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2010年2月23日 (火)

「君たちに明日はない」 第5回 良い点も、確かにあるのですが

 ちょっと苦言を呈してしまう記事なので、まず最初に、第5回で私が泣けて仕方なかったシーンを書かせていただきます。 このドラマがお好きな方は、この部分だけお読みいただければ、幸いです。

 田中美佐子サンが、ふるさとの鹿児島に帰って、両親(山本學サン、加賀まりこサン)の思いを知るシーン。
 山本學サン演じるオヤジサンは、リストラされた田中サンに対して辛辣に当たるのですが、あとで加賀サンから、オヤジサンが田中サンのことをとても自慢にしていた、と打ち明けられる。 それを打ち明ける加賀サンも、打ち明けられる田中サンも、だんだんと泣いちゃって。
 娘につらくあたりながらも、自分の子供が社会でちゃんと活躍していることが嬉しくて仕方ない、そんな父親の姿には、私も泣けて泣けて。 自分の父親と、だぶりました。 思い出したら、また泣けてきました。
 ホントに、いいシーンでした。 

 で、ここから疑問点です。

 どうも見ていて、変な部分がはしょられているような気がしてならないんですよ、このドラマ。
 妙な部分が、説明不足な気がします。 カットされてるのかな?

 今回感じたのは、先ほども書いた感動シーンのあと、田中美佐子サンが東京に戻ってからのシーン。
 田中サンは別れ際、オヤジサンに対して、また東京に戻って一花咲かせるみたいなことを言っておきながら、いざ東京に帰ってきたら、今度は妹役の須藤理沙サンに、マンションを売り払って鹿児島に帰る、と宣言してしまう。 田中美佐子サンはいったい、どこで考えを変えてしまったんでしょうか。

 また、坂口憲二クンが街で見かけた、ひげもじゃの、見るからに完璧なホームレスが、かつて彼がリストラさせた村田雄浩サン、というところもそう。 次のシーン、別の場所でまた彼が見たものが、今度はひげを生やしてないけれども、明らかにホームレスになりかけている、村田雄浩サン。
 何だこりゃ?と思いましたけど、要するに坂口クンが最初に見たひげもじゃのホームレスは、見間違いだったんでしょう。 だけど、その説明がない。 「(アレ?なんかホームレスがみんな村田雄浩サンに見えるな、イカンイカン)」 みたいな坂口クンのモノローグとか、説明は、すべきなんですよ。 混乱します。

 それから今回のリストラ対象者、山崎樹範サン。
 結局、どうなったんですかね?
 坂口クンが、「あなたは会社に必要な人間です」 って言って、堺正章サンに怒られて、それっきりなんですか?
 この山崎サンに、放送コードすれすれとも思える(笑)ムチャクチャインパクトのある役をやらせておきながら、山崎サンの処遇がその後分からないっていうのは、結構納得いかない、って言うか。
 しっかしホント、山崎樹範サン、まるっきり子供のまんまの精神状態の大人、すごい演技だったなあ。 ドラマで浮きまくってました(笑)。 彼の開発したお掃除ロボット 「リストラ君」 も、物悲しくてインパクトあったし(笑)。 それだけに彼(およびリストラ君…笑)のその後が分からないのは残念。

 ドラマとして、逆に、かえって説明しまくられているのに、さっぱりわからないのが、坂口クンと麻生祐未サンの関係。 いちいち時を遡ってまで、説明されているんですけどね。
 麻生サンが坂口クンのことを、何となく距離を置きたがっているのは見ていて分かるのですが、それがどうしてなのかが分からないし、しかも、麻生サンが結局どうして姿を消したのかが、現時点に至るまで分かっていない。

 問題なのは、それがどうしてなのか、たとえ分かったとしても、別に現在の坂口クンにとって全くそれは過去のお話だし、視聴者にとっても 「だから何なの?」 っていう話でしかない点。
 なぜなら、坂口クンにとっても視聴者にとっても、田中美佐子サンのほうが、このドラマではメインの人物だからです。
 最終回、もし麻生サンがふたたびあらわれて失踪の原因が分かって、坂口クンが田中美佐子サンを捨てて麻生さんの元に戻っていく、っていう展開ならば、わざわざ毎回麻生サンとの回想シーンを挿入した意味も分かるんですが。

 なんか、悪口のブレーキが利かなくなってきたので(笑)ここらへんでイチャモンはやめますが、このドラマは良い点もとても多いと思うんですよ。 仕事とは何なのかを考えさせるし、本当にリストラされるべきものとは何なのか、という問題提起もなされているし。
 ただ、細かいことを言うようですが、物語の展開上、どうしても必要なセリフは、たとえ野暮でも説明ゼリフでも、登場人物に語らせるべきだ、と思うんです。

当ブログ 「君たちに明日はない」 に関する記事
第1回http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/post-f372.html
第2回(番外)http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/post-d86b.html
第2回http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/2-1c05.html
第3回なし
第4回http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/4-bd21.html
第5回(当記事)
第6回(最終回)http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/post-d0bd.html

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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