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2010年9月22日 (水)

「10年先も君に恋して」 第4回 失いたくない、あのときの気持ちを

 ちょっとのっけから、興醒めしてしまうような話をいたしますが(ご指摘を受けて私の思い違いであったことが判明したのですが、まあお付き合いください)。

 タイムスリップものには、通常突っ込みたくなるような設定が満載なのですが(笑)、この 「10年先も君に恋して」 の設定でいちばん首をかしげたくなるのが、「どうして現在のヒロシ(内野聖陽サン)にダーレも事情を話さないのか?」 という点であります(笑)。
 別に誰が傷つく、というわけでもないでしょうに。

 三田村教授(藤竜也サン)が現在のヒロシに話さないのは、なんとなく分かります。 要するに、「未来がどうなっていようが、現在に生きている者は現在発揮できる力でそれを解決せよ、自分の力で未来を切り拓け」、というスタンスなのです。 これは前回、自分が10年後には死んでしまっていることを察知しながら、今を生きよう、という態度を貫こうとしたことからも分かる。 「10年後ヒロシ」 にも 「もう帰りなさい」 とあっさり言うし、今回も、リカ(上戸彩チャン)と10年後ヒロシが仲良さそうにしているところを見た、という森松(中山祐一朗サン)をたしなめたりしていますよね。

 ただリカが、このことを現在のヒロシに話さない、というのは、いったいどういうわけなんでしょうか。

 私の考えでは、リカは現在のヒロシに事情を話さないことで、ロクでもない自分の未来と戦っているような気がするのです。 まあたびたび、このブログでは指摘していることなんですが(追記 事情を知ってしまうと、ヒロシ自身が消滅してしまうかららしいです。 ぽち様、お知らせいただき、感謝いたします。 ドラマでも説明していたらしいんですが…笑)。

 今回リカは10年後ヒロシから、どうして10年後に夫婦生活が破綻しているか、その理由を聞き出します。
 それによると、結婚して2年後にヒロシがデトロイトの研究所から引き抜きにあったため、リカには仕事を辞めてもらって、アメリカに移住した、というのです。
 その後ヒロシの仕事は成功を収めて結構な金持ちになったのですが、「仕事を辞めさせられた」 ということはリカにとって相当なダメージだったらしく、先週の予告通り、「あなたの夢のために私は犠牲になったのよ!」 と暴れまくりブンむくれまくっているのです。
 ただ、ヒロシが 「リカをこれ以上憎みたくない」 と考えるのには、やはりリカの日高光治(劇団ひとりクン)との浮気が絡んでいる模様。 そのことをまだ今回の段階で、リカは知りません。

 ここで注目なのは、10年後ヒロシの言動の端々に、「10年後リカ」 を心底憎んでしまっていながら、「10年前リカ」 に徐々に惹かれ始めている、と同時に、現在のリカが10年後ヒロシに、徐々に惹かれ始めている、という点です。 ずいぶんおもしろい構図です。

 これはどうしてなのか、というと、10年後ヒロシにっては10年前リカというのは、夢破れ、それを自分に責任転嫁する女ではなく、自分が出会ったころのまっさらな状態のリカだからであり、現在のリカにとって10年後ヒロシというのは、未来の自分がひどいことをして性格をゆがめさせてしまった末のヒロシだからなのではないでしょうか。 つまりお互いの姿を見ながら、ふたりとも自分の姿を、そこに投影しているのです。 まるで鏡のように。

 リカは10年後のヒロシをサルベージしようとしながら、実は自分の未来もよりよい状態にしようとしている。
 10年後ヒロシは10年前のリカに惹かれながら、実は自分がどこで間違ってしまったのかを、理解する機会を得ようとしている。

 ふたりとも、失ってしまったもの、失おうとしているものを、何とか取り戻そうとして、お互いに惹かれあっている。
 それは、ねじくれてしまう前の、「自分の心」 なのです(断言しております…笑)。

 今回終盤で、都会の夜空に数少なく浮かぶ星を見上げる、現在のリカと10年後のヒロシがいました。

 「想像してみろ…このかすんだ空のはるか先には、広大な宇宙が広がってんだぞ…」

 同じ言葉を現在のヒロシから聞いて間もなかったリカは、10年後のヒロシの心の中に、「あの頃のヒロシ」(つまり現在のヒロシ)が持っていたものと共通のものを見つけるのです。
 ここでまた、クリスタル・ケイサンのあの歌がぁぁ~~っ(笑)。
 タイミング、ドンピシャすぎるって(笑)。
 わけもなく、泣けてくるのです。
 つまり、自分の心の中にかつてあって、今は失われてしまったものに対して、泣けてくるのでしょう。

 ここで現在のヒロシが現れ、10年後のヒロシは激痛から逃れるためにその場を立ち去る。 森松の話をそーとー引きずっていた(笑)現在のヒロシは、てっきりリカが男と浮気しているものだと思って、かなり激高しています(笑)。 10年前と10年後の 「ふたりヒロシ」(笑)に板挟みにされたリカは、10年前ヒロシを選択(なんと…)、彼を追いかけていく。

 この判断、まあ分からないでもないです。

 かたや現在のヒロシとは、どんな誤解があろうとも、いくらでも修復できる。
 いっぽうのヒロシは、未来へ帰ってしまえば、彼の誤解は一生解けないかもしれない。
 自分が本当はこんな女なんだ、ということを覚えてもらいたいがために、リカは未来のヒロシを追いかけていった…私はそう解釈しているのですが、どーでしょうか?

 なんか次回予告では、現在のヒロシとは破局してしまったようですが、でもまあ、今起こっていることは、今だからこそ、解決できるものなのです。

当ブログ 「10年先も君に恋して」 に関する他の記事
第1回 んー、どうでしょう
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-1-276e.html
第2回 大切なのは、今の気持ちなんだhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-2-58e5.html
第3回 自分が変わってしまうことへの恐怖http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-3-3dc3.html
第4回 失いたくない、あの時の気持ちをhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-4-b283.html
第5回 いまだけが、未来を変えられるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/10-5-3f42.html
第6回 10年後の自分へhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/10-6-10-0df7.html

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コメント

はじめまして。
現在のヒロシに事情を話さないのは
月刊ドラマによると、不完全なシステムでやって来た40博は30博に存在を知られると、消滅すると書いてあるから(2話)。
3話分のシナリオが掲載されているから、見比べるとおもしろい。

ぽち様
こちらこそはじめまして。 ご指摘、ありがとうございます。

なるほどー、そういう事情があったんですネ!
きちんとドラマを見ていないことが露呈してしまいました(笑)。 最初のうちは、結構見くびってみてたもんですから…。
そこらへんの理由づけはちゃんとしとかないと、ドラマになりませんからね~(笑)。 本文中にも注釈を付けさせていただきます。 ありがとうございました。

 リーンです。ここに出没します。

 実は肝心かもしれない第2話を未見なのですが、最終回を前に見直すことにします。いいんでしょうか。

 私にとって、このドラマは細かい設定上の縛りはあまり気にしないで見ています。いかに上戸さんが、今の人生を大事に生きるか、一度別れた彼とどうよりを戻して未来を作るか、そこが最大の興味です。今の内野さんと建設的な未来が描けるのなら、タイムスリップしてきた内野さんの頭痛が治まって未来に帰れるのではないか。でもその設定なら、劇団ひとりさんとの関係を現在のうちに清算(好意を知っていても気づかないふり?)をしておくことが必要でしょうか。
 
 上戸さんが今の内野さんに未来のことを打ち明けない、それはまったく気がつきませんでした。もしかしたら、最終回に大事な場面として残してあるのではないか。

 相手にいい暮らしをさせたいと思ってしたことが、自分がやりたいことをやめてしまったが故におきてしまう悲劇、好きあっていっしょになっても関係が壊れる危険はいつも潜んでいるということでしょうか。結婚はゴールではない、曲がり角でいつも確認し続けるリスタートの始まりなのかもしれません。

 このドラマの結末は、私にとってはかなり好ましいものが待っていそうです。総合テレビで3話まとめて再放送されましたが、意外といいドラマだと思えます。

リーン様
コメント、ありがとうございます。
ちょっとこれから仕事なので(笑)、帰り次第ご返信さしあげたいと思います。 ではまた。

 リーンです。

 お仕事、頑張ってください。祝日も大変ですね。私も関東にいたときは、23連勤、月に休みは1日だけ、なんて働き方をしていましたが。
 どうぞ、ご自愛ください。

リーン様
お気遣いいただき、恐れ入ります。 23日連続ですかぁぁ~っ(!) …さすがにそこまでは私もないです(笑)。

さて、第2回を未見とのことですが、構わないと思いますよ! どんな見方をされても、それは自由なのですから!

私も細かい設定を気にし出すとドラマに没頭できなくなるので、リーン様と同じようなスタンスで見ておるのですが、「ヒロシに誰も事情を話さない」、というところだけは釈然としなかったので、したり顔で記事に書いて大恥かきました(笑)。 ちゃんと見ていなかった報いです(笑)。

10年後のヒロシといたところを見てそーとー頭に来ていた現在のヒロシ、ですけど、「独占欲が強い」、という部分を図らずも露呈してしまったような気がします。 「10年後のヒロシの声か?」 と思うほど、キッツイ調子で声を荒げてましたよね。
10年後のヒロシに現在のヒロシと同じ部分を見つけたと同時に、リカは現在のヒロシに、10年後のヒロシを見てしまった。

独占欲が強い、ということは、2年後に自分の仕事のためにリカの仕事をあきらめさせる、ヒロシの行動につながっていくような気がします。 どーもこのヒロシの2年後の行動に、今のところ愛が感じられないし、裕福になってりゃ満足だろう、というヒロシの発想も、ステレオタイプに貧しい精神の典型のような感じが、どうもするんですよ。

お互いのことを思いやる…結婚生活ではそのことがいちばん大切なのに、簡単そうに見えていちばん難しい。 思いやっているつもりでも、ヒロシの決断はリカを傷つけている。

これって 「ゲゲゲの女房」 でイカルがイトツに 「好きなことをさせてあげればよかった」 と後悔している構図と、とても近い気がするんですよ。
相手のことを思いやっていても、実はイトツはそれで満足だったのではないか、というような。

結婚生活というのはなかなか大変ですけど、そこで 「お互いのことを思いやるとはどういうことなのか」、という主題を、このドラマは持っている気がします。

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