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2010年6月 3日 (木)

「Mother」 第8回 泣いてもいいんだよ

 とうとう自分の娘、怜南(=継美、芦田愛菜チャン)の居場所を突き止めた仁美(尾野真千子サン)。 今回の 「Mother」 は、そこからいかにしてこの母子がこれほどまでに歪んだ関係になってしまったかが、とても丁寧に描かれていました。

 生まれたばかりの玲南に対する仁美の態度は、どこにでもいる普通の母親と同じ。 夫(並木幹雄サン)と極めて幸せな生活を送っています。 テレビの児童虐待のニュースを見ても、「こんな親、普通じゃない。 人間じゃないのよ」 とごく普通の反応をしています。
 部屋の壁には、南国の青い海のポスター。 この青い海が、今回のストーリーで要所要所に出てきます。

 2年後、仁美と怜南はふたりきりの生活をしています。 部屋の片隅には仏壇があり、そこには夫の遺影。 怜南は小さい子特有のわがままをするようになっていますが、仁美の対応はあくまで子どもに気を遣っているもの。 ここらへんから、仁美が子どもにうまく接してあげられない萌芽が見られる。
 そしてもうひとつ、仁美が怜南のために身を粉にして働きづめな様子も、ドラマでは丹念に追っていきます。 「怜南がうらやましいな。 ママのことは、誰も褒めてくれないから」 と思わず愚痴ってしまう仁美は、徐々に子育てが、苦痛になり始めている。

 それにしても、仁美がこんな状態で自分の親に頼れない、というのは、いろんな想像を見る側にかきたてさせます。 いずれにせよ、親に頼れないのは、余計にきつい。

 そんな時に、怜南の面倒を見てくれていた知り合いのおばあさんが、木更津に去ってしまい、保育所に怜南を預けなくてはならなくなる。
 ますます状況が悪化していく仁美なのです。

 ビンボー極まる道木の家の怜南のおやつは、パンの耳を揚げて砂糖をまぶした、「ボーナッツ」。 「ボー」 が大好きな怜南が、またなんとも言えず抱きしめたくなる。
 保育園の母親の集まりなのか、そこで子供のしつけに 「デコピン」 をやることを教わる仁美。 虐待の、ほんの些細な、第一歩なのです。

 話は現代に戻って、奥の押し入れに立てこもってしまった継美チャン(=怜南)に、仁美は 「ボーナッツを作ってあげる」 と食べもので釣る作戦(笑)。 ひとん家だというのに、いきなり台所をゴーインに使い始める(笑)。 ボー然とそれを見守る、奈緒(松雪泰子サン)とうっかりさん(田中裕子サン)(笑)。

 そこに継美チャンがふすまを開けて登場。
 仁美は、駆け寄って継美チャンを抱きしめます。
 奈緒とうっかりさんのほうをちらっと見て、またなにかに気を遣っているところを見せながら、継美チャンはママの背中に、腕を巻きつけていく。

 そして話はまた昔に戻り、仁美の怜南に対する虐待がエスカレートする兆しを見せ始める。
 そのことに仁美は罪悪感を抱いていて、ある日いっしょに海を見に行ったとき、仁美は怜南を置いて帰ろうとしてしまうのです。 あわてるあまりに、自転車を倒してしまったりもたついているあいだに、仁美が気がつくと、怜南が遠くに立ったまま、こちらをじっと見つめている。 怜南の目には、明らかに 「捨てられる」 という恐怖が宿っています。
 何事もなかったかのように自転車で帰っていくふたり。 怜南は、楽しそうな歌を歌っています。 もうこのころから、怜南には自分の感情を押さえ、自らを偽る癖がついてしまっている。

 そんな時に仁美が出会ったのが、「あの」 児童虐待内縁の夫代表。
 出てきたぞ、コンニャロ~っ!
 でもよく考えてみれば、この浦上という虐待男を演じる綾野剛サン、役者生命賭けてますよね(笑)。 こんなイメージの悪い男は、私も初めて見ますよ。 この人、最後に反省でも、してくれるのかなぁ? でなきゃ、イメージ悪いまんまですよ。

 初めてこのふたりが出会ったスナックでも、青い海のポスターがかかっていたのですが、このふたり、怜南を置いてその南国の海に旅行に行ってしまう。 怜奈にはバーゲンセールで買ったハムスターをあてがったまま。 怜南が捨てられる直前、何らかの残酷な形で死んでしまった、あのハムスターです。

 旅行先から怜南に電話をかけた仁美は、あまりの罪悪感に涙をぽろぽろ流します。
 けれども、「ママが幸せだと、怜南もうれしいよね?」 と、自責の念から回避しようとしている。 いきなり切れた電話を見つめる怜南。 部屋は散らかり放題。 いっぽう、リゾートホテルでこざっぱりした服装のまま泣き崩れる仁美。 なんか、泣けてきましたけど、それは怜南がかわいそうだったからで。

 ただ、自分が本当に行きたかった南の海で、仁美の気持ちは晴れることがない。 大事なものがどんどんけがれていく悲しみを、仁美も背負っていたようには感じるのです。

 そして浦上の虐待傾向に、だんだん染まっていく仁美。
 町内会の女の人がそれを問題にしまくっていましたが、自分も仁美の勤めていたコンビニ(それにしても継美チャンに会いに来た仁美、このコンビニのユニフォームを着てましたけど、何か意味があったのかな?)に犬を連れて入ってくるとか、「どっちもどっちじゃん」 状態(笑)。 虐待男も近所で問題にされて、しれっと怜南とトランプ遊びなんかしているのですが、怜南の首には、絞めたような跡が…。 けれども怜南は、何事もなかったかのようにふるまっている。

 ある日夜中に起きてきた怜南が、最初はオシッコ、と言いながら、ふりかえって、「…助けて…助けて、ママ…」 と目にいっぱい涙を浮かべながら、仁美に訴えかけるのです。
 怜南が初めて、仁美に自分の本当を見せた瞬間でした。
 泣けました。
 仁美もこの時ばかりは怜南を抱きしめて、夜の街に飛び出します。
 そこで仁美が見たものは、なんと死んだはずの夫。
 死んでは、いなかったのです。
 その彼が、家族団らんで、車に乗り込もうとしている。
 つまり、捨てられた、ってことでしょうか。
 それを見てしまった仁美は、歩道橋の上から、怜南ともども身を投げようとします。
 けれども、それはできなかった。
 泣き崩れる仁美。
 ここで本日、泣けた3回目。

 ところがこのあと、まだまだ控えておったのです。 大号泣シーンが。

 この自殺未遂のあと、仁美のなかでは何かがプツンと切れてしまったかのように、児童虐待のニュースを見ても、「フン…」 と鼻でせせら笑うような反応になってしまっている。
 これは、前の夫とのあいだに生まれた怜南を、仁美が代替で憎み始めているしるしでしょうか。 仁美の清らかな心の象徴のようだった青い海のポスターが、はがされて丸められていました。

 話は現在に戻って。

 抱き合ったはずの実の母親に対して、継美チャンはこう、話すのです。

 「あのね、ママ…。 怜南は、天国に行ったの。 怜南は、もういないの。 天国に行ったんだよ」

 何言ってんの?と問い返す仁美に、継美チャンは 「私の名前は、継美だよ。 鈴原継美。 お母さんとこの家で暮らしてるの」。 仁美は継美チャンに、ママのこと好きでしょ?と尋ねるのですが。

 「あのね…。 好きでも、嫌いでもないよ。 もう…ママじゃないからね」

 その一言を聞いた継美は、その場を立ち去ってしまいます。

 残された奈緒に向かって、継美チャンはまるですがるかのように、確かめるかのように、笑顔を作ろうとしながら、「お母さん…」 とつぶやきます。
 奈緒は思わず継美チャンを抱きしめて、こう話すのです。

 「笑わなくていいの。 泣いていいのよ」

 それを聞いた途端、今まで押さえて押さえてきたあまりにもたくさんの感情が、堰を切ったように、絞り出すようにうめきながら大声を上げて泣き出す継美チャン。

 あーダメだ、また泣けてきた(笑)。
 いや、号泣しました、こっちも。
 仁美をいったんは追いかけて行ったうっかりさんも戻ってきて、3人で抱き合って号泣。

 ここでCM。

 佐々木蔵之介サンが、焼きそばを食べながら、「モチモーチ!」(笑)。

 ちょっと考えてほしかったなあ(笑)。
 「Mother」 って、次回予告のすぐそばから 「怪物くん」 のCM流したり、なにかをぶち壊したがっている、というか…(笑)。

 で、公園でぼんやりしている仁美に、奈緒は 「あなたに母親としての愛情が残っているなら、あの子にとってそれが本当の幸せなら、私は甘んじて罪を受け入れて、怜南チャンをあなたに返します」 と渾身の思いを込めて言うのですが、「好きじゃないって言われたの! …そんな子、死んだもおんなじ」 と吐き捨てて、仁美は東京から去っていくのです。

 室蘭に帰った仁美を待ち受けていたのは、警察の事情聴取。 ところがその先手を打って、やってきた刑事たちに対して、仁美は 「怜奈はまだ生きています」 と打ち明けてしまう。

 なにしろ泣けました。 ある程度成長して、親に向かって 「ふざけんな」 とか生意気な口を叩くようになったのならばまだしも、「子供は親に逆らえない。 子供は親を選べない」 ということを見事に表した回だったと思います。 継美チャンの号泣シーンを見るだけでも、一見の価値があると断言いたします。 この子の演技は、凄すぎる!

当ブログ 「Mother」 に関するほかの記事
第1-2回 主人公が、暗いですね… http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/mother-1-2-447a.html
第3-4回 同じテーマのドラマ 「八日目の蝉」 との相違点http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-3-4-34fe.html
第5回 母と娘の距離感http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-5-bc26.html
第6回 行く先が、見えないhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-6-95e0.html

第7回 うっかりサンの裏の顔http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/05/mother-7-344a.html
第9回 母の手のぬくもりをhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/06/mother-9-d640.html
第10回 優しさがつき動かすものhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/06/mother-10-db64.html

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コメント

んぁあーーー気付いてなかったー!!
あれ死んだはずの旦那さんだったんですか?ただ幸せそーな家族を見て羨ましがってたんかと思ってました。なるほど納得です。

1964様
コメント、ありがとうございます。

んあっ!(マキバオーでしょうか?…笑)そう確認されてしまうと、こっちも確かに死んだ夫だったのかあやふやになってきました(笑)。 たぶんそうだと思いますー。 この出来事を境にして急に仁美(尾野真千子サン)の虐待に対するためらいみたいなものがなくなってましたので。

またまた,お邪魔します。

OA中は,死んだ夫と同じ俳優さんだとは気がつきました。夫に瓜二つの男性の幸せそうな姿を見て,歩道橋の上で思い余って・・・。
と思いました。
どうなんでしょうかね。

もし,夫が生きていたとすると,仁美は夫が死んだとだまされたのかもしれませんから,虐待男にも勝るとも劣らないひどいやつになりませんかね。しかも,怜南チャンと同じくらいの子供を抱っこしていましたから。同時進行?

えーじ様
コメント、ありがとうございます。

ヤフーの質問箱を見てみましたが、やはりいろんな見解があるようですね。

私ちょっと、録画したものを消しちゃったので(笑)もう何とも言えないのですが、確か尾野真千子サンが、夫の遺影を見ながら、ヤケに複雑そうな顔をしていた場面があった気がします。 同じ坂元裕二サン(脚本)による 「チェイス」 と同じ手癖のようなものを感じたのですが。

つまり、意味のあるちょっとしたシーンを、あまりにもさりげなくインサートする、という手法です。

それで、尾野真千子サンは夫に何らかの形で捨てられ、しかもえーじサンの指摘するように、その夫の家族に怜南チャンと同じくらいの年の子がいたということは、んー、まあ、そういうことなんだろうな、という想像は、ついてくる気がするんですよ。

尾野真千子サンはそれまで、怜南チャンを虐待することに、ちょっと罪悪感がありましたよね。

それが、その自殺未遂を境にして、急に児童虐待を非難するテレビのインタビューされている人を見て、ゲラゲラ笑っている。 怜南チャンを抱きしめて、歩道橋?の欄干に、足までつけた人がですよ。 この豹変ぶりは、ちょっとした鍵のような気がするのです。

私はこれを見ていて、夫に捨てられたのは、怜南チャンと同じくらいの子供がいたからだった、ということを、尾野サンはその時点で知ったのだ、と思ったんですよ。

でなければ、尾野サンは怜南チャンを、あの虐待男が現れる前から、もっとためらいなく虐待していた、と思うんです。 自分をつらい目に合わせた夫との、子供なんですからね。

なんで夫が死んだことにして、仏壇に遺影まで飾ってあったのか、というと、怜南を思いやって、変な後ろ指をさされないように、という、尾野サンが怜南チャンの幼少期に見せていた 「子供への叱りかたも分からない」 母親としての気持ちの延長だった気がします。

以上、私の見解であります!(笑)
でも、いろんな見方があっていいと思いますよ!

あっ…スミマセン…、こんな下らない私の見解を、ダラダラと書いてしまって…。
エライ長文になってしまいました…。

たびたびの訪問です。

公式ホームページには,「数年後、女手ひとつで怜南を育てることになった」との記述があり,リウさんの見解が説得的だと思いました。

それにしても,リウさんとは好みが似ているなぁ,と感じています。この番組や,大河や連続テレビ小説と,ドラマは絞って見る方なのですが,かぶっています(笑)。

そうそう,こちらのブログには,ビートルズのリマスター騒ぎ?のときに初めて訪問しました。

えーじ様
再コメント、ありがとうございます。
そうですか、ご覧になっているドラマが、かぶっておりますか(笑)。 私もドラマ好きとは言うものの、あまり嗅覚がいいほうではありませんので、役者サンとか脚本家を見て判断しているのですが、NHK関連は、その判断基準から逸脱したいいドラマが多いので、気を付けるようにはしています。

ビートルズのリマスターの時の記事ですか、お恥ずかしい…(笑)。 ちょっとカンチガイを記事にしたもので。
あのリマスターの時は、まさしく一大イベントでしたー。

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    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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