« CCCDって、やっぱりとてつもない不良品…? | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第4回 ふたつの復讐 »

2010年5月 6日 (木)

佐藤慶サン、死去

 俳優の佐藤慶サンが、亡くなったそうです。 享年81歳。

 私がドラマをちゃんと見るようになって、この人の演技は上手い!と思ったのは、先日当ブログで書かせていただいた中村嘉葎雄サンもそうですが、佐藤慶サンもその中のおひとりでした。

 個人的に、特に印象深かったのが、確か1980年前後かな?TBSで放送された、「冬の花火~私の太宰治」 での、太宰治(石坂浩二サン)の兄上の役。
 佐藤サン本人は福島の会津若松ご出身らしいのですが(そう言えば、福島県には佐藤姓のかたが、多いです)、津軽弁が、やたらうまくって。 こんなにうまい津軽弁の人をテレビドラマで見たのは、初めてでした(と言っても、当時私は中学3年くらいのガキでしたが)。

 それから佐藤サンは、私のお気に入りの役者サンのひとりになったのですが、なにしろこの人、NHKの大河ドラマには、ほとんど準レギュラー、みたいな感じで(笑)。 よくお見かけしましたー。

 なかでも圧巻だったのは、1993年の 「炎立つ」。
 源頼義ですよ。
 以前にも当ブログで書かせていただきましたが、もう一度書かせていただきます。
 私がNHK大河ドラマを30年以上見続けてきたなかで(途中いくつかつまらないと感じて見なかったものもあるのですが)、その最高傑作と考えているのが、この 「炎立つ」 の第1部なのです(このドラマ、3部構成だったのですが、2部、3部は、そんなに面白くなかったです…笑)。

 この第1部のラストシーン。
 東北の豪族、安倍貞任(村田雄浩サン)に同調して反乱を起こし、そして破れた奥州藤原三代の祖、藤原経清(渡辺謙サン)を、佐藤慶サン演じる源頼義が、詰問していくのですが。

 ここで渡辺謙サンは、懐柔的な言葉でなだめようとする佐藤慶サンに向かって、こう言い放つのです。

 「豚め…! 豚の家来にはならぬ!」

 いや、その迫力たるや。
 「独眼竜正宗」 で、その激昂する演技が頂点を極めていた渡辺謙サンの、面目躍如というべき、烈々たる迫力のシーンでした。

 それに対して佐藤慶サンは、完全に頭に血がのぼった格好。

 自分の持っていた刀を、そこらへんにあった岩に、ガンガン叩きつけはじめる。

 なにをやるのかと思ったら、打ちつけてボロボロになったその刀を家来に向かって放り投げ、「その刀で、この男の首を、のこぎり引きにしてはねよ!」 と命じるんですよ。

 ひええー、やめてくれええー、とテレビの前で叫びましたよ(歴史好きには、有名な話らしいのですが)。

 そのなまくら刀で首をギコギコされながら、渡辺謙サンは、絶叫しながら死んでいくのです。 戦慄しまくりました。

 今なら完全に、放送コードに引っかかるに違いないです。

 おっと、渡辺謙サンの話になってしまったきらいがありますが、ここで佐藤慶サンが演じた源頼義は、頼義の側にもそうせざるを得ない苦悩がうかがわれていて、敵方ながら、感情移入の出来る役を、完璧にこなしていました。 凄かったです。

 近年ではかつてのような迫力がなく、抑えた演技をしているような印象もあったのですが、それはご高齢ということも加味しなければならないし、それでもこの役者サンの存在感は、年老いても厳然として、漂っていた気がします。

 謹んで、ご冥福を、お祈りいたします。

« CCCDって、やっぱりとてつもない不良品…? | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第4回 ふたつの復讐 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

リウさん、こんばんは。
どの役というのは覚えていませんが、好きな俳優でした。存在感ありましたよね。確かに大河ドラマによく出演されていた記憶はあります。

佐藤慶さん、緒形拳さん、藤田まことさんなど、私が小さい頃から当然のようにいらしていた俳優の方々が亡くなっていくのは、悲しいものがあります。

弥太郎様
コメント、ありがとうございます。

佐藤サンが出てくると、なんかドラマ全体の質まで上がったような、安心感が生まれたものです。

近頃この、安定感のある年配の役者サンが、お亡くなりになっていくこともそうですが、だんだん減ってきていますよね。 高齢化社会なのだから、増えていってもいいような気は、するんですが(笑)。

吉田東洋をやった田中泯サンなどは、年配になって頭角を現してきた感じですけど、こういうケースって、ほんとに稀なような気がします。

ただ、年配の役者サンを見る機会が、ないだけなのかな?

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 佐藤慶サン、死去:

« CCCDって、やっぱりとてつもない不良品…? | トップページ | 「チェイス~国税査察官~」 第4回 ふたつの復讐 »

2019年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 上
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

無料ブログはココログ