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2010年8月28日 (土)

「SONGS」 さだまさし 「精霊流し」 に込めた思い

 今週のNHK 「SONGS」 は、お父上を亡くしたばかりのさだまさしサンが、故郷長崎で今年夏行われた精霊流しに参加、父親を送り出したことを中心に進行しました。
 番組では 「精霊流し」 も歌われたのですが、もともと 「椎の実のママ」 の息子さんの死がきっかけで書かれたこの曲、今回ばかりはいやがおうでも、父親に向けて歌われたものになった気がします。
 けれども、この曲の歌詞にあるように、「涙は見せずに」 という態度を貫いたさだサンなのであります。
 反して見ているこちらは、「精霊流し」 を聴いてかつてないほど泣きました。 この曲を弾き語りして泣いたことは数度あるんですけどね。

 それにしてもこの曲によって長崎の夏の風物詩である 「精霊流し」 については知ったつもりでおったのですが、この曲のSEバージョンでも聴かれる爆竹の音とか、その程度の知識しか結局ありませんでした。
 何しろさだサンのお父様の精霊船は、屋形船遊びでもできてしまいそうなほどの大型。 全長にして26メートル。 しかも、2両編成だったかな?
 まあ、そのほかに流される精霊船も見たところでは、せいぜい1メートル程度の長さのものが多い気がしたのですが、それにしても1メートルにしたって、デカイ。
 さだサンはもともとそんなに大きくするつもりはなかったらしいのですが、地元の有志が 「さだまさしの父親を送り出すのにそんなにしみったれてちゃイカン」 ということで結局これほどまでに大きくなってしまった、とのこと。 その志もありがたいものですが、この巨大な精霊船が街を練り歩く模様は、まさに壮観。 提灯がずらりとわきに配置された、巨大な霊柩車、という感覚なのです。 というより、斎場が移動している感覚?

 「ぼくの今があるのはあの、赤貧洗うがごとき生活の中での、クラシック音楽を続けさせたっていうその、親の…投資。 あるいは期待。 ぼくに対するね。
 よく頑張ったよね何の根拠もなしにね。
 よくオレのことあそこまで応援できたなあって思う。
 自分が逆だったらそこまで自分の息子に、何もかも、投げ捨てて、まあいわば投資できるかって言われるとね」

 小さなバイオリンを与えられて長崎の神童とまで言われ、東京に単身音楽のために上京し、結局ドロップ・アウトしたさだサン。
 結局お父様のその投資は無駄にはならなかったのですが、今回の巨大な精霊船はそんな父親の恩にさだサンが応えたような心意気も感じるのです。

 8月15日の精霊流し当日、あまりに壮観な精霊船にさだサンのお母様?と目される年老いた女性も、感極まった様子で映し出されていました。
 そして大量の爆竹や銅鑼が打ち鳴らされ、喪主を務めるさだサンが、精霊船の先頭を歩く。
 その様は最近 「龍馬伝」 で見たような、異国情緒が感じられる一種独特の風景なのです。
 異国情緒、などと簡単に言いますが、なんというか、長崎というと連想される、オランダとかポルトガルとかの異国ではない。 中国の上海とか華僑の影響が色濃い、と言ったほうが適切な気がするのです。
 精霊船の最後尾には、さだサンが書いたと思われる、墨書きの 「ありがとう」 の文字。
 ここで、「精霊流し」 の物悲しいイントロが、流れてくるのです。

 もうこの時点で、こちらはちょっとウルウルしています。
 この曲のイントロは、「神田川」 の二番煎じと当時陰口を叩かれた、さだサンが鳴らすバイオリンなのですが、先ほどのバイオリニストに賭けたお父様の話を聞いた今回は、この曲でバイオリンが使われていることの意義を、限りなくしみじみと思い知るのです。

 そしてこの曲の持つ思いは、時代が移り変わっても、決して色褪せないことを思い知るのです。
 たとえば、歌詞に出てくる 「テープレコーダー」「レコード」 というメディアは、もう現在ではメインの音楽媒体ではありません。
 それでも、「ふたりで作った浴衣を、今夜はひとりで着る」「空の上から、線香花火が見えますか」「あなたの愛した母親は、ちょっとの間にすっかり年老いました」 という内容は、すべての人の琴線を大きく揺さぶる、さりげなさに満ちている。 私は、「詩人としてのさだまさし」 はすごい、と昔から考えていました。
 それが今回は、お父上の死が重なって聞こえるのですから、もうこちらはボロボロ泣きました。

 今日は、土曜ドラマ 「チャンス」 で泣いて、「ゲゲゲの女房」 で泣いて、「SONGS」 で泣いて、一日泣きっぱなしだったです(笑)。

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