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2010年9月17日 (金)

「10年先も君に恋して」 第3回 自分が変わってしまうことへの恐怖

 どうして10年後の丸山博(内野聖陽サン)はここまで変わってしまったのか――私のこのドラマへの興味はそこにあるのですが、どうやら里花(上戸彩チャン)の10年後の変節ぶりに原因がありそうな展開になってきました。 第3回目では10年後の話がインサートされる割合が少しずつ高くなっているのが分かります。 まるで 「ダメージ」 みたいになってきた(笑)。

 その10年後の上戸彩チャンもといリカの変節、というのは、リカが別の男性と付き合っているのではないか?ということ。 今のところはっきりしてはおりませんが、その相手はリカに思いを寄せていた、作家の日高光治(劇団ひとりクン)。
 ただしその浮気というのも、次回の予告編を見る限りではヒロシの行動に端を発している感じ。 「あなたの成功のせいで、私の夢は犠牲になったのよ!」 と怒鳴る10年後リカなのですが、果たしてそれは一体どういうことなのか? まあ、両方ともそれぞれ原因があるのでしょうが。
 次回が楽しみです。

 私の興味についての推移はそんなところなんですが、このドラマ、リカが担当する大作家先生、渡辺えりサンに 「スケールが小さすぎる!」 と自虐的に批評させといて(笑)、スケールが小さいなりに、ドラマにしかできない深いことをやろうとしている気がします。

 それは、「自分が変わってしまうことへの恐れ」。

 三田村教授(藤竜也サン)が10年後ヒロシに 「自分は10年後には死んでいるんだろう?」 と問いただす場面。
 10年後ヒロシのその複雑な表情が、すべてを物語っています。
 それを察した三田村教授は、こう言うのです。

 「まあいいか。
 未来なんて知らなくても、いつかは誰もが、死ぬ。
 …フフッ。
 …今日も頑張るぞっ!」

 三田村教授のように前向きに生きていこう、という意志がまだある人はいいのですが、人は誰しも、未来の自分がどうなってしまうのかには、目をつぶりたがる。 とんでもない病気になってしまうのかとか、ちゃんと生活していけるのかとか。

 それでもいちばん知りたくないのは、自分が精神的に、人生に疲れたネガティヴな人間に変わってしまうことなのではないでしょうか。

 リカは10年後のヒロシに、「今はきみのことをすっかり嫌いだ」 と言われ、激しく傷つくのですが、その原因が自分にもあるのではないか、ということが、怖くて10年後ヒロシに訊き出せないでいる。
 自分が好きになった相手が、10年後には自分のことを大嫌いだと思っているなんて、考えただけで嫌になってしまいます。 リカの悲しみはとても分かる。 と同時に、ヒロシをそんなふうにした10年後の自分っていったいどんな嫌な女になっているんだろう…それを知るのは勇気のいる行為です。

 だからリカは、10年後に嫌な女と思われないように、本当の自分というものを現在のヒロシに正直に打ち明けます。 これは10年後の自分を10年後ヒロシに訊き出すことから逃げている回避行為のような気もしますが、10年後の嫌な女になっている自分への挑戦状でもある。

 「私、実は割と気が強いの。 生意気なとこあるし、頑固だし。 しゃべり出すと止まらないし、片付けだって下手だし…。
 今はいいとこばっかり見てくれてるけど、そのうちフラレるんじゃないかって…」

 それに対して現在のヒロシは 「自分も友達にはちょっとせっかちって言われるし、研究馬鹿ともいわれるし、気が弱いから八方美人なところもある」 と自分の欠点もさらけ出すのですが、こう続けるのです。

 「いつか、お互いにそういう面は見えてくるよ。
 でもぼくは、それでリカのことを嫌いになったりしない」

 ここで流れてくるクリスタル・ケイサンの挿入曲。 なんか、泣けます~。 詞がいいんですよ、ドラマにぴったりで。

 「愛さえもぶつけてばかり 君の心が止まったこともなぜ気づかずに 好きなのに 好きだったのに
 もう一度 やり直せるならば 思い出が消えてもいい」

 この曲、紅白で歌ってほしいなあー。 エンディングタイトル曲より好きです。

 それにしてもこのドラマで唯一可笑しいのは、リカの弟ユウタ(染谷将太クン)。 なんかTOKIOの国分太一クンに風貌が似ていてアレッ?と思うこともあるのですが、10年後ヒロシを未来警察と完全に思い込んでいて 「任務開始のポーズ」「任務完了のポーズ」 を勝手に考えるほどハマっている模様(笑)。 それにウンザリしながらも、「任務開始のポーズ」 を人ごみの中でとってしまう内野サン、大爆笑でした。

 その未来警察への伝言板を見つけた渡辺えりサン、夫役の渡辺いっけいサン(あ、同じ渡辺だ…)と駅の改札近くで 「このスケールがほしかったのよ!」 と大騒ぎ(笑)。 どうもエキストラとかあまり使っていないように見えたんですけど、まあ設定的に大作家、という役だからべつだんまわりの通行人たちがもの珍しそうに見ているのは不自然ではありません(確信犯的…笑)。

 いやーだけどこの、野外撮影を通行人がもの珍しそうに見ている、という図、昔はよくありましたよねえ(笑)。 フィルム撮影なので撮り直しが利かない事情があったんだと思うのですが、「太陽にほえろ!」 とかで犯人を刑事が追っかけているシーンを後ろで笑って見物している人とか(笑)。
 いましたねええ~(感慨、相当深し…笑)。

 話は戻りますが、この渡辺いっけいサン、とても地味な役なのですが、ドラマにとって結構スパイスの効いた役どころで、「怒るってことは、好きってことなんだ」 と、とても重要なセリフを言ってました。 まさにこんな感じで、このドラマは進行しておりますよね。

 ともあれ、次回がますます楽しみなこのドラマであります。

当ブログ 「10年先も君に恋して」 に関する他の記事
第1回 んー、どうでしょう
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-1-276e.html
第2回 大切なのは、今の気持ちなんだhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-2-58e5.html
第3回 自分が変わってしまうことへの恐怖http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-3-3dc3.html
第4回 失いたくない、あの時の気持ちをhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-4-b283.html
第5回 いまだけが、未来を変えられるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-5-3f42.html
第6回 10年後の自分へhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/10-6-10-0df7.html

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コメント

はじめまして、検索サイトからお邪魔しました。
「10年先も君に恋して」私も見てます。記事見て、話の良さとか、挿入歌の良さとか納得です。

見る前は、10年後と10年前の2役は違和感あるかなーとか思ってましたが、案外とお二人ともいけますね。

2人の関係や、作家先生のキャラも面白いですが、結構好きなのが弟のユウタです。ここまで単純なキャラ、そうはいませんからw

染谷将太くんは、別のNHKドラマにも出るみたいですね。
http://www.nhk.or.jp/nagoya-ds-blog/010/60266.html

残り数回で終わってしまうのが淋しいです。NHKのドラマは話数が少ないのですね。


投稿: なぎ | 2010年9月18日 (土) 00時12分

なぎ様
はじめまして。 コメント、ありがとうございます。

私も最初は、 「内野サン、作りすぎてる(笑)」 という冷めた感じで見てたのですが、これってわざとかもしれない、と思い始めたら、いつの間にかドラマにハマっていました。

染谷将太クンのドラマ、NHKドラマスペシャル 「心の糸」 ですか。 リンク先を拝見させていただきました。 なんと、松雪泰子サンの主演! 「Mother」 以降初めてかな? こりゃ大注目です。 お教えくださり、感謝いたします。

ホント、このNHK火曜ドラマは前作の 「天使のわけまえ」 にしてもそうでしたが、もっとじっくり見ていたいドラマが多いです。 民放のほうが、かえってつまらないドラマを引っ張って引っ張っている気がします(笑)。

投稿: リウ | 2010年9月18日 (土) 05時52分

 リーンです。ここに出没します。

 上戸彩さんのドラマ、お察しのとうりこのドラマでございます。

 ところで、勘助殿は正妻で飽き足らず湖衣姫様に手を出してしまったのでしょうか。ご養生なされませ。ってことは置いといて、です。

 このドラマ、あっさりするほど内容をすんなり受け入れてみています。未来から来た内野さんを侵略者のように忌避しない、あたかも生活の一部として楽しんでいる。10年前ならこんなドラマは造れなかったように思うのですが、私に不案内な海外ドラマの影響でしょうか。

 上戸さんが今の自分を見つめなおしたら、未来の内野さんとの夫婦生活が変わっていく展開になるのでしょうか。とすれば、内野さんのコートがさらによれよれになったり、幽霊のように現世の人から見えにくくなったり、これは当たっていなくていいのですが、未来像が歪むことになるのかしら。とにかく未来の夫婦像の積極的な変化をじっくり見たいと思っています。

 松雪さんのドラマ、名古屋放送局の製作ですね。『中学生日記』を作ってきた底力が出ますかね。シンドロームからまだ覚めないこちらとしてはまったく違う演技がみたいです。ところでフジテレビが次のクールで日曜9時に新しいドラマ枠を設定するとか。その主演が松雪さんを起用し日曜劇場に宣戦布告するとか。これ本当に困ります。どちらか面白くなかったらザッピングしながら見てしまいそうで健康に悪いです。花王名人劇場の枠はバラエティにして欲しいです。

投稿: リーン | 2010年9月18日 (土) 17時08分

リーン様
コメント、ありがとうございます。

内野聖陽サンを見たのは、お恥ずかしながら 「風林火山」 が最初でした。 大河をン十年も見続けていて、主演に抜擢された人を全く知らなかった、というのは初めての経験で(笑)。 それ以来、内野サンの重厚な役どころばかり見てきた気がするので、この 「30歳ヴァージョンヒロシ」 には面食らっております(このドラマに関するほかの記事で以前にも書いたのですが)。

このドラマ、タイムスリップもののルールを結構無視してかかっているようなところが見受けられます。 変わった状況によって未来人の様子が変わってしまうとか、リーン様のご指摘になったようなところですね。

これって 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 で確立してしまったタイムパラドックス、という気もするのですが、このドラマでことさら強調されているのは、「10年後のヒロシが10年前の自分自身と邂逅すると激しい頭痛や吐き気に見舞われる」、というルールくらいで。

でもこのルールのために10年後のヒロシは10年前のヒロシに事情を説明できない、という、ドラマ上では重要な設定なような気がします。 ま、人伝てに10年前の自分に伝える、という手はいくらでもある気はするのですが(笑)。

いずれにせよ、あまり細かいタイムパラドックスにはとらわれずに見ていきたいな、とは思っています。

名古屋放送局、と言いますと、最近では 「鉄の骨」 が印象的でした。 どんなドラマになるのかなー。
日曜9時にフジテレビがドラマ参戦、とはいただけないですねー(笑)。 まあ、「JIN-仁-」 だけは、どんなドラマをぶつけても敵わんです(笑)。

投稿: リウ | 2010年9月18日 (土) 19時14分

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