« 「離婚同居」 第1回 意外と楽しめます、コレ | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第6回(最終回) 別の人生への希望 »

2010年5月20日 (木)

「Mother」 第6回 行く先が、見えない

 先週当ブログ 「Mother」 の記事で、雑誌記者の山本耕史サンを 「尾野真千子サンに鈴原の電話番号を教えた可能性が非常に高い」 などと得意になって書いたのですが(笑)、今回番組開始早々から、尾野真千子サンが自分の子供と松雪泰子サンの関係を疑って鈴原の実家に電話したことが判明(笑)。 妙な勘繰りはやめたほうが、恥をかかなくて済みそうですね(笑)。

 ただ、「このドラマは登場人物たちのカンが非常にいい」 と以前に当ブログで書いたことは、当たってるようでして。
 尾野真千子サンが鈴原の実家に電話したのもそうですが、継美チャンがさらってきた子供だと鈴原家のみんなにバレてしまうところなんか、ちょっとしたサインを見落とさないところなど、みんな推理力高いなあ(笑)なんて思いながら、見ていたわけです。

 継美チャン(芦田愛菜チャン)が、鈴原家に自分はいないほうがいい、と判断してしまうところなんかもそうでした。
 直接鈴原家のいさかいの内容を見たわけでもないのに、よく自分のことでこの家がトラブっているのが分かるなあ、という感じ。 確かに継美チャンは、階下で大きな声のするのを聞いてはいたんですが、そこから自分のせいでケンカしていると考え、自分がこの家から出ていくのがいちばんいいんだ、と考えてそれを実行に移してしまう、というところまでは、ちょっと思いつかない気もするのですが。
 でもそんなことを敏感に感じ取ってしまう継美チャンのかわいそうな自己犠牲の性癖に、目を向けるべきなんでしょうね。

 継美チャンは結局、鈴原家を出て自分の本当の母親である、室蘭に住む尾野真千子サンのところへと向かうわけですが、松雪サンにもらった給食費程度ではとてもじゃないけど帰れるわけはないのであり、しかも驚異の記憶力(笑)で自分のたどってきた道を逆に行こうとするには、相当無理があるわけであり。

 ここで松雪サンと山本サンが 「28番のバスでは帰れない」 ということに気付き、松雪サンが継美チャンの居場所を特定するところも、名探偵コナンも真っ青な推理だと(笑)思ったのですが。

 それにしてもこの判断を7歳の子供がするのは、実に健気であることは、確かなことなのです。
 継美チャンから松雪サンへの手紙は、今回のいちばんの泣かせどころでした。
 ただし私は、継美チャンの演技がうますぎるせいなのか、ちょっと泣けませんでした。 きっと心が汚れているのでしょう。 かえって泣けたのは、継美チャンが鈴原家の窓越しに、松雪サンの最後の姿を目に焼き付けようとしていたところ。 健気すぎるんだよぉぉ~っ!(泣)

 松雪サンは残された継美チャンのノートを見て、「あの子が心配しているのは自分のことじゃなかった…私のことだったんだ」 と気付きます。
 「ウソしか言えないの! あの子はウソでしか、ホントのことが言えないの!」
 婦人警官に手を引かれている継美チャンを発見し、松雪サンは何の躊躇もなく、継美チャンの名前を呼ぶのです。
 警察がいようが関係ないくらい、松雪サンの母性が巨大になっている瞬間を見た気がしました。
 名前を呼ばれてもなかなか返事をしない継美チャン。 きっと本当は、「知らない人」 と答える選択肢も、あったはずです。 そうすれば、松雪サンは誘拐犯にならずに済む。
 しかし不審に思った婦人警官は、松雪サンのほうに向かって歩いていく。
 このとき継美チャンは、松雪サンが捕まってしまう、と本能的に思ったに違いないのです。 「おかあさぁん!」 と叫んで、尋問をされるより先に松雪サンの胸に飛び込む、継美チャン。 この継美チャンの微妙な心の移ろいは、とても見事でした。

 ただこれで、松雪サンが誘拐犯という肩書から逃れる機会は、失われてしまったわけですが。

 その後松雪サンは高畑淳子サンから、養子縁組を解消する書類を受け取り、それにサインをするのですが、このシーンも倉科カナチャンをはじめとした熱演が光るシーンでした。 一見冷たいようにも思える展開ですが、鈴原家みんなが断腸の思いでこの決断をするしかない、というところが描かれていて、よかったです。

 それにしても、どうも山本サンは尾野サンと接触するみたいだし、田中裕子サンは松雪サンたちをかくまうようだし、ホントにこのドラマ、先の展開が読めません。

当ブログ 「Mother」 に関するほかの記事
第1-2回 主人公が、暗いですね… http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/mother-1-2-447a.html
第3-4回 同じテーマのドラマ 「八日目の蝉」 との相違点http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-3-4-34fe.html
第5回 母と娘の距離感http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-5-bc26.html
第7回 うっかりさんの裏の顔http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-7-344a.html
第8回 泣いてもいいんだよhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/06/mother-8-8615.html
第9回 母の手のぬくもりをhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/06/mother-9-d640.html
第10回 優しさがつき動かすものhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/06/mother-10-db64.html

« 「離婚同居」 第1回 意外と楽しめます、コレ | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第6回(最終回) 別の人生への希望 »

テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「Mother」 第6回 行く先が、見えない:

» ドラマMOTHER、Wikipediaの記事が著作権侵害? [ニュース記事を運ぶジェイムズ鉄道]
日本テレビ系列で4月から放送されているドラマ「MOTHER」(毎週水曜22:00〜)に関する記述をめぐって、インターネット百科事典「Wikipedia(ウィキペディア)」上で著作権侵害問題が取り沙汰されているようです。MOTHERとは、「母性は女性を狂わせる」をキャッチコピーに冠したドラマで、その名の通り、現代を生きる女性の「母性」をテーマにした、完全書き下ろしの社会派サスペンスドラマ。3年ぶりにドラマ�... [続きを読む]

« 「離婚同居」 第1回 意外と楽しめます、コレ | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第6回(最終回) 別の人生への希望 »

2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

無料ブログはココログ