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2010年3月14日 (日)

「龍馬伝」 第10回 もっとなんとかできたはず

 ちょっと厳しい話をいたしますが。 厳しい話なので、先週書いてからちょっと温めておりましたが、毎週 「龍馬伝」 の記事をアップしておりますので、とりあえずバランスを考えて、公開することにいたしました。

 龍馬(福山雅治サン)と加尾(広末涼子チャン)が劇的に引き裂かれる様を描いた、「龍馬伝」 第10回(3月7日放送)。
 このふたりをはじめとして、武市(大森南朋サン)や加尾の兄収二郎(宮迫博之サン)など、熱演ぶりが目立った回でしたが、ちょっと個人的には、のめり込めなかった気がします。 肝心のラブストーリー、もっとなんとかなったんじゃないか、と。

 吉田東洋(田中泯サン)に対抗し土佐藩を攘夷中心にしようと、武市が取り入ったのは、東洋にその地位を追われた柴田備後(北見敏之サン)。 三条実美をスパイするため、加尾を京に送ろうと画策するのですが。

 それに激怒した龍馬が、武市の道場に夜半やってきて、「大事なものは命をかけて守る、とこの剣に誓った」 と言い放つ。
 これが見ようによっては、ずいぶん龍馬らしくなく、思えてしまうんですよ。 それまであまり、恋愛レベルでこれほど激昂することがなかったために(少なくともこのドラマでは)、龍馬はいつから恋愛至上主義になったのか、という感じ。

 だいたい、土佐に戻った龍馬が加尾に語る将来のビジョンが、実に牧歌的で(笑)。
 「道場は建てるがそのうちに、最初は神社で子供らに教えて、それから黒船を作るんじゃ!だから加尾、結婚してくれ」 …って、まあ、若いから仕方ないんですが(笑)、これもそれまでの 「龍馬伝」 の流れから言うと、急に龍馬の志が低くなっている。 なんだか千葉道場の免許皆伝を取得して、一挙に将来の可能性がせばまったように思えました。

 結局加尾は兄に従い、龍馬を振り切ることになるのですが。
 その加尾、今回ラストで 「龍馬サンには私よりももっと大事なことがあると信じちゅう」、と号泣しながら龍馬に話すのも、牧歌的な龍馬の将来ビジョンを聞かされた私なんかにしてみると、どういて加尾チャンは、龍馬が将来大物になると信じることができるがか?(笑)という気になってくる。

 でも、恋愛主体のストーリーでは、必然的にその当事者である男女が、ある種の恋愛陶酔状態になってしまう。 これは、致し方ないところでもあります。

 だからこそ、もうちょっと見る側がのめり込めるような恋愛話にできたんじゃないか、そういう気がするのです。

 今回見ていてちょっとバランスが悪い、と私が思ったのは、収二郎が武市を伴って、龍馬に会いに行こうとする加尾の前にいきなりあらわれて、オマエが京に行かなかったら俺は切腹する、と言いだしてからの、あまりの急展開ぶりでした。
 この部分、加尾に、決断させるまでにもっと苦悩させるべきだったと思うんですよ。

 結局、加尾はその日のうちに、柴田備後のところへスパイ承諾のあいさつに行き、そこに駆けつけた龍馬が門前で大暴れするのですが、武市に 「加尾は自分で決めたんじゃ」 と諭されてその場に突っ伏してしまう。 そしてたぶんその夜、龍馬と加尾は別れの抱擁。
 たった一日の出来事ですよ、これが。

 武市の決断にも逡巡があったことなどを描いたところは秀逸だったのですが、それが収二郎の腹切り未遂のところで生かされていないのも、ちょっと気になりました。

 逡巡したからこそ武市は柴田に決断撤回まで求めたのだから、それを断られたのならば、武市は男として、武士として、加尾に自分から話さなければならないんじゃないでしょうか。
 それをやらずにただ収二郎が切腹しようとするところを眺めているのは、なんだか武市がとても無責任なように見えてくるのです。
 そして、龍馬に 「加尾は自分で決めたんじゃ」 と龍馬の暴走を止めようとするのも、そうじゃないでしょ、決めさせたんでしょ、と言いたくなる。
 この一連の武市の行動は、武市が結局、鬼にも、情に脆い男にもなりきれない、中途半端な男である、という印象を、見ている側に与えるものである、私はそう考えます。

 やはり収二郎の切腹を止めたあと、加尾にももう少し、考える時間が欲しかった気がしてなりません。 その時に、龍馬とのいろんな思い出を加尾に回想させてから、自ら京に行く決断をするシーンを挿入させたなら、柴田の家先での龍馬の暴れぶりや、その後のふたりの別れのシーンが、もっと悲劇的に見えたのではないでしょうか。

 どうも自分が演出家になったつもりになって、結構キツイことを書いてしまいました。
 今回の恋愛ストーリーにイマイチのめり込めなかった理由を自分なりに考えた結果、エラそうに書いてしまいました。 どんだけテメエが偉いんだと言われれば、返す言葉もございません(汗)。 この回感動した皆さんには、心よりお詫び申し上げます。

当ブログ 「龍馬伝」 に関する記事
♯01論点が、はっきりしちゅうhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/1-e718.html
♯02えらい天気雨じゃったのう(笑)http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/2-a44b.html
♯03食われっぱなしぜよ、福山サンhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/3-8e96.html
♯04佐那チャン、ツンデレ、してません?http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/4-5776.html
♯05アイデンティティの崩壊http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/5-d115.html
♯06本分をわきまえる、ということhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/6-766e.html
♯07父のこころ、子のこころhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/7-e1b3.html
♯08汚さに磨きがかかる(なんだソレ?)弥太郎殿http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/8-8680.html
♯09思想か、命かhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/9-febd.html
♯10もっとなんとかできたはず(当記事)
♯11龍馬が担ぎ出される、その理由http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/11-ac67.html

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BOOKS

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

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    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

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    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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