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2010年10月26日 (火)

「流れ星」 第2回 なんか、あっという間でした~

 この月9は、傑作ですなあ。

 クレジットが出たとき、「え?もう終わり?」 と思ってしまいました。
 物語に引きずり込まれていたんだと思います。

 このドラマの秀逸なところは、登場人物たちの心の動きが、実に丁寧に描写されているところに尽きる、そう感じます。
 妹(北乃きいチャン)のドナーにするために上戸彩チャンに契約結婚を迫った竹野内豊サン。 その申し出が荒唐無稽なことを、「時間がないんだよ!」 と母親の原田美枝子サンに声を荒げることで、彼の苛立ちからじゅうぶん分かった上での決断から、すべてを表現してしまう。
 そしてそれを聞いた戸惑い、でも同時にどんな手段でもすがりたい、という原田美枝子サンの様子も、これ以上やったらくどくなってしまう、というぎりぎりのところまで表現されている。

 そしていきなり数回会っただけの男から 「結婚しよう」 と言われた、当の上戸彩チャンの表現。

 自分が精神的に健常状態であれば、「はぁ? 何言ってんのこのオッサン」 でドン引きして済ませてしまうところでしょうが、彼女は今の今まで、自殺しようとしていた人間なのです。 一応健常者並みの反応も示すのですが、それはほとんど条件反射的なものに過ぎない。 死ぬつもりだったんだから肝臓移植なんかどーでもいーや、しかも借金チョー消しなんて、超ラッキー、という投げやり感が、全身から湧き出ている。 彼女は竹野内サンの申し出を、受け入れるのです。 普通ではありえないことですが、自殺未遂直後なのですから、そこに奇妙なリアリティが生まれてくる。

 なんともこれらの心の動きが、微妙な部分まで行き届いていて、うならせるばかりなのです。

 しかもですよ。
 竹野内サンの妹北乃きいチャンの動向も、とても興味の引く話を紡ぎ出している。

 きいチャンは自分と同じ病棟にいる落語好きでお調子者のリョウタクン(桐山照史クン)に、「なにコイツ?」 と反応しながら、次第に惹かれていくのですが、こういう話はオジサンは、嫌いではないのです(笑)。
 きいチャンはいっぽうで主治医の松田翔太クンに惹かれているのですが、それは単なるあこがれの粋から出ていないことが、きいチャンの様子からすごくよく分かる。
 いいよなあ、こういう構図(笑)。 きいチャン、「八日目の蝉」 ではちっともかわいく見えなかったのに、このドラマではとてもかわいく見えるんですよ。

 リョウタクンにそそのかされてきいチャンはリョウタクンに気がある友達のミズキチャンと一緒に病院を脱出、寄席へ行くのですが、このときの松田翔太クンの反応が、「リョウタのほうが心配だ」 とさりげないところがまたいい。
 案の定寄席でリョウタクンの病状は悪化し、ここに頼もしくも駆け付けた松田翔太クンの機転で事なきを得るのですが、ここでおちゃらけ者のリョウタクンの病状が思いのほか深刻なことが分かって、自分の思慮の浅さ、子供っぽさを自覚するきいチャンの反応が、またまたいいんですよ。
 そして目いっぱい明るくふるまいながら、本当は命のやり取りをしていた、リョウタクンの健気さが、見ている側の涙腺を刺激するのです。 泣くところではないような気がいたしますが、私はこのリョウタクンの気持ちを考えたときに、なんか泣けてしまいました。

 そして前回、「別れたんだよなあ?」 と私が疑念に思っていた竹野内サンと板谷由夏サンとの仲も、杉本哲太サンが仲直りのためにと開いてくれた食事の席で(これも粋な計らいで好感度高し)きっちりと清算してくれて、こちらもスッキリ。

 そして今回のメインはやはり、契約結婚したはいいけど雲隠れしてしまった、上戸彩チャンの動向でしょう。

 竹野内サンの財布から何万か抜き取って 「当面の生活費」 などと言って立ち去ったまま行方が分からなくなった彩チャン。
 そんな場合竹野内サンの心情を考えると、「もしかしていいように利用されてしまったのではないか」「彼女にドナーになる気がなくなったのではないか」 というところだろうと思うのです。
 ここらへんの竹野内サンの微妙な心の動きも、またまた的確に表現されていました。 あまりにも、丁寧過ぎる。

 彼女の勤め先を突き止め、そこで張り込みして、彼女のアパートまで突き止める竹野内サン。 出てきたのは、傷だらけのローラ、じゃなかった、稲垣ゴローチャン。

 このゴローチャン、妹の勤めるイメクラまで出向いて彼女の反撃に遭い、用心棒たちにメッタメタのグッチャングッチャンのシッチャカメッチャカにされたのでした。 それを陰で見ていた彩チャン、「いい気味」 と思いながらもどこかで気の毒に思う気持ちも表現されていて、これまた絶妙な表現(感心しまくってます)。

 それにしてもゴローチャン、自分の妹に対して後ろから抱きついたり、ちょっとなれなれしすぎませんかね?(笑)
 私にも妹がおりますが、そんなことをしたらドン引きどころか、兄妹の縁まで切られそうであります(笑)。
 なんかこのふたりには、あにいもうと以外のモノが隠されているような気がしてならないんですよ。

 で、竹野内サンとゴローチャンが出会ったその場に帰ってきた彩チャン、竹野内サンをその場からゴーインに連れ出して、「こんなことやめてくれる?」 と、取り付く島もない。
 ますます不安になる竹野内サン、彼女との契約結婚をあきらめ、遺体からの移植などほかの方法を模索するのですが、いきなり彩チャンが再び現れ、婚姻届にサインしろ、と迫るのです。 ゴローチャンの事を問い質す竹野内サン。

 「うだうだ言ってねえでさっさとサインしろよ!」

 ペンを竹野内サンに差し出す、彩チャン。

 「…いいのか、本当に」

 「…いまさら何言ってんの?

 いまさら 『いいのか』 なんて訊くなよ!

 じゃ何で助けんだよ?

 …もう戻れないんだ。

 あたしにはアンタしかいねえんだよ!」

 ゴローチャンが眠る自分の部屋を出てきた彩チャン、自らの覚悟が固まるのを、ずっと待っていたがゆえに、竹野内サンの前から姿を消していたのです。

 うーん、うなりますね、こうやって出番を必要最小限にとどめることで、彩チャンの気持ち、覚悟を表現するなんて。

 なんかこう、人に話したくなるドラマってありますけど、このドラマはまさしくそれ。 子供だましに陥っていないところがいいんだなあ。 「流れ星」 っていうタイトルを見たときに、このドラマはいいんじゃないか、と思った私のカンが、当たりました。

当ブログ 「流れ星」 に関する他の記事
第1回 ダウナーな感覚あふれるフジの月9
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/1-9-cab7.html
第2回 なんか、あっという間でした~ http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/2-2223.html
第3回 一瞬で消えてゆく星、その星への祈りhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/3-f0b3.html
第4回 消えない流れ星http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/4-6d12.html
第5回 生きていてほしいからhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/5-8444.html
第6回 託したい思いhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/6-3966.html
第7回 分かってる、その気持ちはhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/7-9175.html
第8回 思いがはじける瞬間http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/8-2edd.html
第9回 グラス・タワーの緊張感http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/9-ce60.html
第9回 健吾の決断について、補足ですhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/9-cad6.html
第10回(最終回) やさしさが帰る場所http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/10-6223.html

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

あばずれ(笑)なのにゴローちゃんに対する態度は何故かイマイチ撥ね付け方が弱い。ボクもこの兄妹には何かあると思ってます。(ゴローちゃんがボコボコにされた後もすんなり立ち去ってなかったし)彩ちゃんも竹ノ内さんにちゃんと事情を言っておけばいいのに・・・この後彩ちゃんの移植に因縁をつけて、ゴローちゃんが金をせびるのが目に見える。リョウタクンの件は「私の中のあなた」にちょっと似てるけど、泣かされそうですな〜(笑) 竹ノ内さんの家に泊まった彩ちゃんは、きっと初めて居心地のいい場所に出会ったんじゃないでしょうか。ゆっくり安心して眠って、起きたらお母さんのおいしい食事が出てくる・・・コレで決心したんじゃないかと。しかし原田さん、移植なんて家族だって出来るかどうか、判んないっすよ。ちなみにボクももうちょっとがっちりした生足が好きです(笑)

リウ様

よかったです〜^^私も第2話、ぐいっと引き込まれてしまいました。

竹野内君を第1話で久しぶりにみてちょっと老けたかも。。彩ちゃんと年齢差ありすぎかもと心配してましたが、今回みてクリアーです(^o^;「With Love」の時は超ハマってました!

それぞれが『切ない心』をそれぞれの胸に抱いて。。どのように物語を紡いでいくのか。。私も期待大です!

劇中のクラゲが青い水槽の中にはかなげに浮かぶシーンがなんだかもの哀しげで、癒されるようで、幻想的で、梨沙が健吾の部屋のクラゲにも心ひかれたのかもしれないと。。そんな気がしました。

流れ星、良かったです。

ゴロちゃんと鉢合わせした竹野内君をかばうような
「しつこいんだよ。」といって追い払う彩ちゃんにぐっと来ました。

しかし、冒頭の5分。
うわっっ、マジかよこれ、人身売買そのものじゃん。
と製作者にガンガン苦情電話がかかりそうなやりとり。
この甘くない設定がよいですね。
その上、さらに成功報酬100万上積み。
彩ちゃん(みるくさん)の立場で、終わったらこれっきりだぜという覚悟も感じられて良いです。

彩-ゴロー兄弟も曰わくありげだけれど、
マリア-健吾兄弟も何かありそうだし
タイトルからして必ず命落としそうな人も出そうだし。
今後の展開が大いに楽しみですね。

アールグレイ様
コメント、ありがとうございます。

ゴローチャンは、完全なる嫌われ者キャラなんですが(笑)、なんか悲しいものを秘めているような感じで、憎めない。 ここらへんの描き方が、また微妙でいいんですよね。

リョウタクンはアールグレイ様のおっしゃる通り、難病もののドラマでは結構あるパターン(笑)。 でもこういうドラマのなかでやられると却って意外な感じで、そんなリョウタクンに恋してしまうきいチャンが、また切なかったりしてくるのです。

竹野内サンの自宅に泊ったクリオネチャン(笑)、タオルでフーセン作ってましたよねー(笑)。 ああいうちょっとした見せ方が、実にうまい。 それに、原田美枝子サンの前で食事をする彩チャンの食事作法も、肘をついて箸で食べ物をぶっさして、育ちの悪さをそれですべて語ってしまう。

うー、こうして振り返ると、なんだか細かいところにまで行き届き過ぎていて、恐ろしくなってきた…。

あ、それと、やっぱり女の子は、痩せてるよりかは肉が多少あったほうが、よろしいですよね!

ペコ様
コメント、ありがとうございます。

竹野内クンは実に真面目でストイックな感じで、昔から結構好きなタイプの役者さんです。 ただ私が見たいドラマに、なかなかお出にならなくて…。

「人間の証明」 は、シビレまくりましたよー。 竹野内サンのああいうのがもっと見たいんですが。 NHKの土曜ドラマなんか、そんな感じのドラマが多いですから、すっごくハマるような気がして、ならないのです。

ふわふわひらひら漂って、流れが止まれば死んでしまう…クラゲって、このドラマの主人公たちを象徴しているようで、ここにも共感してしまう。

そんなこんなで、登場人物すべてに感情移入してしまうんですよね!

みり様
コメント、ありがとうございます。 スイマセン、みり様への返信だけ時間差になってしまって。 睡魔に襲われて力尽きてしまったものですから…。 なにとぞお気を悪くなさらないでくださいまし。

確かに竹野内サンの動機は臓器売買的な感覚で、純粋さを著しく欠いておりますネ(笑)。 こんなビジネスライクな 「結婚しよう」 が、この先どんなふうに本気モードに突入していくかが、やっぱり興味の中心ですよね。 彩チャンがそのとき、「契約終了、はいサヨ~ナラ~」 という気持ちから、「やっぱり愛している」 というふうになっていくことを願っているのです。

でも打算的な契約結婚には、それなりにリスクがつきものな気がします。 その障害に竹野内サンがどれだけ耐えきれるか? そこにも注目してまいりたいですね!

はじめまして!

自分もこのドラマに引き込まれています!!!
最近のドラマにありがちな臨場感を意識しすぎるカメラワークや、過剰な説明の多い台詞回し等々もなく、じっくりと向き合える作品だと思います。

その分、俳優の技量や演出の引き算がものを言い、主演の竹野内豊は見事にストーリーに連れて行ってくれます。

二話で感動したのは冒頭竹野内豊が自殺を助けた上戸彩にプロポーズの意図を話すシーン。
冷静さを欠いて多少パニックになっている様子が“身内の必死さ”をよく表しているなあと。
あと、連れ帰った上戸彩を原田美枝子に説明するシーンも、必要最小限の台詞と強弱で必死さが伝わってきました。
また、上戸彩が原田美枝子の作った朝食を食べる際の箸の持ち方にも演出が光りましたよね。

私もリウさんと同感です。
竹野内豊さんはもっとも好きな俳優さんの一人です。
「人間の証明」いいですよね!!!
NHKの土曜ドラマは素晴しい着眼です!!

超大阪人様
こちらこそ、はじめまして! コメント、ありがとうございます。

「臨場感を意識しすぎるカメラワーク」 とか、「龍馬伝」 のことかな…?(笑) 確かに 「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」 みたいに(そこまでではないか…笑)動き回るカメラワークが、最近多いような気がします。 あれって下手すると、酔っ払いますよネ(笑)。

超大阪人様のおっしゃる通り、このドラマには役者さんたちの咀嚼能力が大きくモノを言っている部分があると感じます。 人間の心理に対する深い洞察力がなければ、きちんと演じきることが難しい側面がありますね。

その点で竹野内サンは、かなりキテます! 脚本が共同執筆で、伴一彦サンの監修がついている、というのも大きい気がいたします。

おお!

伴一彦サンといえば、「サイコドクター」の脚本家の方ですか!

あのドラマも好きでした~^^

「流れ星」今後の展開も楽しみですね。
登場人物の一層の感情の機微・息づかいが伝わってくるでしょうね。

一点気にかかるのが、タイトルバックが少々陳腐かと・・・。

超大阪人様
再コメント、ありがとうございます。

伴一彦サンと言えば、私どもの世代ではなんと言っても 「パパはニュースキャスター」 です(笑)。 って今ウィキで調べましたら、なんとこのドラマ、もう23年も前になってしまうんですねえ…。 田村正和サンも浅野温子サンも、あの頃は若かった…。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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