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2010年4月18日 (日)

「龍馬伝」 第16回 日本人じゃあぁーッ!

 龍馬(福山雅治サン)、ついに勝海舟(武田鉄矢サン)と邂逅!
 このことに私が必要以上に興奮しているのは、私どもの世代にとっては、武田鉄矢サンが坂本龍馬という人物を、どれだけ愛しているのかが分かり過ぎるくらい分かっているから、なのであります。
 その武田サンが、福山龍馬をどこまでビシビシ鍛えてくれるのか、と考えると、ちょっとその事情をご存じないかたには想像のつかないくらい、とても感慨深いものがあるのです。

 ワタシ個人は失礼ながら、坂本龍馬という人物に、そんなに深い思い入れがあるわけではございません。
 ただ、武田サンの龍馬に対する思い入れようをガキの頃からつぶさに見てきた私などにとっては、龍馬の大河に武田サンがご出演なさること自体が、わがことのようにうれしいのです。

 そもそも、武田サンが出てきた最初が、海援隊、というフォークグループ。 「母に捧げるバラード」 がヒットしたのは、1974年、私が小学4年の頃でした。
 私などは、海援隊という名前から、坂本龍馬を知ったクチでございます。

 そして武田サンの超当たり役、「3年B組金八先生」 の役名が、「坂本金八」。
 第1シリーズの金八先生の部屋には、大きな龍馬の写真が、貼られていましたっけ。

 龍馬好きが高じて、「お~い、龍馬」 という、小山ゆうセンセイのマンガの原作まで書いてしまったり、「Ronin」 という、吉田拓郎サンやらミュージシャンを多用して、映画まで作ったり。

 要するに、私にとっては、司馬遼太郎の 「竜馬がゆく」 よりも数倍、武田サンの龍馬好きには触れてきたわけなのです。

 さて、今回の物語。

 今回の 「龍馬伝」 は、龍馬がいかにして勝麟太郎に出会ったか、という部分を、千葉道場の千葉重太郎(渡辺いっけいサン)を介して松平春嶽(夏八木勲サン)に会い、その紹介で勝の屋敷に行く、という順序で追っていました。 ただしそこには、千葉定吉(里見浩太朗サン)の大きな後ろ盾があった、という構図でした。

 春嶽の前でエライしどろもどろな龍馬を、どうして春嶽が一目置くのか、という説得力は、どうもイマイチ。
 当の勝は、春嶽の紹介で会ってみた龍馬に、やおら自己採点表(笑)。 ペケのつけまくり(笑)。 オマエは、龍馬失格!オレに龍馬役をやらせろ!という感じ(笑)。

 勝が龍馬に対してほんとうに興味を抱くのは、勝の屋敷で書生になっていた、龍馬と知り合いの饅頭屋の長次郎(大泉洋サン)の話がきっかけではありましたが、勝のもとを訪れた武市(大森南朋サン)が、「幕府も藩も要らないとほざくような男です」 と、龍馬を評したことが、その最も大きな原因だった。
 それでも、勝にとっては、「ちょっともう一回会ってみてやろうじゃないか」 程度のことだったかも、しれません。

 それがドラマを見ていると、そのように見えない。
 その原因は、やはり武田サンの、龍馬に対する思いが強すぎるゆえ。
 どうも性急に、龍馬に会い、なんとか福山サンを 「いっぱしの龍馬」 に仕立てようと焦っているかのような姿を、個人的には感じました。

 だけど分かるんだなー、武田サンのその焦りが。 勝手にですけど(笑)。
 今の福山龍馬を見ていると、ビシビシ鍛えたくなるその心境が(笑)。

 そして武市の言葉で再び龍馬に興味を持った勝が、龍馬に再び会い、龍馬に自問自答させながら、龍馬が自分と同じベクトルをもった人物であることを悟る。 このくだりは、それまで性急に進んでいるように見えた物語が、見る側の心を揺さぶるドラマに進展していった瞬間だったと思います。

 「日本は、島国ですろう。 四方を海に囲まれちゅう。 異人らは、海から来るわけですき。 …やっぱり、いちばん大事ながは、軍艦ですろう。 強い海軍が、必要ですろう」
 「それじゃあ、海軍を持って、どうするね」
 「それは……わしは、千葉道場で、剣術を習うたがです。 ほんで、北辰一刀流の目録を、もらいましたき。 おこがましい言い方をすれば、わしは強いがです。 けんどわしは、人を斬ろうとは思わんがです。 そもそも、わしが強いと知っちゅう者は、ケンカを吹っかけてはきませんき。 つまり、わしが言いたいがは、いま、日本が、異国の言いなりになっちゅうがは、いくさをしたち、負けることが分かっちゅうきじゃ。 けんど、海軍が、強い海軍があれば、誰っちゃあに負けん、剣の腕があったら、戦にはならんぜよ。 …そうじゃ。 日本はもう、開国しちゅうき、異国の技術を学んで、どんどんどんどん日本の軍艦を造ったら、造ったらえいがじゃ! そんで、ほかのもんも、どんどんどんどん取り入れて、異国に張り合えるほどの文明を、文明を手に入れることができたら、日本は安泰となるがじゃ! そうじゃ…いくさをせんでも、攘夷を成し遂げることができるがじゃあっ!」

 最初はどうしたらいいのか分からず、答えをただ乞うために勝のもとに来た龍馬が、それまで自分が見聞して感じてきたことを、自分の言葉で探し当て、思いを結実することができた瞬間です。

 この龍馬の考えの前には、土佐だ攘夷だ日本だと、狭い了見でチマチマやっているこのドラマの中のほとんどの人物たちが、かすんで見える。

 そして龍馬は、勝から、咸臨丸に乗って太平洋を横断した日本人の心意気、というものを伝授されるのです。
 ここは日本人としては、感動せにゃいかんシーンですろう(笑)。
 そして勝に案内され、咸臨丸に乗り込む龍馬。 龍馬はここで、夢にまで見た黒船を、日本人が操舵していることに、心から感激する。

 世界の中で、日本人というものがどうあるべきなのか、自分たちの誇りをどう実感していけばいいのか、世界の中の日本を理解するための、思想の根本とは、どうあるべきなのか。

 より大きな視点で世界をとらえようという気概に、今回の物語はあふれていました。
 狭い考えで、島国根性で、世界を見てちゃ、いかんぜよ!

当ブログ 「龍馬伝」 に関する記事
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コメント

>私などは、海援隊という名前から、坂本龍馬を知ったクチでございます。

私たちの世代は、みんなそうでしょうね。武田鉄矢は暑苦しい程、龍馬さんが好きですからね。(笑)

海舟が龍馬と接見するシーンは、オリジナルな創り方ですけど、これもありかな、と思いました。で、龍馬を採点している海舟は、金八先生に見えてしまいました。(笑)

>より大きな視点で世界をとらえようという気概に、今回の物語はあふれていました。

このあたりのロマンに、幕末が好きな人はやられるんですね。「永遠の青年」幕末諸士に乾杯!であります。

投稿: 弥太郎 | 2010年4月18日 (日) 23時38分

弥太郎様
コメント、ありがとうございます。

勝が金八先生に見えてしまいましたか(笑)。

私は、武田サンが福山サンを 「サカモトぉーっ!」 と呼んだり、咸臨丸に向かう龍馬がコーフンしているのを見て、舟の後ろでニコニコしている武田サンの姿が、まるでわが子を見るような感じで、とても印象的でした。

今回の大きな視野で展開したドラマは、そんな大局的なものの見方ができない人には、ぜひ見てもらいたいものです。

どうも将来の日本が、ますます閉鎖的な島国根性になっていくような漠然とした不安を、ちょっとばかり抱いておりますので。

投稿: リウ | 2010年4月19日 (月) 00時29分

リウさん、削除して戴き有難うございます。

>舟の後ろでニコニコしている武田サンの姿が、まるでわが子を見るような感じで、とても印象的でした。

あのニコニコは、武田鉄矢の本心そのものでしょうね。嬉しくてしょうがない。でも、武田海舟、いい演技でした。これからの龍馬伝、期待してもよさそうです。

投稿: 弥太郎 | 2010年4月20日 (火) 01時59分

弥太郎様
再コメント、ありがとうございます。
3件も弥太郎サンからコメントが入っていたので、うわ、スッゴイ感動して長文のコメントをよこして下さったのか?とカンチガイしてしまいました(笑)。

ネットを見ていると、どうも独自の話に戸惑い、イケメン福山クンへの憎さもあいまって(笑)、このドラマを批判している人も結構いるみたいです。
でも弥太郎サンのように、もっと心を広く持つ余裕も必要なんじゃないのかな?って思ったりもしてます。

投稿: リウ | 2010年4月20日 (火) 08時33分

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