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2010年2月 8日 (月)

「蒼窮の昴」 アフレコ気にならなければ、結構面白いです

 2月6日に第1回目から一挙再放送してくれたおかげで(NHKBSハイビジョン)、やっと見ることができました、「蒼窮の昴」。 まだ3回目までしか見ておりませんが。

 中国清朝末期(1880年ごろ)の話で、並みいる中国人だらけの出演者の中、主演を張っているのが、田中裕子サン。 しかも演じているのが、西太后ですよ。 いや、イメージ的にはピッタリですが、いろんな意味で、大丈夫なのかな、と思ったことは事実です。

 まず考えたのが、中国人にとってこの配役が、納得できるものなのか。
 日中の国民感情って、今あまり、よくないじゃありませんか。
 田中サンが 「おしん」 役で中国でも有名なのは分かっていましたけれど、中国人にとって、西太后自体が、あまりイメージがよくないのかな、だから日本人の田中サンでOKなのかな、なんて、ちょっと考えました。

 それから、田中サンの演技力にはいまさら何の心配もないのですが、まわりが中国人だらけで、中国語の違和感を出さずに、果たして演じきれるのかな、なんて思ったんですけど。

 いざドラマを見てみると、田中サンのセリフ、アフレコでした。 しかもそのアフレコ、田中サンがしゃべっているようには見えない。

 いや、田中サンだけ口の動きとあまりにも合ってないから目立つんですが、なんだかよく見てみると、出演者全員、どうもアフレコのような感じです。
 中国のドラマって、私ちゃんと見るのは初めてなんですが、未だにアフレコ使ってるんだ。 ハイビジョンだっていうのに(笑)。
 日本でも大昔は、アフレコのドラマって多かったですけどね。
 野外撮影だと、いろんな音を拾っちゃうから、それでアフレコなのかな。 経済発展が著しくて、車の音とかしていそうだし。
 でも、これは私だけの感覚かもしれませんが、ありのままを映しださずに、どうもあとから体裁を整えている、というのが、いかにも中国っぽいな、と感じたのは事実です。

 ともかく、見始めてそれに気付いてから、どうもアフレコばかりに神経がいっちゃって。
 でも、見続けるうちに、慣れたせいか、あんまり気にならなくなってきました。
 話が結構、面白いんですよ。
 まず、西太后を、権謀渦巻く希代の悪女、というようにとらえていない。
 京劇の演出家?をちょっとしたミスで百叩きの刑にしたり、確かにコワーイ部分もあるのですが。
 栄禄という、いかにも悪そうな側近の、悪くならざるを得ない事情も知悉しているし、甥の光緒帝を裏から操ろう、という所業も、実は人を信じることができないことからきている、というのを隠したりしない。 だから結果的に、人から誤解を受けやすい人物になってしまっている、という解釈の仕方を、このドラマではしている。
 だいぶ昔に、映画で 「西太后」 ってありましたけど、確かそこで描かれる彼女は、まるでホラー映画みたいなノリだったような気がします。 それに比べれば、だいぶソフトに改変されている気もしますが、とても人間的に描かれている。
 この西太后の解釈の仕方が、なかなか見ていて興味深い。

 もうひとつ面白いのは、この光緒帝に仕える科挙の首席、梁文秀とその義兄弟(ちょっと説明ややこしいので省略します)の弟、李春雲(春児)の物語。

 梁文秀が科挙の試験でのたうちまわりながら見た夢に、年老いた自分が出てきて、完璧な解答を残していく、という話は、見ていて実に面白かったなあ。 最初のうち、どうにもこの人の名前が頭に入らなかったのですが、「おじいさんのお名前をお教えください!」「梁文秀!」 というくだりで、やっと印象に残った、というか(頭悪い?)。

 そしてなんと言っても、ホントはこれがいちばん書きたかったのですが(笑)、春児の師匠になる、安徳海。

 このジイサン、ジャッキー・チェンのカンフー映画さながらの、強烈なキャラクターのお師匠サンで(笑)。

 なにしろワガママ、理不尽、すぐ怒る(笑)。
 だけどそれが、見ていてとても楽しいんですよ。
 いきなりかめの下の部分を割って、春児に 「水汲んでこのかめをいっぱいにしろ」、ですからね(笑)。 「そりゃムリ」 って言わせないところが、すごい(笑)。
 福っていう人の料理を春児が食べちまったからと言って、「オレだって食べたことないんだぞ!」 と春児をどつきまくる(笑)。
 次に何をやってくれるのか、興味津々でこのお師匠サンを見ています。

 そして西太后の田中裕子サンが出てくると、画面がまた、ピリッと引き締まる。
 ここらへんの緩急のつけかたが、とても心地よい。

 日中合同制作とはいえ、侮れません、中国ドラマ(アフレコ、というところを気にしなければ…笑)。

当ブログ 「蒼窮の昴」 に関する記事
いつの間に始まってたの!見逃した!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/post-079d.html
アフレコ気にならなければ、結構面白いですhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/post-4cef.html
第4-5回 王道ストーリー、だけど面白い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/4-5-5869.html

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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