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2010年7月 3日 (土)

「鉄の骨」 第1回 建設業界って、こんな魑魅魍魎?

 小池徹平クンが建設会社の社員として談合にかかわっていく過程を描いた、NHK土曜ドラマ新シリーズ、「鉄の骨」。
 彼の演技は私、初めて見るのですが、その外野からいままで見ていた彼の印象、「とてもサワヤカーな好青年」 をそのまま役柄にしたような、純真無垢な性格の青年を演じています。

 その純粋な青年が、建設業界に重たくのさばって離れようとしない談合体質というものにしだいに染まっていくさまは、ひょっとするとサディスティックな興味なのかもしれません(笑)。
 第1回目では上司の豊原功補サンに 「お前がしゃべることで数億という利益が逃げていく。 黙ってろ」 と言われたことを忠実に守っただけなのですが、この時点ですでに、タブーに対して見て見ぬふりをする第一歩を踏み出している。
 そして密告によって崩れようとしていた入札談合の約束を今まで通り通してもらおうと、土下座して他社に頼み込む豊原サンとともに、意を決して土下座の連座に加わる。

 汚れていきつつありますなあ~(笑)。

 今後このサワヤカーな好青年がどのように汚れまくっていくのか、ちょっと見ものではあります。 その点で、あくまでサワヤカーな演技を第1回目はし続けた小池クンの度量、今後見極めていくことになるでしょう。

 ところでこのドラマ、冒頭からいきなり、ドカタのニーチャン(スイマセン、名前分かりません)が現場でタバコを吸っているのに小池クンが激怒、「ここは禁煙だ!」 とぶん殴り合いのケンカになるのですが、なんかありえねー、というか(笑)。

 確かに現場では禁煙なのでしょうが、詰所などでは基本的にタバコは吸い放題。 行ったことあるんですが、すごいもんですよ。 もうもうとしてます。 そこで吸っとりゃいいものを、わざわざ禁煙場所で吸っているアンチャン、この時点で仕事不適格者ですね。
 そのアンチャンがコンクリートにタバコの吸い殻を押しつけたことで、「コンクリートの強度に影響が出る」 などという理由で取っ組み合いになってしまう、という展開も、実にあり得ません。 ドカタという人間を必要以上に貶める、恐れさせる演出なのではないでしょうか。 そりゃとっぽいニーチャン達、多いですけどね。

 と同時に、このドラマで表現されている建設業界の人々、実におどろおどろしい人たちばかりなのがとても気になります。 建設業界のマイナスイメージを強烈に印象付けようという意図さえ感じる。

 たしかに、この業界ははるか昔からよからぬ業界の人々によって牛耳られ、「○○組」 という名称にその名残も見え隠れしています。 このドラマの舞台も、「一谷組」。
 だからと言って、小池クンがいきなり転属させられた事務のネーチャンまでドスが効いていてオソロシイ、というのは、いくらなんでもやり過ぎでは。

 私がドラマを見ていて思うのは、談合体質、というのは業界の古い体質という原因もさることながら、お上の現実離れした入札方式に最も原因がある、ということです。 たった2週間で積算やらなんやら、さまざまなことを用意しなければならない。 物理的に無理なのではないでしょうか。 そのことを問題にせずに建設業界の慣れ合い体質ばかりが問題にされている。 小池徹平クンが談合にかかわっていくうえでもっとも合理的な理由が、そこにある気がするのです。

 それにしても、自分が仕事をしていくうえで、実力以外で物事が進行していく、ということはよくあることです。

 それはコネであったり、接待などの相手を持ち上げるタイコ持ち行為であったりする。
 ゴルフ場はそのために潤っている部分もあるでしょうし、繁華街も接待の場として利益をあげている側面もあります。

 私はあまり社交的な人間ではないので、社会に出た当初から、こういうのはとてもバカバカしい、と思い続けてきました。 談合という体質はそんな社会全体の結晶として存在しているわけで、根絶させることには非常な困難を伴うと感じます。 それを潔癖症のようにただ批判しているだけでは、問題は解決しないでしょう。 要するに、談合を根絶させるのではなく、いかに合理的に、その体質をよりよい方向に進化できないのか、そちらのほうに解決の糸口があるように思えてならないのです。

 ドラマ的に誇張されているものは強く感じるのですが、小池クンが談合に手を染めていく過程の必然性がどのように表現されていくのか、その点に興味を持ちながら、このドラマを見ていきたいと思っています。

当ブログ 「鉄の骨」 に関するほかの記事

第2回 結局下が一番損をするhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/07/2-d7b7.html

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