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2010年2月20日 (土)

「タモリ倶楽部」 満腹アート展覧会 西岡教授の話は面白い

 2月20日(一部地域除く)「タモリ倶楽部」 は、以前放送された 「絶頂美術」 に引き続き、多摩美術大学の西岡教授を迎えて、見ているだけで満腹になる?食べ物を描いたアートの作品の展覧会。 ちょっとダラダラ長い記事になりますが、美術好きにはたまらない企画なので、失礼してダラダラ書いちゃいます。

 ゲストは鴻上尚史サン、五月女ケイ子サン、勝俣州和サン、進行役は乾貴美子サン。
 前回の絶頂の時、非常に気の利いたコメントが多かったみうらじゅんサンが出てこないのが残念でしたが、みうらサンはやはり食べ物よりエロだろう、と(笑)。 鴻上サンは絶頂の時出たかったらしく、のっけからテンション低め(笑)。 勝俣サンのコメントが、見ていて意外と楽しかったです。

 それにしてもこの、多摩美大の西岡教授。
 美術以外にも、雑学の知識が豊富そうで、なんか、この人の講義を受けたくなってくるほどであります。 多摩美大は私の住んでいるところから一番近くにある大学なのですが、西岡教授、こちらに通っていらっしゃるんでしょうかね。 確か八王子にもキャンパスがあるらしいのですが、どっちなのかな。
 乾サン、西岡教授を紹介したそばから、「なんか、先生、エロいですよね」(笑)タモリサン 「なにが?」(笑)乾サン 「雰囲気が…」(笑)。

 ゲストの前にはただの白いご飯が置かれ(笑)、その絵に食欲をかきたてられればそれを食べる、という、なんとも 「タモリ倶楽部」 らしいビンボー感丸出しの企画で(笑)。

 まず最初の作品は、オシアス・ベールトの 「牡蠣と菓子のある静物」(1610年頃)。

 新じゃがにチーズをかけたような料理が描かれていて、それを見た五月女サン、「(ごはん)食べてもいいですか?(笑)すっごいじゃがいもが好きで…」(笑)。
 タモリサン 「じゃがいもどうやって食べるのが好きなの」
 五月女サン 「マッシュポテトとか」
 タモリサン 「マッシュポテトにはアレ、デミグラスソースっていうのがうまい」
 なんか、タモサンの料理の知識も満載の回になるか、と思いましたが、結局ここだけでしたかね(笑)。

 西岡教授によると、牡蠣はこの時代強制剤として好まれていたらしいです。
 勝俣サン 「ナポレオンはだって、100個ぐらい食ったって言いますもんね! あいつアホですかね!」(笑)

 タモリサン、この絵のグラスがテーブルすれすれにおいてあることに着目。 「こんなギリギリにグラス置くかなあ?」
 西岡教授 「これはね、たぶん、儚い、とか。 ガラスは、割れるんです。 昔はね、意味がないと絵を描いちゃいけなかったんです」 意味のない絵を描いてそうな五月女サン、苦笑い(笑)。

 続いて同じ牡蠣でギュスターヴ・カイユボットの 「牡蠣のある静物」(1880年頃)。

 西岡教授 「これは、印象派ですね。 だから、絵的にはだいぶヘタですね」 鴻上サン 「印象派ってヘタなんですか?」 西岡教授 「ヘタですねー。 ヘタウマの画風」 鴻上サン 「ということは(うまく)描こうとしても描けないんだ」 西岡教授 「描けないです。 断言します」(笑)
 乾サン 「ボトルに何か映っているような気がするんですが」
 タモリサン 「これは背後霊です」(笑)

 題材変わって、ゴーギャンの 「ハム」(1889年)。

 西岡教授 「これはね、西洋絵画では珍しく、影がない。 浮世絵の影響なんです。 ただね、色べた(一様に、平面的に遠近感なく塗る、ってことですかね)っいうのはヨーロッパでは塗れないんです。 コレ浮世絵だと平気で後ろを黄色でやりますけど、ゴーギャンやっぱり(ベタ塗りが)怖いですからね、ちょっと影ができる」
 鴻上サン 「なんで怖いんです?」
 西岡教授 「ともかく真空が怖いんです、ヨーロッパの人ってね。 あの、無とか、思想がないでしょ。 無、っていうのは彼らにとって死ですから」
 勝俣サン 「これ怖いと思いながら描いてるんですか」
 西岡教授 「これ筆が怖がってるの分かりますよ(笑)。 皿の下の影とか泣きが入っている(笑)アレ消すのどうしようかなって」(笑)

 次は、ウィレム・クラース・ヘーダの 「静物」(1651年)。 ベールトもそうでしたが、私この人自体、知りませんでした。 1600年代の絵って、結構知られていない優れた作品が、まだまだありそうな気がします。
 グラスや鉄器の描き分けがうまく、ハムのナイフで切ったあとも写実的に描いている、という西岡教授の高評価。
 鴻上サンは、絵に描かれていたオリーブで高評価(笑)。 「オリーブ、酸っぱいじゃないですか」。 オリーブでごはん食べる人って…(笑)。

 ハムでもう一発、マネの 「ハム」(1875年)。 いかにもまずそうなハムで、皆サンの評価も芳しくない(笑)。 マネの絵って、印象派のなかでももっとも初期の世代に属する絵で、前期印象派とも分類されるんですが、印象派の枠に入るまでは、とてものっぺりとした塗りかたをする人で、あまり上手な人だったとは言えない。 どことなく後発の画家たちに祭り上げられちゃった感のある人(笑)。

 西岡教授 「この人は(サロンで)よく落ちてたんです。 それで、たまたま絶賛されたらそれ、モネの絵だった(笑)。 あの、スペルが1字違いなんですよ」
 勝俣サン 「アホばっかりですねー!」(笑)

 ここで五月女サンに、ハムの絵を描かせる展開に。
 この絵、イケメンがハムの大きな塊を殴っている、という、映画 「ロッキー」 を思わせるワケの分からない絵で(笑)。

 ところがそれを見た西岡教授、五月女サンのご両親の性格を見事に言い当ててしまう(笑)。
 肉を殴っているイケメンが、理想の父親像(笑)、その顔がユニセックスだから、ホントに殴れるのはお母さんのほうだ、と(笑)。
 西岡教授 「男の痴漢に遭ったりすると、そういうユニセックス願望…コレぼくのことですけどね」
 タモリサン 「子供のころに痴漢に遭ったんですか!」
 西岡教授 「しょっちゅう遭ってましたよ、ハタチぐらいまではね」
 それを聞いてごはんを食べ出すみなさん(笑)。
 タモリサン 「それはオカズじゃないだろ!」(笑) なんか、このダブルミーニング(笑)。 さすがタモリサンであります。

 そして次は、同じマネで、「一本のアスパラガス」(1880年)。

 これはマネが先に描いた 「一束のアスパラガス」 のギャラが多かったので、オマケに描いた絵らしいです。 西岡教授によると、「一本」 のほうが筆が活き活きとしている、との評価。 しっかしこんな、どーでもいいような絵があるとは、知りませんでした(笑)。 なにが面白くて、アスパラの絵なんか描かせたんでしょうか、その依頼主も(笑)。
 どのくらいのギャラだったのか、という話になって、「(2、30万より)もうちょっと安かったかもしれませんね、印象派の絵は安かったからですからね」 と言う西岡教授に、五月女サン 「印象派結構、バカにしてます?」(笑)。
 まあ、現在では最も日本人に好まれる流派なんですけどね、当時はけっして主流派ではなかったですからね、印象派って。

 そして日本人画家、高橋由一の 「鮭」(1877年)。 年代見て、これって印象派がメジャーになる以前に描かれていたんだ、とちょっと驚きました。 当時の西洋画の主流は、全体的に暗い色調だったのに、この絵は結構明るい。
 なんで当時の西洋画が暗かったのか、というと、ルネサンス期の絵なんかが教会にあるケースが多かったんですが、それがロウソクのすすでセピア色に変色してしまったものを、当時の画家たちがお手本にしてしまっていたせいで(だったと何かで読んだ気がするのですが…)。 でも日本洋画家のもっとも初期に位置する高橋由一などは、その余計なフィルターが、なかったんですね。 素直な写実に、徹しています。

 もう一枚、高橋由一の 「豆腐」(1877年)には、タモリサンも 「初めて食欲わいたよ」 とご飯を食べ出す(笑)。 「油揚げ焼いてショウガと醤油とネギを」 と、あ、ここで2度目のタモサンのうんちく、入りました。 オーソドックスですけど(笑)。 ああ~、いいな~、酒の肴に(笑)。

 西岡教授、油揚げの質感が出ていない原因を、ハイライト(白い点)を入れる、という発想が日本の絵にはなかったことを挙げて。 焼き豆腐のほうはその逆(白いところに黒い点を入れる)なので、質感が出ておいしそうに見える、という解釈。 いちいち納得できるんだよなー、西岡教授の解説。

 そしてベラスケス。 「卵を料理する老婆と少年」(1618年)。

 この絵にセリフをつけるとどうなるんですか、という乾サンのムチャブリに(笑)、鴻上サン、「ばあちゃん、別れようと思ってんねん」(笑)。
 この絵を見て食欲がわくかどうか、という話になって、皆さんあまりわかない様子。 勝俣サン 「食堂で作ってる人が暗いと食う気しないから」(笑)

 西岡教授 「あの(絵の中のばあちゃんが)卵を持ってる力の入れ具合が絶品ですね…(匙を持っている)右手はちょっと、技に流れてますね(笑)。 表情がつきすぎなんです…あの、ゴルゴ13が新聞読んでいるみたいな(笑)」 分かるなあ~、いちいち、なんとなく(笑)。

 最後は、ヤン・ダヴィス・ヘームの 「果物飾りのあるヴァニタス」(1653年)。 なんか、1600年代のヨーロッパ作品が多いですね。 もしかして、西岡教授のご専門なんでしょうか。
 絵にハエを描くことを、その画家の技術の見せびらかしだったという西岡教授の話も、とても興味深くて。 勝俣サンはアメンボだったらもっとすごいとか、なかなかナイス突っ込みでした。

 大賞は、高橋由一の 「鮭」 に、同じハウフルズ制作の 「チューボーですよ!」 に倣って?、勝俣サン 「星3つです!」。 タモリサン 「やっぱり…なんか洋食、好きじゃないからねェ」(笑)。

 教養とギャグが入り混じったこの 「美術展」 企画は、「タモリ倶楽部」 の中でも特に内容が濃いような気がいたします。 また西岡教授のお話が、聞きたいですね。 続編希望! あ、続編やるなら、「絶頂派美術」 の第2弾を、やってほしいですね(笑)。

 ダラダラと長い記事をお読みくださり、ありがとうございました。

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