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2010年3月23日 (火)

かなりシャレにならない話になってきた 「新三銃士」

 はじめに念のため断っておきますが、この記事、「新三銃士」 をけなしているわけではございません。

 このところ、NHK教育テレビで放送中の 「新三銃士」 が、かなりシャレにならない、教育上よろしくないような話の推移をしていて、モヤモヤ感が収まりません。
 人形劇、などという甘い考えでこの番組を見ると、ちょっとはじき飛ばされてしまうようなシビアさなのです。

 確かに、ギャグの部分はさすがに三谷幸喜サン、冴えまくっているのですが、ここまで主人公ダルタニアンを汚れさせて、果たしていいのだろうか?と思うほどのひねくれさせぶり。
 これではテレビの前の子どもたちが、ダルタニアンについて行かなくなってしまう気がします。
 現に私の甥などは、最近あまりこれを見たがりません。

 でも。

 大人である私にしてみれば、毎回がとても見ごたえのある展開で、1回20分であることが信じられないくらい中身が濃い気がしています。 それに加えて、登場人物たちがなかなかこちらの期待通りに動いてくれないことが、逆に結末に対する興味を、増大させている気がする。
 普通 「何考えてんだこいつら?」 などと思ってしまうと、番組を見る気が失せるんですが。
 子供向けの人形劇であるがゆえに、きっと最後にはスッキリさせてくれるだろう、という期待がまだしっかりと残っている。 だからでしょうね。

 しかしホント、子供向けにしては、シャレにならない部分が多いです(笑)。

 まずフランスに嫁いできたアンヌ王妃が、番組開始当初から、夫のルイ13世を差し置いてイギリスのバッキンガム公をずっと想い続けている、ということ。
 そのために首飾り事件というシッチャカメッチャカな騒動を巻き起こしたにも関わらず、未だにまだ未練タラタラで(笑)。
 ここ数回の反乱軍と政府との戦にも、バッキンガム公が絡んでいる。 なのに自分は何もせず、「ああ、バッキン…」 などとのぼせてからに(笑)。

 先に述べたダルタニアンについては、結構物語の早い段階から、策略を弄する傾向があったのですが、愛するコンスタンスの居場所を探るために、希代の悪女ミレディをペテンにかけたやり口は、いや~、感心いたしません。
 それで突きとめたコンスタンスのもとに駆けつけると、三銃士のひとりアラミスとコンスタンスが抱擁している場面に遭遇してしまう。
 これで完全に、ダルタニアンと三銃士の絆は、崩れてしまうんですが、アラミスも本心で、コンスタンスを愛している、というのが、どうにも人形劇にあるまじき不貞さで(笑)。

 だいたい根本問題からして(笑)、コンスタンスは、ボナシューの妻なんですよ?
 そりゃこの男、自分の妻を誘拐するなんてアホなマネをしてましたけど(笑)。
 にもかかわらず、ダルにしてもアラミスにしても、そんなの関係ねえ、って感じですからね、最初から。
 実にけしからんです(笑)。

 そしてダルの策略にまんまと引っかかって、ダルのことを生まれて初めて心から愛してしまった、ミレディ。
 そりゃどーしよーもない女なんですが(笑)、なんと言うか、ダルに甘えていたところなんかがすごくかわいかったので、ダルにフラれた時は、余計にかわいそうで、だからこそダルのやりかたがいくらなんでもひどいんじゃない?という感じになる。
 結果、だまされたと分かったミレディは、それまで以上にダルに対する憎しみを募らせていくわけです。
 シビアだなあ。
 すっかり、大人向けの話なんですけど。

 さらにこの物語では、三銃士のひとりアトスが、ミレディと昔付き合っていて、未だに思いが断ち切れない。
 そのほかにも、リシュリュー枢機卿はほのかにアンヌ王妃に一方通行の恋をしているし、親衛隊長のロシュフォールはミレディに一方的に恋しているし。

 つまり、この話、報われない恋だらけ、なんですよ。

 全部、うまくいってない。 あ、ポルトスとコクナールは、別って言うか、あれも結構、コクナールの一方通行ぽいし。

 よくこんな、不条理なドラマを考えついたものです、三谷サン。
 これが、人形劇ですよ?

 だからこそ、この物語には、変な吸引力がある。
 人形、などという、安易に自分の思い通りになりそうな存在が、ちっとも予定調和に向かって動いてくれない。 そこがすごい。
 アラミスなんか、聖職者だったのだから不倫なんか絶対してもらいたくないのに、コンスタンスとの恋にグラグラ揺れまくっているし、ダルタニアンにはもっとまっすぐに成長してもらいたいのに、ひねくれまくっている(笑)。
 だからこそ、ドラマが奥深くなっている気が、するんです。
 これを実際の人間にやられたら、人間ってそんなもんだ、と安易に受け入れてしまえる気がする。

 人形劇でなくては、ならないんです、この物語は。

 それゆえに、過激なギャグが生きている側面もあります。
 とてもシビアなストーリーなのに、それがいつの間にか、ギャグ連発の中で展開されていたりする。 人形劇でなかったら、実にふざけ過ぎなんです、この物語(笑)。

 ううー、すごいです、三谷サン。

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