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2010年4月11日 (日)

「龍馬伝」 第15回 龍馬の人物像が、ちっくと見えてきた

 「龍馬伝」 第15回は、演出が大友サンとあって、やはり見ごたえがありました。

 なんと言うか、脚本の中核部分を確実に押さえ、その部分を確実に役者に飲み込ませているような演出の仕方をしている気が、するんですよ。
 しかも、42分半の物語の流れの中で、それを緩急使って見せる術に長けている。 ふつうの演出家なら、すべてのシーンにベストを尽くそうと均等な力の入れ方をしているのに、大友サンはキモの部分に向かう前奏曲のように、ドラマ全体を演出する。 要するに、手抜き、じゃないんですよ。 名指揮者と言ってもいいほどです。 大友サンの演出した回を見ていて感じるのは、脚本を生かすも殺すも、演出家の腕よるものが大きい、ということです。

 ただ今回、脚本の部分でも、これまでいかにも消化不良感ばかりが残った主役・龍馬(福山雅治サン)の心理状態が丁寧に描写されていて、前回のようなこけおどし的な部分が全くなかった。 さすが、であります。

 それをいちばん強く感じたのは、次の場面。

 京で再会を果たした、龍馬と加尾(広末涼子チャン)。
 その宿泊先で、龍馬と久しぶりの語らいをした以蔵(佐藤健クン)が、「龍馬はああいう男じゃったかのう…こんなに楽しゅうて、気が楽になれたがは、久しぶりぜよ」 と、別れ際に加尾(広末涼子チャン)につぶやいた場面でした。

 これまでこのドラマでは、いろんな人間に 「龍馬はすごい」「大きくなった」 とか語らせて、その説得力のなさには辟易していたんですが、今回の脚本には、やっとその説得力を感じました。

 つまり、以蔵は武市(大友南朋サン)の思惑通りに殺人をしまくっていたわけですが、それを自慢気に龍馬と加尾に語ろうとするのを、龍馬は敏感に感じ取り、いかにも頭の悪そうな以蔵に、噛んで含めるようにして、人の道に外れたらいかん、おまんは、心根の優しい男じゃ、まっこと強い男は、滅多なことでは剣を抜かんもんじゃ、と説くのです。
 以蔵のしたことをとっさに察知して、さらに以蔵を優しく包み込むようにして語りかける龍馬には、一日やそこらでは身につけることのできない思慮の深さというものを、とてもよく感じることができるのです。

 それまで武市のもとで以蔵が、どれだけテンパっていたか。
 その心を解きほぐした龍馬の力、大きさ、というものを、今回ばかりはじゅうぶんに私も感じ取ることができました。

 そして以蔵が帰ったあと、「以蔵は人斬りをやらされゆう。 こんな、バカなことがあってえいがか? こんなことが当たり前にあったら、日本は自ら滅びてしまうがぜよ! どういたらえいがじゃ? どういたら、みんなをやめさせることができるがじゃ!」 と、激昂する龍馬。
 そんな龍馬を見て、加尾チャンは勝麟太郎(武田鉄矢サン)に会うてみたらどう、と勧め、お役御免となって土佐に帰らなければならない自分も、龍馬ときっぱり別れる決意を吐露するのです。

 この、龍馬と加尾チャンが別れを決意するシーンは、龍馬の大きさを見る側にきちんと印象付けさせ、そこに至るまでの演出面での助走がしっかりしていたからこそ、オオゲサに感じることもなく、素直に感動することができた気がします。

 久々ですが、今週の 「弥太郎伝」。

 龍馬訴追の命を仕損じた弥太郎殿(香川照之サン)、百姓に転落(笑)。 「百姓が板についてきたのぉ~」 とオヤジ殿(蟹江敬三サン)に褒められて逆ギレ(笑)。
 怒鳴り散らす弥太郎に 「卑屈にならんでつかあさいおまさん…毎日おまんまが食えるだけ、あてら幸せもんじゃけ」 と、ニコニコ笑う女房の喜勢(マイコサン)。
 「あんなええ嫁がこんな男の嫁に来てくれるとは、信じられん」 と家族全員から言われ(笑)、「…ワシもじゃ」(笑)。
 ホントに、なんでですろうか?(笑)

 それにしても、龍馬もコーフンしておりましたが(笑)、いよいよ勝麟太郎との、邂逅でございますね。 予告編では、福山龍馬をビシビシ鍛えようとする、龍馬大好きの武田サンの姿。 盛り上がってきましたよー!

当ブログ 「龍馬伝」 に関する記事
♯01論点が、はっきりしちゅうhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/1-e718.html
♯02えらい天気雨じゃったのう(笑)http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/2-a44b.html
♯03食われっぱなしぜよ、福山サンhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/3-8e96.html
♯04佐那チャン、ツンデレ、してません?http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/4-5776.html
♯05アイデンティティの崩壊http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/01/5-d115.html
♯06本分をわきまえる、ということhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/6-766e.html
♯07父のこころ、子のこころhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/7-e1b3.html
♯08汚さに磨きがかかる(なんだソレ?)弥太郎殿http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/8-8680.html
♯09思想か、命かhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/02/9-febd.html
♯10もっとなんとかできたはずhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/10-b847.html
♯11龍馬が担ぎ出される、その理由http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/11-ac67.html
♯12武市の心理、執拗にやってますねhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/12-2a95.html
♯13大友サン演出は、一味違うhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/03/13-e7ca.html
♯14進む龍馬の空洞化http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/14-ef4d.html

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コメント

リウさん、こんにちは。

前準備して見たら、良かったですよ。(スンナリ)(笑)もうこのドラマのテンポに順応してきたのでしょうか?素直に、まあまあでした。特に、加尾の情事の後の、満足感の表情が良かったです。広末演技がうまいぞ!(笑)

武市、以蔵、平井、龍馬のそれぞれの掛け合いも不自然なものはなく良かったです。ただ、三条実美の公家としてのワザとらしい厭らしさの演出は、個人的にBADであります。

弥太郎軍団、相変わらず笑わせてくれます。

リウさんの感想見なかったらスルーでしたからね。有難うございます。

弥太郎様
コメント、ありがとうございます。

それは、ようございました!

個人的には、NHKの大河ドラマというのは、日本を代表するドラマだと昔から考えているためか、結構、というか相当、ハードルを高めで、毎年見ているんですよ。

まあでも、近年は仕方ないかなー、みたいな感じで(笑)。

広末サンに関しては、土佐時代との演じ分けができていたように思えました。 アレ?結構カワイイぞ、なんて。

大河に出てくる公家って、昔っから変わりませんよね(笑)。 なんかオカマっぽい(笑)。

岩崎弥太郎殿のひとりボケツッコミは、笑いました! 今年の大河は、スベったギャグを見たことがないですよね(笑)。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

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    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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