとつサングラスとってね、こう、あたしにかけてね、その時 『これをいつもかけなさい』 って言ったの。 それが、もう、ひと月後、ひと月もなってないでしょ、彼が死ぬひと月くらい前じゃなかったんじゃないですか。 それでもう、彼が死んだあとね、もうしょっちゅう泣いてるから、こう、やっぱし(顔に何か)かけなくちゃなんないでしょ、あっ、それで、『これをかけなさい』 って言われたと思って…」
 武内アナ 「いやーーー」
 ヨーコサン 「ホントにつらかった(うなずきながら目をしばたかせる)」
 武内アナ 「なんかちょっとねえ…。 そうですか、そういうことで…。 なんだかこう、あっなんだかもらい泣きしちゃうな(顔を手で覆って)」
 ヨーコサン 「であのー…『あっ!(ジョンは自分が死ぬことを)知ってたのかなー』 と思ってねー…」

 ヨーコサンはその言葉の後しばらく黙りこみ、深いため息をつきました。 マイクの音が割れるほど、強いため息でした。
 武内サンもしばらく、かける言葉が見つからない様子。

 ヨーコサンが精力的に仕事をしつづけているのは、未だにジョンを失った悲しみから抜け切れていないせいなのだと、強く感じました。
 それは考えすぎだと思うかたもいるかもしれません。
 でも、考えてみてください。
 目の前で、ジョンが撃たれるのを、いちばん至近距離で見たんですよ、ヨーコサンは。

 いずれにせよ、「徹子の部屋」 の時とは全く違うヨーコサンの一面を見たようで、とても興味深かったです。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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