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2010年7月26日 (月)

「龍馬伝」 第30回 薩長同盟の発想

 冒頭、高杉晋作(伊勢谷友介サン)主導の下での長州独立への動きと、それを叩き潰さんとする幕府の動向を解説した、今回の 「龍馬伝」。 伊勢谷サンを見ていると、またまた福山龍馬を食ってやろうとする俳優サンが現れた、との感を強くするのですが、第3部の福山龍馬は、黙っとりません(笑)。

 「まあるで鶏小屋のなかで、ニワトリ同士が喧嘩しゆうようぜよ!」

 先週終盤で薩長の喧嘩に割って入った龍馬が放った一言は、その場にいた全員に響いたに違いないのです。 見ていた私に響いたくらいですから(笑)。
 日本人同士が仲たがいすることの愚かさはそれまでこのドラマのなかでも龍馬が幾度も説いてきたのですが、武市の死を経た龍馬のこの言葉には、限りない怒りがストレートに人の心を打つ強さに満ちている。

 その強烈な一言のプレイバックの次の瞬間、タイトルバック。
 今回も、シビレますなあ。

 長崎で自分たちの無謀な売り込みを試し続けた龍馬。
 そのことごとくが失敗に終わり、長次郎(大泉洋サン)が持ってきたカステイラ作りの話に、今度はみんなが首を突っ込む。
 「日本を異国の侵略から守る」 のと 「カステイラ作り」 と、どのよーな関係があるのだ?(笑)と言いたくなるところですが、実際に龍馬たちは、カステラ作りを試みたらしい。 史実がどうとか言ってますが、どうやらこれは史実(笑)。

 ならばこのドラマが強調しようとしている龍馬たちの志と別のベクトルにあるように思える 「カステイラ作り」 を、どう結び付けるべきなのか。

 このドラマでは、龍馬たちの好奇心がさまざまな方向に向かっていた、その結果カステイラにも手を出した、ということを描写していたように感じます。
 そしてもと商人の長次郎が、以前の自分がやっていた饅頭屋とは違う、ひとつのビジネスケースとしてカステラを選んだ側面も、感じられる。 自分の得意分野である饅頭を売ってしまうのでは、昔と変わらんですからね。
 なにしろ彼らが商売をしようとしていたことが、のちの亀山社中へと発展するのです。
 その発想が徐々に具体化するさまを、今回のドラマでは描写している。
 小曾根乾堂(本田博太郎サン)や大浦慶(余貴美子サン)といった商人たちが麻雀をするのを見たあと、龍馬は陸奥(平岡裕太サン)にこう話します。

 「わしの本家はの、商売をやりゆうき。
 商人ゆうがが、どういうもんながか、ようわかっちょったつもりじゃったけんど、あればあたくましい商人らは初めて見たがぜよ。
 商人どうし、みんな競争ぜよ。
 けんど、どればあ仲が悪うても、商売のためには、つながっておかんといかん。
 あの麻雀は、そういうもんじゃとわしは思うき」

 このあとおちゃらけたような展開になってしまうので印象にあまり残らなくなってしまうのですが、商人たちが競争しながらつながっている、という見方が、のちに薩長を結びつけようとする龍馬の発想になっている。

 龍馬は、みずから見てきた高杉らの先見性やグローバルな視野、そして幕府が藩の力がなければ自ら戦えない現状を見据えてきた末の結論を、西郷(高橋克実サン)にぶつけるのです。

 「西郷さん。
 このまま幕府のもとにおったら、薩摩の将来はないがです」

 幕府に盾突いて勝てるはずがない、と一蹴する西郷。

 「幕府に勝てる手立てがあるがじゃ!
 それはのう…。
 長州と手ぇを組むことぜよ。

 長州は底力のある国じゃ。
 どこよりもよう学び、どこよりも戦う気力に満ちちゅう。

 今の幕府は、諸藩の支えがのうては、戦も出来んがじゃ!
 薩摩を味方につけんと、長州を討つことも出来んろう。

 薩摩がどっちにつくかで!
 勝負の行方は、変わるがじゃ!」

 「龍馬伝」 を見ていてつくづく残念なのは、ほんの2年前に放送していた 「篤姫」 と内容がかぶるのを恐れてか、西郷に小松帯刀(滝藤賢一サン)くらいしか絡んでこない、ということ。
 小松帯刀と言えば瑛太クン、というイメージが固まっている私にとっては少々複雑な感覚ですが、ここに薩摩出身の篤姫に対する西郷の思いなども織り込ませれば、ドラマにもっと奥行きが出る気がするのです。 けれどもこれは、宮崎あおいサンの立場を考えれば、ほぼ不可能な話。 幕末と戦国を交互に放送している最近の大河ドラマに対する不満に発展してしまいます(笑)。

 それと、ちょっと苦言。

 先週の予告では、お元(蒼井優サン)の素性を龍馬がかぎつけたかのような描写があったのですが、今回そんなことはなし。 こういう予告の見せかたは、感心いたしません。

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