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2010年7月 7日 (水)

「天使のわけまえ」 第1回 手作りの料理が幸せを運ぶ

 私、観月ありさサンのドラマって、見たことないんですよ。

 別に深い理由はなくって、たまたま私の見たいようなドラマに出てくることがない、というだけのことなんですけどね。

 その観月サンがNHKの火曜ドラマ10に出るというので、さてどんなものだろう、つまんなくてもいーや、みたいな感覚で、第1回目を見たのですが。

 なんか、心があったかくなるような(今の時期にあったかくなるとちょっと暑苦しいのですが…笑)、いいドラマでしたよー。 でもまあ、ドラマ10には前作みたいな失速パターンがある(私見です…)ので、手放しで褒めるのにはちょっと躊躇しますが。

 冒頭から、うつろな目でボー然と街を歩く観月サンの姿。
 そこに、婚約者だった細川茂樹サンとの回想シーンがインサートされ、「あ、要するに結婚詐欺に騙されたんだ」、ということを見る側は推測するのです。

 でも、ドラマを見続けていくと、「果たしてそうなんだろうか?」 という気になってくる。
 その理由は、普通は詐欺行為を完遂した途端に音信不通になるはずの相手から、電話が入ること。
 細川サンは、14歳にもなる大きな息子(野村周平クン)がおり、その子を預けるから自分が帰るまで面倒を見てほしい、愛してるよ、と言ったきり電話をガチャン(笑)。 「なんじゃそりゃあ?」 とテレビ画面にツッコミを入れさせていただきました(笑)。
 でもそれって、結婚詐欺のするパターンじゃ、ないですよね。 その昔(大ー昔)「池中玄太80キロ」 で、死んだ妻の鶴子(丘みつ子サン)に瓜二つの女が自分の息子を玄太(西田敏行サン)に押しつけていなくなったパターンを思い出しました(それにしても古過ぎだなぁ…思い出すかフツー)。

 この息子とは、紆余曲折を経て、観月サンは結局同居することになるのですが、「一緒に待ってみようか?」 と観月サンが切り出すまでのストーリーが、結構説得力がある。 ロクでもない男(細川サン)に振り回されて傷つくふたりの間に生まれる共感、と言いますか。 そして、それでもなお、その男を信じてみようとするふたりの共感、というものもある。
 これってやっぱり、結婚詐欺、というパターンではないですよね?

 この息子の野村周平クンははじめ観月サンに全く心を開かなかったのですが、その心がほぐれたのが、観月サンが作った五目?おかゆ。 それをかき込みながら、なんだか泣いているように見える、周平クン。

 そしてこのドラマにおける大きな比重を占めているのが、観月サンの作る手料理なのです。

 この主人公、なんだかんだ言いながら、料理がすごく上手。
 これって、ものすごい武器のような気がして、ならないんですよ、ドラマを見ていると。
 冒頭細川サンのためのおはぎを作る観月サンの手つきからして、ハッとさせられる丁寧さに満ちている。

 そのおはぎを、そこらへんで交通整理をしていたイッセー尾形サンが食べて涙する、という、状況的に考えてとても無理に見えることを、このドラマの作り手はあえて挑戦しているのです。 そのあり得ない展開に説得力を持たせる最終兵器が、イッセー尾形サンなわけです。

 イッセー尾形サンだからこそ、このムリムリな話を、そこはかとなくおかしみのある、そしてシュールなものに昇華できる。 交通整理で手袋をしているから、顔は真っ黒けだけれども、手は白い。 ここらへんの細かなディテールにまでこだわっている。
 そのイッセー尾形サン、「そりゃアンタ結婚詐欺だよ」 などとしゃべりながら、「それなんだ?爆弾か?」 とおはぎの重箱に興味を持ち、結局おはぎを食べ、いきなり泣き出す(笑)。 なんか笑っちゃいました。 それを見て、こらえていた気持ちがプツンと切れたようにもらい泣きしてしまう観月サン。 シュールな舞台劇を見ているようでした。 すごい。

 もともと自分が勤めていた派遣会社に、おじゃんになった結婚話のためにまた仕事を斡旋してもらいに行く観月サンでしたが、そこの職員が 「ゲゲゲの女房」 で青白い顔の売れないマンガ家を演じていた中村靖日サン。 ああ~、中森サンだぁ~。
 そこにまた斡旋してもらいに来ていたのが、「ぼくの妹」 でブッ飛んだ看護婦役をやっていた西原亜希サン。 司法試験に挫折した経歴を持つらしく、「詐欺罪で警察に告訴しなさい」 などとかなりうるさく観月サンにつきまといます。
 うーん、なんか、私の気になる俳優サンが脇役で出ているなあ。
 大滝秀治サンも、前回のドラマ10のナレーションに引き続いて、観月サンのおじいちゃん役で登場。 ボージャクブジンな役で笑わせます。

 結局イッセーサンの交通整備をやることになった観月サンでしたが、彼にお弁当を作ってあげたことがきっかけとなって、工事現場の男衆にお弁当を作ることに。
 それがひとり増え、ふたり増え、という過程はとても見ていて楽しかった。
 そして、ここでやはり光るのが、少ない予算にもかかわらず食べる人を感動させる力に満ちている、観月サンの手料理なのです。

 この料理を作るときの観月サンはまるで天使のようで、そのBGMもとてもよい。
 だからこそ、観月サンの手料理を食べた人は皆、なんとも言えない幸福感に包まれるのです。
 その様子を見ていると、泣けるというほどではないにしろ、なんか自然とほろっとする。 こっちまで幸せな気分になってくるのです。
 たぶん細川サンをつなぎとめていたのも、観月サンのその手料理なのでしょう。
 だからこそ、細川サンは自分の息子を、観月サンのもとに託した。
 やっぱり、結婚詐欺じゃないんだろうなー。

 そしてイッセーサンをはじめとした、観月サンのお弁当に魅せられた男たちが開いた 「観月サンを慰める会」 に、女の子がものほしそうに観月サンの作った太巻きを見ている(笑)。 そこに現れた母親が、ともさかりえサン。 どうやら次回、ドラマに絡んできそうです。

 なかなか笑いも散りばめられた、いい感じのドラマじゃないですか。
 つまんなくてもいーや、という気持ちで見たために、とても大きな収穫を得た気がします。
 ほかのドラマは見たことないですけど、観月サンはかなり、いい味出してます。

 それにしてもこのドラマの本当の主役は、観月サンが作る 「手料理」。 手料理さえうまければ、おのずと道は開ける、そんなことを訴えているようにも感じられる、ドラマなのです。

当ブログ 「天使のわけまえ」 に関するほかの記事
第2回 さりげなさに包まれたドラマhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/07/2-061f.html
第3回 気まずい食卓http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/07/3-d0ef.html
第4回 逃げる人たちhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/07/4-0f49.html

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