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2010年3月 5日 (金)

「不毛地帯」 第18回 サドンデスの様相

 サルベスタン鉱区開発権をやっとのことで手に入れたにもかかわらず、石油がちっとも出てこないという格好の近畿商事。 1974年に物語の舞台が移動しています。 私は小学校4年でした(どーでもいいか)。 第1次オイルショックが確かその前年ですから、ここで近畿が一発当てれば、とてつもない大逆転なんですけどね。 あー原作あるけど、ドラマが終わるまで読みたくない(終わっても読むのかな?…長いし…笑)。

 いきなり副社長になっている壹岐正(唐沢寿明サン)、すっかり大門社長(原田芳雄サン)より忙しくなっちゃって、社長はもはや半分隠居状態。 どうもこのふたり、険悪な関係が表面化しつつある。 大門社長はヒマ過ぎるからか(笑)ほとんど競馬みたいな趣味のレベルで綿花相場に没頭、会社に多大な損失をもたらし続けています。

 かたや壹岐のほうは、すでに50億ぶっ込んでなにも出てこないカラカラ油田が、会社の大きなお荷物となっている。

 今回のこのドラマ、最終的に壹岐と大門の二大巨頭が抱えている爆弾の、どちらが爆発するのか、それによって近畿商事内部の勢力図が大きく塗り替えられることになる、まさにサドンデスの様相を呈しながら、互いに絡み合うようにして次回の最終回にもつれ込むことになるのですが。

 ここで石油公社が支援を打ち切る、という決定を下し、5%の出資をしていた東京商事の鮫島(遠藤憲一サン)からも、サルベスタン鉱区から手を引く、という話をされ、壹岐は四面楚歌状態。
 ここでの鮫島サン、またまた大いに笑わせてくれました。

 千里(小雪サン)が壹岐のマンションに来ているときには絶対誰かが訪ねてくるんですが(笑)、そこに現れた鮫島サン、千里サンを見て 「いやー、私としたことが情報不足でした」 といきなり笑わせます。 壹岐が 「こちら、秋津千里サンです」 と紹介すると、「秋でも春でもどっちでもいいですけど、私このあと人に会わなきゃいけないのでさっそく用件だけ、あ、コーヒー、ブラックで!」 でサルベスタンから手を引くという話だけベラベラしてから 「あ、やっぱ、コーヒーいいです!」(笑)。
 そして壹岐にコソコソと 「それにしても、いい女ですね!いくつ?(笑)壹岐サンも、シベリアで過酷な体験をされた体なんだから、あまり、無理をしちゃいけませんよッ!(笑)」
 嵐のように去っていきました(笑)。
 なんか鮫島サン、最終回に出番なさそうな感じなんで、これがほとんど見おさめのブッ飛びシーンなのかな~。 もっと見たかったな~。 シベリア油田の開発するからもうサルベスタンはいいんです、なんて、結構秘密ばらしちゃってましたから、壹岐と対決は、もうしないんでしょうね。

 で、もう出番がないと思っていたもうひとりの怪人(笑)里井タクボ工業社長(岸部一徳サン)が再び登場。 大門社長と壹岐の、会議での泥仕合を見て連絡してきた、これまた怪人キャラの角田(篠井英介サン)と、ヒソヒソ談合(笑)。
 「お元気そうで…」 と振られて、「タクボには、心臓を悪くするような相手がいないから健康にいいよ」 と、実に言い得て妙の返事(笑)。
 この里井サン、そのあと大門社長と結託して、壹岐を追い落とそうとする展開になっていく。 角田との話じゃ、里井サンは大門社長のことも、結構クサしてたのに、ですよ。
 ここらへんは、見ていて実に面白かったなあ。
 だって、大門社長は綿花相場という大きな爆弾をしょってるんですよ。 爆弾をしょったまんま、里井サンを権力闘争に引き込もうとしてるんですからね。 里井サンも、何の因果だか(笑)。 かわいそうというか。

 そして、今回の物語の、ある意味での中心が、石油公社の支援を強引に引き出そうとするために壹岐がとった裏金工作でした。

 これ、よく考えてみると、大門社長が田淵幹事長(当時、江守徹サン)に折詰かなにか、以前持参していたことがありましたよね。 壹岐は今回裏金工作にずいぶん逡巡してましたけど、このときの金銭授受はよかったのか、はたまたその折詰はカネじゃなかったのか。
 いずれにせよ、イランに飛んで国王に日本への圧力を要請したり、田淵総理にプールしていた余剰金の1000万を渡したり、壹岐の行動は的確。
 「逮捕者が出るようなことにはならんだろうな?」 と壹岐に確認する大門社長も、壹岐が裏で何をやっているか、絶対に分かっているはずなのです。 壹岐と大門社長との、このやりとりは、まさに社会の暗部の象徴的な場面を見ているようでした。

 そして谷川(橋爪功サン)の家で 「私は、シベリアに眠る仲間たちに、自分のしていることを、胸を張って言えるかどうか…」 と呟き、珍しく酒に酔って眠りこんでしまう。 壹岐のこの呟きに、谷川も、何か言いたげにしながらずっと無言、谷川の奥サンも余計なことを全くしゃべらない。 バックにはトム・ウェイツのエンディングテーマが流れ、とても味わいの深いシーンだったと思います。
 そして翌日、壹岐を見送る谷川。 それが壹岐との、最後の別れになってしまう。 イランから訃報を聞いて葬儀に駆けつけた壹岐。 ひとりだけ喪服ではない。 最後に谷川が見せた笑顔が脳裏に浮かぶ。 この一連のシーンは、壹岐がなんのために商社で頑張ってきたのかを語って余りあるシーンだった気がします。 涙を誘うものではありませんでしたが、とても感動的でした。

 大きな苦悩の末に公社の支援を再び取り付けた壹岐でしたが、最後の頼みの綱、サルベスタンの第5号井(せい)で暴噴事故。
 もう後がないぞ! 見逃すな最終回! えっ、時間拡大じゃないの? 勘弁してよ!(笑)

当ブログ 「不毛地帯」 に関する記事
(番外) http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/post-6a81.html
第1回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/1-05a5.html
第2回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/2-w-070f.html
第3回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/3-4bae.html
第4回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/4-9755.html
第5回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/5-abb7.html
第6回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/6-d4bd.html
第7回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/7-8677.html
第8回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/8-4f4a.html
第9回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/9-cdc5.html
第10回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/10-183b.html
第11回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/11-0587.html
第12回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/12-68a7.html
第13回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/13-2599.html
第14回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/14-4fa8.html
第15回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/15-d4df.html
第16回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/16-3ac8.html
第17回 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/17-2-6e30.html
(番外) http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/19-b645.html
第18回 (当記事)
第19回(最終回) http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/19-7b99.html

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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