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2010年7月10日 (土)

「うぬぼれ刑事」 第1回 初クドカン体験です…

 宮藤官九郎サンのドラマって、見たことなくて。

 なんか、ワザトラシイのがイヤなんですよ。

 で、今回も見る気はさらさらなかったんですが(大変失礼)、1回くらいちゃんと見てみようかな、と。

 実際に見てみると、うぬぼれ4の存在とか、やっぱりあからさまにワザトラシイ(笑)のですが、ちゃんと人の心をつかもうとする生真面目さには満ちているな、と感じました。
 全体的に感じるのは、なんだかミュージカルの出来損ない、という雰囲気です。 出来損ない、というのはネガティブな言葉ですが、実はここを狙ってやっているような感じ。 出演者全員がおちゃらけながら演技をしているように見えるのですが、そこにはかなりカリカチュアライズされた人間の悲しい性癖が誇張されつつ表現されている。
 その表現方法は、まさしくオンリーワン、という感じが強くするのです。

 主演の長瀬智也クンも、髪の毛を下してあまりこれまで見たことのないような雰囲気(個人的には佐藤浩市サンを連想させる髪型)で、人生自体を大カンチガイし続けている男を演じています。 この大カンチガイをまわりの人たちは 「うぬぼれ」 だととらえて、結局それが彼の役名になってしまっている。 父親役の西田敏行サンでさえ、自分の息子の本当の名前を忘れて、彼を 「うぬぼれ」 と呼ぶ始末。 主人公の名前がない、というのはなんかすごい(笑)。

 しかし私が見ていて彼は、別にうぬぼれているわけではない気がするんですけどね(笑)。
 坂東三津五郎サン演じる変な大学教授(変な…って、出演者みんな変なんですけど…笑)の恋愛レクチャービデオに完全に陶酔していて、女性を見る時も3秒かぞえているようなとても純真な男です。 その眉唾ものの講義を真に受けながら、「このコはオレに気がある」 という大きな勘違いをし続けているだけの話です。

 その男が、人生それ自体を勘違いしながら、結局自分の刑事という職務にとってのお手柄を立て続ける。 長瀬クンの思惑通りにけっしていってないのに、刑事としての結果を着実に積み重ねている、というのがなんとも、人生それ自体のパラドックスを象徴している気がするのです。
 みんな、「これが天職だ」 と思いながら仕事をしているわけでもないのに、そこに仮想的なやりがいを見いだし、つらいとか楽しいとか感じながら仕事をしている。 そんなちぐはぐなおかしみが、人生にはある。 長瀬刑事の仕事ぶりを見ていると、なんかそのことを端的に感じさせるのです。

 そのうぬぼれクンが捜査に加わった殺人事件。
 いちばん怪しいと思われる被害者のパートナー、加藤あいチャンに惚れてしまい、彼女に猛烈にアタックしていくことが、結果的に彼女の容疑を濃厚にしていく。 ここらへんの複雑な描写を笑わせながら見せる手腕は、やはりさすが評判のいいクドカン、というべきです。

 しかも加藤あいチャンの役名が恵理子で、サザンの 「いとしのエリー」 ラスト部分を流す、という周到なこともやっている。
 つまりこれは 「いとしのエリー」 が主題歌だった、このドラマと同時間帯であったTBSの金曜10時ドラマの名作、「ふぞろいの林檎たち」 に対する強烈なオマージュであると同時に、その第4シリーズに準レギュラーで出演した長瀬クンとのつながりを連想させるものでもある。 私に言わせれば、相当高度に計算されたトリビアチックな演出です。 個人的な話になりますが、長瀬智也という人を見たのは、「ふぞろいの林檎たちⅣ」 が最初でした。 確か相手役は、中谷美紀サンでしたね。

 そして加藤あいチャンは、何食わぬ顔をして相当高度に計算されたアリバイ偽装工作をしていたのですが、その罪をおっかぶされてしまっていたのが、確か 「3年B組金八先生」 で引きこもっていた巨漢の男の子? わっ、久しぶりに見ました(笑)。
 まあ、それは別に深い演出上の意味はないのですが(笑)。

 IDカードとスイカのトリック、掃除の女性がわざとらしく画面をうろちょろするなど、犯人推理は比較的簡単でしたが、最後の長瀬クンの加藤あいチャンへの求婚の仕方も、「ねるとん紅鯨団」 みたいでしたよね(笑)。

 なんか、見たいドラマがあまりにもない寂しさも手伝って(?)、来週以降も見てしまいそうなドラマになってしまいそうです。

当ブログ 「うぬぼれ刑事」 に関するほかの記事
第2回 蒼井優チャン、こんな演技も出来るんですねhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/07/2-2de6.html

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

エリーにはやられちゃいました。
『麦茶』で3回も笑かされました。
あと、ニュートンにも。

小学3年生並みのコメントですみません。

1964様
コメント、ありがとうございます。

いえいえ、どんなコメントでも大歓迎です!
このドラマは、結構頭空っぽにして見るタイプのドラマだと思いますので、私のように理論をこねくり回しながら見ると、かえって興醒めしてしまうかもしれません(笑)。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

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    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
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    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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