« 「曲げられない女」 第5回 ちょっと迷走してた、かな… | トップページ | 「不毛地帯」第15回 盛り上がってまいりました »

2010年2月11日 (木)

「とめはねっ! 鈴里高校書道部」 最終回 青春の輝き…

 しょっぱなから、ネタバレでいきます(いつもですけど)。

 望月結希(朝倉あきチャン)が転校してしまう、というストーリー、原作の漫画が続いてる、ってことは、ドラマ独自の話だろうと思うんですが。 ともあれ、望月が転校してしまうことで、このドラマは終わりました。 なんか、オッサンは、いま一抹の寂しさを感じています(笑)。

 このドラマはでも、こうすることで、キラキラと輝く青春時代の、あまりの儚さを表現することに成功した気がするのです。
 オッサンはフツー、こういう若者向けなドラマを、滅多に見ることがないのですが、それは、そうしたドラマが若者たちを等身大に描いていないことが、見る気のおきない原因だったりします。 また、そこで起きる出来事が、若者たちにとってあまりに対処できない問題であることも、あるかなー。

 このドラマはそうした、民放のドラマに特有な 「すごい」 若者だらけのドラマではありませんでした。 結果的に朝倉あきチャンは、柔道部でも凄い、書道甲子園でも初登場で3位に入賞してしまうほど、「すごい」 若者だったんですけどね(笑)。 それが、そんなに荒唐無稽に見えてこないのは、望月結希という女の子が、とても等身大で描かれていたからでしょうね。

 このドラマが大人の側からの視点に立っているのは、相当昔からの、NHKのドラマに顕著な特徴のような気がします。 自分が若者だった昔は、その行儀のよさ、というか、NHK臭さが、結構ダサく思えたんですけどね。

 書道甲子園のパフォーマンス部門に出場した鈴里高校のテーマ曲が、サザンオールスターズの 「希望の轍」 だった、というのも、そのひとつのファクターだと思います。
 この曲は、いわば、私たち中年世代のモニュメントのひとつです。 この曲を今の若者たちにパフォーマンスさせることは、我々の世代の押しつけ、という面も否定ができない。 今の若者には、今の若者の応援歌が、あるはずなのです。 彼らが前回いったんやろうとした 「ポリリズム」 じゃちょっと…とは思いますけど(笑)。

 「希望の轍」 が国道134号線について書かれたものである、というのも、結構地域限定もので、思い入れ度が違ってくる、というか(笑)。
 私は世田谷区在住ですが、結構江の島へはよく行くほうなので、134号線も、思い入れがあるかなー。 スッゴイ個人的な話ですが、小学校時代の初恋の思い出もあったりして(キャー)。 …失礼しました(笑)。

 「轍」 という文字を大字、つまり最も目立つ字として任された望月が、みんなの励ましを受けながら、それが次第にプレッシャーになっていく様子。 山本陽子サンから良寛サンの文字を見せられたり、縁(池松壮亮クン)に轍の由来の134号線の話で励まされたり、高橋英樹センセイから 「楽しめ」 という重要な言葉をもらいながら、結局書道甲子園当日になっても吹っ切れない。 これで頑張れる、そう思えるはずなのに、ギリギリになるまで悩み続けてしまう。 望月のこの葛藤に、とても共感します。

 パフォーマンス直前に、書道部みんなの 「今は楽しもう!」(ブチョーのこの言葉、高橋センセイの言葉と一緒でしたね)という激励を受けて、書道部全員の一体感を胸に、ようやく望月は 「轍」 の大字を書き切るのですが、この字、あまりにもすごい字でしたー。
 朝倉あきチャンが実際に書いた字じゃないんだろうけど、望月の葛藤がドラマで描き切れていたからこそ、本人が書いたように思わせる力に、あふれていました。
 そして最後にブチまかれる、海を表す青色の、…あざやかな墨汁(?)。
 いや、なんか、すごかったです。

 縁クンと望月の、バス停での最後の別れも、なんか、とてもあっけなくて。
 でもこれはこれで、ちゃんとした言葉もかけることができない、という、若い時にありがちなことを表現していて、かえってよかったです。 縁クン、たぶん後々まで後悔すると思いますけど、こういうもんなんですよー、青春って。
 よくまあ、バスの運転手が、あそこまで待っていてくれるもんだとは、思いましたけど(笑)。

 オッサンが思うのは、若いころって、失敗とか後悔の連続だったけど、あとから考えると、あれだけ輝いていられたのって、人生の中でほんの一瞬だったんだな、ということです。
 その青春の輝きを余すところなく、このドラマは描き切っていた気がします。

 このドラマを私に紹介して下さった、アールグレイ様、この場を借りてお礼申し上げます。

« 「曲げられない女」 第5回 ちょっと迷走してた、かな… | トップページ | 「不毛地帯」第15回 盛り上がってまいりました »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

1回目のコメディーチックな爽やか青春とは違って、なんかちょっとわざとらしい(笑えない)演出が気になりましたが、同じく楽しめてよかったです。確かに神奈川県にしたら一昔前の高校生な感じだったかな(笑) でも輝きもせず、くすぶっていたオジサンには羨ましいっす(笑)

アールグレイ様
コメント、ありがとうございます。
重ねてこのドラマをご紹介下さったこと、お礼申し上げます。

鵠沼高校側の 「黒い」 ブチョー(笑)とか、高橋英樹センセイとか、いかにもマンガチックで臭い演出も確かにありましたが、民放のドラマみたいに、嫌気がさす気は、ありませんでしたね。 なんでかなー。 いかにも狙っているようないやらしさが、なかったせいかもしれません。

私は個人的に、朝倉あきチャンの姿に、一瞬で通りすぎた自分の初恋を、思い出しておりました…(笑)。 青春とは、儚いものです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/521783/47540829

この記事へのトラックバック一覧です: 「とめはねっ! 鈴里高校書道部」 最終回 青春の輝き…:

« 「曲げられない女」 第5回 ちょっと迷走してた、かな… | トップページ | 「不毛地帯」第15回 盛り上がってまいりました »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

無料ブログはココログ