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2010年10月18日 (月)

「獣医ドリトル」 第1回 ペットの命、どこまで深く踏み込めるのか

 小学館 「ビッグコミック」 連載のマンガをドラマ化した、「獣医ドリトル」。
 構図的には同じくマンガのドラマ化 「JIN-仁-」 、または 「GM~踊れドクター」 に引き続いて医療ドラマづいている日曜劇場、という感覚ですが。

 「ビッグコミック」 も、ここ数年読んでないので最近の詳しいことは分からないのですが、「獣医ドリトル」 というマンガはたまーにしかやらない連載もので、ひどい時は半年以上も音沙汰なし、みたいなケースもあったかなあ。 もう自然消滅したのか?と思うと忘れたころに、まるでほかの連載ものが休載になった時の穴埋めみたいな感覚で掲載されていました。

 そんなデスパレートな(がけっぷちの)マンガまでドラマ化とは、よほどテレビ局もネタに困っとるのか…というのが、この話を最初に知ったときの感想でした。

 確かにストーリー自体は、「ビッグコミック」 という超一流どころのマンガ家サンを集めたマンガ誌に載るだけあって、どうでもいいような作品ではありません。
 しかし、いかんせん話に奥行きがないんですよ。

 つまりこのマンガは、口は悪いし高額な報酬を要求する、しかし腕は超一流、といういわば手塚治虫氏の 「ブラック・ジャック」 の獣医版というテンプレートを介して、「ペットと飼い主」 の問題をえぐり出そうという意図のもとに作られているのですが、何しろ話がそれ以上の深遠な部分を描き出せない。

 ペットのことを論じる際にいちばん問題にされるのは、 「身勝手な飼い主」 たちの存在です。 「獣医ドリトル」 のマンガでは、いろんなケースを例に出して、飼い主だけでなく人間全体の身勝手を痛烈に批判している。 けれども話が、そこどまりにならざるを得ないのです。 ドラマでこのマンガをやるのもいいのですが、たとえば10回程度の番組でこのことを手を変え品を変えやっていても、すぐにワンパターンに陥ってしまうのではないか?という危惧が、どうしてもついて回ってしまう。

 第1回目を見ていて気付いたのは、ドリトル(小栗旬クン)の恩師である石坂浩二サンと、全国展開で大きな動物病院の院長をしている國村準サンを、かつての教授仲間として対立構図を鮮明な設定にしているところ。 ここらへんから原作にはない深遠な話に踏み込めるのかもしれない、そんな予感がします。

 まあ私の危惧なんか大した話ではないのですが、第1回目を見る限りでは、この物語のいちばんの柱である 「飼い主としての覚悟があるのか」 という話をメインに、引きこもりの小学生(「JIN-仁-」 で 「おっかさんが死んじまう!」 ってやってた子ですよね)、そしてその子の父親で頭の固い会社社長の西村雅彦サン、そしてその父親の継母である紺野まひるサン、そしてその父親から依頼を受けドリトルに訴訟を吹っかけてくる弁護士の若村麻由美サンが複雑な人間模様を描きながらドラマをより高いエンターテイメントに昇華させていました。 この分なら安心して見ていられるかな。

 そしてドリトルの助手としてこの医院で働くことになる、井上真央チャン。 このコの演技力は、さすがに安定感があります。 来年のNHK朝ドラも、いまから期待度大、です。
 原作では結構キャピキャピしたキャラなのですが、彼女が演じるとちっともマンガの登場人物に見えない。 きちんと血の通った生身の女の子、という感じなのです。

 成宮寛貴クン演じるタレント獣医花菱も、原作ではそーとー頼りない人気だけの男なのですが、いまのところボロは見せていないようです(笑)。 國村準サンの息子役が、こないだまで 「仮面ライダーW」 でフィリップをやってた子ですよね。 私はフィリップ君より翔太郎をやってた男の子のほうが演技力があると思っていたので、フィリップ君の抜擢には少々驚いております。

 そして、主役のドリトルを演じる、小栗旬クン。

 ワタシ的には、ほぼ原作のイメージ通り、という感じです。 ただ原作よりも、かなり輪をかけて辛辣になっている。 見た目も態度も悪人の匂いをプンプンさせておりますが(笑)、本当に動物のことを考えている点において、ちっとも悪人ではないことは見ている側にとってかなり明白なのです、最初っから。 だからこれくらい辛辣にしたほうがバランスが取れていいのかもしれません。 彼の演技も、安定感がありますよね。

 「JIN-仁-」 ほどのインパクトには欠ける気もしますが、ペットの心の叫びを聞きながら、身勝手でファッキューな人間どもの心の闇を、一刀両断にしていってほしいものであります。

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コメント

以前通りがかりで、ちょこっしコメントさせていただきました。みりと申します。以後よろしくです。
パーフェクトVSドリトルで
始まる前はパーフェクト期待大でしたが、
この季節代わりの番線やらナンやらで我が家もW録画の上、先に見たのはドリトル。パーフェクト未視聴の状態です。
フジの報道系ドラマは内輪話で終わりそうな気がして。。。だんだん尻すぼみ状態です。

ドリトルは見る前からちょっと逃げていたのです。
動物嫌い(世間では人非人と言われてしまう思想)なもんで。。。
役者で持ってる感は否めませんね。
脚本はつっこみが足りない。
ドリトルも動物好きで結局はいい人みたいですし。(リウさんの言葉で言うなら本当の動物の味方)
やっぱりみんな「人非人」にはなりたくないもんな。

投稿: みり | 2010年10月19日 (火) 12時45分

みり様
コメント、ありがとうございます。 こちらこそ、つまらないブログですが、よろしくお願いいたします。

動物嫌いのかたにとっては、「ペットが死んでしまう!」 という飼い主たちに、感情移入しにくいことでしょうネcoldsweats01

以前仕事先の宿舎にいたとき、捨て犬捨て猫の託児所みたいになっておりまして(笑)、そのあまりの多さに辟易しながらも、保健所に委託して連れて行ってもらうこともいくたびか。

その都度胸が引き裂かれる思いがしたものです。 特に人間に慣れている犬や猫がトラックで連れて行かれる時の悲しい表情は、いまだに思い出すだけでも、涙が出てくる。

だからこそペットを捨ててしまう飼い主たちには、事情があろうがなんだろうが許せない気持ちがかなり強い私です。 生態系を破壊するようなペットならなおさらです。

みり様も、そんな義憤からこのドラマをご覧になったらよろしいのではないかと、誠に僭越ながらご提案させていただきますhappy01

投稿: リウ | 2010年10月19日 (火) 14時16分

 井上真央さんは両性具有な存在に見えます。

 学ランを着て、学帽をかぶる。

 似合うと思うのですが。どこか少年の香りがする顔に見えます。目は口ほどにものを言うとかいいますが、手術服を身につけ口元が隠れた姿でも、目の前の出来事を驚きと緊張を眼差しだけで表現できる。知性も感じられ、言葉の表現も実在感がある。

「あっ、いえ、私はここで馬を治療してもらっている者です」

 何気ない、あっ、をつける言い回し、織田裕二さんを想起します。もし、夜の世界にいたら、ムフフ、なんて不謹慎なことをふと思ってしまいました。どんなことを話すのでしょうね。

 そんな井上演じる多島あすかが何気なく話す呼び名、どこか棘がささった気分になるのです。上手なだけに気になる。


 〔日曜劇場、第2話以降視聴率ダウンをしないために!?〕


 このドラマの録画を見たのは、月曜の21時前後でした。その日の昼に農作業をしながらの合間に携帯をみると、初回の視聴率が16.0%だったことを知りました。

 原作のイメージに左右されない、獣医医療の問題を提起したまずまずの出来といえる。俳優陣はいい演技をしている。

 ドラマを見る前から、こんな書き出しでコメントしようか、と考えていました。
 私も、数回、原作を読んだことがあります。マーモセットの治療で、ドリトルが細いメスを見せて手術の難しさを語るくだりは記憶にあります。もしかしたら、第1話だけで、原作のエピソードをいくつか組み合わせたのでしょうか。ストーリーの運びに無理を感じられないつくりではないでしょうか。リウ様が指摘された石坂浩二さんと國村隼さんの大学病院人事から発展した複雑な人間模様、そこに國村さんの息子が影を落としそうな展開を予想させるシーンの落としこみ、人間関係の複雑さがドラマを深くしてくれそうです。

 でも、視聴していくうちに膨らむある思考を覚えました。

 よくわからない違和感。

ストーリーの運びがいいといっておきながら、実はそれが違うと感じる天邪鬼さ加減、なぜだろう。さっきの文章ではコメントを書けない気がする。
 で、視聴した後リウ様のコメントを拝見しますと、こんな一文がありました。

 10回程度の番組でこのことを手を変え品を変えやっても、すぐにワンパターンに陥ってしまうのではないか?

 これが違和感の正体かな、と正解を見つけた気分になりました。
 今回のドラマは『花より男子』の製作チームに『華麗なる一族』の脚本家、橋本裕志氏が加わったもので、おそらく東京放送では最強の製作陣かもしれない。でも、失礼を承知でいえば、前に作ったドラマの二番煎じ、同じ方法論でつくった安心感はあるが、それ以上の何かを生み出せていない気がする。
 最後に矢が刺さったカモをドリトルが抱き上げるシーン、池に浮かぶカモを見ながら『華麗なる一族』の“ショーグン”を思い出しました。あれはぎこちなかった。その、橋本さんがあの大作の脚本に起用されたのは、漫画でつちかった長大な原作の重要シーンを無理なくまとめる構成力にある、と何かで(日経エンタテイメントかも)読んだ記憶があります。花男チームも、漫画の原作からエッセンスを引き出してドラマをヒットさせ
た。
 でも、そこから、俳優陣の肉付け以外に原作を超えるものを付け加えた、と思えるものは見つけられなかった。リウ様がいう、

 「ペットと飼い主」の問題をえぐりだす、という意図のもとに作られているのですが、何しろ話がそれ以上の深遠な部分を描き出せない

 これが当たっているのではないか。原作の力に頼っているあまりそれ以上のドラマとしての深みがない。  

 あすかは物語の最後まで

 アスカミライ、がんばって
 アスカミライ、ごめんね。

 ずっと、フルネームで家族の思いをかけた愛馬を呼び続けました。アスカ、アスカちゃん、ミライ、アーちゃん、アスミ、とか、気持ちをこめた存在には親しげな略した呼び方で愛情表現しないのかな。井上さんが達者なだけにどうしてもここだけ、非人間らしさがでた台詞のようで気になって仕方がないです。
 このサラブレッドの話は原作を読んだ記憶がありません。そこでは、どう呼んでいたのでしょうか。だれか教えてくれませんか。でも、アスカミライ、とそのままのようなきがするのです。重箱の隅をつついているのは、承知しているのですが、どこか人間味を加える部分で小さじいっぱい調味料が足りない、そんな気がします。

 人間味はもちろん、製作者の独自解釈が、原作とは違う価値観をちりばめることがどれだけ出来るのか。それがないと、結局ワンパターンで原作の使いまわしで終わってしまう。いまのところ、俳優の演技力で持っている気がしますが、視聴率が上がるような(数字を気にする私もよくない)作り手の気概と独自解釈がないようです。『新参者』も中だるみ傾向でした。このドラマもその危険がありそうな気が。東京放送は、安全な方法でドラマをつくっているとしたらかえって身を滅ぼす気がします。

 まだ、書きたいことがありますが、だらだら書いてしまったのでここまでにします。

 

 

 
 

投稿: リーン | 2010年10月19日 (火) 22時23分

リーンさま

自分も「アスカミライ」気になりました。
競馬馬の名前って芸名みたいなものなのでは?
本来の名前があるような・・・・それとも競馬馬になってから買ったのかな?

ドリトルさんが勝手に馬を移して結果オーライみたいな結末でしたが、あんなに簡単に右から左でいいのかな。
なんてね。

でも、鳥取動物病院の造りいいですね。木造校舎みたいで。

投稿: みり | 2010年10月20日 (水) 01時36分

リーン様、みり様
コメント、ありがとうございます。 ワンセットなコメントのように思えましたので、失礼ながらおふたかた同時にコメント返信させていただきます。

リーン様がお感じになった違和感というのは、私が推測するのも僭越ですが、ドラマ全体に予定調和の傾向が強いのも一因ではないでしょうか。

つまり、引きこもりの小学生とその父親、そしてその継母、彼らの描写が結構お約束じみていて、先が読めてしまうことによるもの。

これは 「新参者」 を見ていても感じたのですが、なんか最初から、「そうなることは分かり切っていた」 みたいに、話が展開していくんですよ。 つまり、猫の意識がなかなか戻らなくても、ダイジョーブ!(笑)、絶対意識戻るから!(笑)、みたいなところがどうしても見え透いてしまう(ドラマ好きの弊害のひとつだ…笑)。

「アスカミライ」 に関しては、自分の名前も 「あすか」 ですから、なかなか省略して呼ぶのも難しいかと…(笑)。 私もいちいちフルネーム呼びするのは、引っかかりましたけど(笑)。

自分の父親がたぶん娘の名前を冠にしてつけたのでしょうから、設定上重要な名前だったとは感じるのですが、井上真央チャンの演技達者な流暢さで言われるから、余計に気になるのかもしれません。
自分の名前がついた馬が、もしいたとして、その馬のことを、たとえば 「リウセイゴウ」 応答せよ…じゃなかった(笑)「リウセイゴウ頑張れ」 などというのは、実に照れくささが混じると思うんですが、真央チャンの演技はそつがなさ過ぎて、却ってそのテレが感じられなかったりする(笑)。

「華麗なる一族」 のショーグン様には私も失笑してしまったクチですが(笑)、今回の矢ガモは違和感なかったですね。 橋本裕志氏は、同じ名字なので応援しています(笑)。 ただ、結構話を詰め込むタイプの人だなあと感じているので、どこまでとっ散らからないか、注目してはおります。

リーン様もビッグコミックの読者であられたんですねー。 私は大学時代あたりからずーっと読んでいたのですが、ここ数年はなんか一冊読むのにやたら眠くなることが多くて(単に自分の仕事が忙しくなったというだけなのかもしれないですが…笑)全部読み切らないうちに次号が発売されることが多くなり、結局20年以上の読者をやめてしまいました。 読者投稿欄にも、載ったことがあるんですよ! あれは 「カムイ伝」 と 「土佐の一本釣り」 だったかなあ…懐かしい! ただし 「土佐の一本釣り」 はちょっと批判的な内容だったので、作者の青柳氏が亡くなってしまった時には、「悪かったことをしたなあ…」 という気持ちが、いまだに残っておるのです。

みり様、確かに病院の作りはいいですネ! どことなく懐かしい、現実離れした空間を演出していますよね!

投稿: リウ | 2010年10月20日 (水) 11時33分

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