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2010年6月22日 (火)

「新参者」 最終回まで見終わって

 当ブログでは、初回の感想文だけ書いたきり、記事を書くのを半ば怠ってきた、「新参者」。
 ただ、見るのをやめたわけでは、ありませんでした。

 このドラマの記事を書くモチベーションを私が見つけづらかった最大の原因は、毎回 「犯人ではない容疑者」 を 「犯人ではない」 と主演の阿部寛サンが読み解いていく 「容疑者たちの人情話」 に、感情移入ができにくかった点にあります。

 「人情話」 と括ってしまう、当方の感じ方に問題があったのかも知れませんが、原田芳雄サンほどの役者がゲストだった回でも、やはりそれは変わらなかった。 ということは、役者の演技力に問題があるのではなく、各話の話自体が弱かった、ということなのでしょうか。 感動されておられる方もいらっしゃるので、ただ単に私の好みと合わなかった、ということかもしれません。

 一度このような気持ちを抱いてしまうと、被害者の原田美枝子サンの息子役である向井理クンが、「ゲゲゲの女房」 の村井茂と同じ髪形で、屈折した役をやっていることにも、違和感を抱いてきて。
 いちいち 「新参者です」 と、あまり普段使うことのない言葉(と同時に、番組タイトル)を阿部サンが連呼するのも変な気がしましたし、「ちなみに」 という加賀恭一郎の口癖も、なんか気になってくる(笑)。 違和感のスパイラル、というか(笑)。

 ただ最終回まで見て、全体を振り返ってみると、この不必要と思われた各話の人情話が、結果的にはいちいち重要だった、という気がしてなりません。

 それは、原田美枝子サンが抱いていた、さまざまな癒しの感情が、向井クンや別れた夫役だった三浦友和サンの乾いた心にじわじわと浸透していく様子から、そう感じるのです。
 最後の演劇論の話は、勘違いをしながら自分の孫が無事に生まれてくるように願っていた彼女の気持ちを描いたエピソードとかが自然と思いだされて、ほろっときました。
 と同時に、大切な人を思いやる人の気持ち、家族を思いやる人の気持ちが、全体的な人情話を通じて、浮き彫りになっていく。 やはり必要だったのかな、各回の人情話。

 ただまあやはり、ちょっとしつこすぎたかな。
 視聴率がどんどん下がっていったのも、その辺のマンネリに、視聴者が飽きた証のような気がするのです。 回数的には、NHKの土曜ドラマ並みに、6回くらいが妥当だった気がします。 「どうせ同じことばかりやってるのだから、最終回だけ見りゃいいや、真犯人だけ分かりゃいいや」、という気持ちが、見る側にはたらいた、とも考えられる。

 それから、阿部寛サン演じた、加賀恭一郎が、いちいち気にする些細なこと。
 これが推理のカギになってくる、という展開も、見ていて飽きてくる、というか。
 無糖のコーヒーを飲む人間が、甘いものが好きなんてことはありえない、とか、その時点で分かってしまうし。
 最終回でも、コマをしきりに加賀が気にしているのを見て、加賀は笹野高史サンに容疑の的を絞っている、というのが見えてくる。 推理ドラマとしては、ちょっといけてなかった、という気もします。
 それに、回数を重ねるごとに、この人犯人じゃないんだ、というのが、最初から分かってしまう。 これって結構、致命的な気がするんですけど。

 でも作り手が重要視していたのは、謎解きの難解なからくりよりも、ひょうひょうとした態度で謎を解いていく、加賀恭一郎の推理力の鮮やかさ、のほうにあった気がします。 その点で加賀恭一郎を演じ切った阿部サンはやはりさすがだな、と思いました。

 そしてあらためて感じざるを得なかったのは、三浦友和サンという役者サンの実力。

 以前にも書いたのですが、「台風クラブ」 で一皮むけるまでは、友和サンには 「百恵チャンの夫」 という肩書が、どうしても拭えないところがありました。
 なにしろ若かりし頃は、風貌的にも、何の毒もない、「好青年」 然とした 「単なるいい男」 の代表格みたいなお顔で。
 一皮むけてからは、そんな役者にとってあまりうれしくない弱点を、次々と乗り越えていき、近年では押しも押されもせぬ大役者のひとりとなった気がするのですが、今回さらに、年齢を重ねたことで醸し出される風格みたいなものまで、感じるに至りました。 かつての好青年の顔に刻まれたそのしわは、友和サンの人生自体を感じさせる気がする。 大きなお世話ですが、木村拓哉クンもご参考にしたらよろしいのではないでしょうか(大きなお世話ですね、ゴメンナサイ)。

 最終回に向けて盛り上がっていき、最終回では見事に盛り上げ切った、という印象は、結果的には強くするのですが、やはり中だるみがあったことは否めない。 そんな全体的な印象を持った、「新参者」 でした。

当ブログ 「新参者」 に関するほかの記事
第1回 なんとなく、謎解きがすんなりしすぎている感じhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/04/1-863e.html

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

私も同意見です。
ただ、毎回エンディングで達郎さんの曲が流れ出すと、意味もなく涙が込み上げてきました。
特別、山下達郎さんのファンではないのですが・・・。

1964様
コメント、ありがとうございます。

あのテーマ曲の流れるタイミング、毎回ドンピシャ!でしたよね。 あれにはやられました。 人の心の隙間に入ってくるような感じ、と言いますか…。

出来れば今回のような話の組み立て方ではない、阿部サンの演じる加賀恭一郎の別のドラマも、見たくなりました。

おひさしぶりです。
ボクは第2話で見るのをやめちゃいました。
1話目のエピソードからは下り坂って感じがして、見限ってしまいました(笑) 見るドラマは「バーンノーティス」だけになってしまいました。

アールグレイ様
コメント、ありがとうございます。 当ブログへの最初のコメントをお寄せ下さったアールグレイ様、拙いこのブログをいつも見守ってくださり、誠に感謝!であります。

「バーンノーティス」 ですかー。 知りませんでしたー。 私はアメリカのドラマには疎くて、「24」 や 「ER」「CSI」 なども、評判を聞いて途中からの加入でした。 NHKBS2などでやってくれると、注目度も上がるのですが。 

新参者、最終回の番宣をいろいろな番組でやってましたが、結局、見ませんでした。

とびとびに3話くらい見たでしょうか。

リウ様と同じく、なぜか話に入っていけないという感じがしました。
最終回まで見るという前提の元に作られていたのでしょうか。

「絶対零度」や「ジェネラルルージュ・・」は最終回を見ました。
「ジェネラル」は映画の方が良かったかも?
先に堺 雅人さんの速水役を見たせいか、西島さんだとインパクトが少し薄くなったような・・・(西島さんもすてきな役者さんですが)
キャラクターによる効果は大きいと改めて実感しました。

rabi様
コメント、ありがとうございます。

そうですか、番宣、やってましたか(笑)。
たぶん視聴率が急降下していたから、TBSもあわてたのでしょう(笑)。

私がどうもちぐはぐなものを感じたのは、人形町、という 「下町」 を舞台にしたものにもかかわらず、出てくる建物はすべて近代的だった、という点にもあります。 下町人情というものは残っているかもしれませんが、ちょっと見る側が飽きてくるような作りになってしまっていたのが残念です。

「ジェネラルルージュ」 の映画版まで追いかけているとは、rabiさん、かなりのツワモノですねえー(笑)。 私は残念ながら、両方見ておりません…。

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