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2010年10月 9日 (土)

「てっぱん」 第2週 相変わらず、ゴーインな脚本ですが

 挙げればきりのないくらい、ゴーインさが目立つ今回の朝ドラ、「てっぱん」。
 ただしそのゴーインさから、作り手が何を伝えようとしているのかは、きちんと見える気がします。

 それでも、登場人物たちの心の動きというものが、毎日15分のサイクルのなかではきちんと収束しきれていないきらいがある。 前回の当ブログの記事でも書きましたが、一週間通して見ると分かってくるものも、15分のブツ切りでは理解不能になるパターンが、結構多いのです。

 と同時に、このドラマにも、いろんな伏線が紛れ込んでいるケースが多い。
 真剣に見ていないと、作者からのサインを見落としてしまう場合がある、ということです。
 これって朝ドラにとっては、かなり視聴者層をふるいに落とす作業なのですが、前作 「ゲゲゲの女房」 位の傑作になると皆さん真剣に見てくれるので、そこらへんの杞憂がない。 この 「てっぱん」 というドラマは視聴者をドラマに真剣に立ち向かわせるだけの、説得力に欠けています。 その説得力に直結しているのが、話の運びが自然であるかゴーインであるか、ということなのです。

 真剣に見ていないと、理解不能な部分が多くなってくるものです。
 このドラマ、登場人物たちの心の動きが微妙に揺れ動いたりするもんですから、ちょっと目を離すと、あかり(瀧本美織チャン)はなぜこんなに突然ブチ切れるのだろう?とかなぜいきなり就職活動をし出すのだろう?とか、あかりのお母さん(安田成美サン)はなぜいきなり大阪のべっちゃあ(富司純子サン)のところに行ってしまうのだろう?とか、あかりのお父さん(遠藤憲一サン)がなぜ進水式で 「瀬戸の花嫁」 を歌い出すのだろう?とか、まったく分からなくなる(笑)。

 あかりの行動で首をかしげたくなる部分は、確かにあります。 でもそれは、若さゆえの直情型な傾向のなせる技、という説明ができるのです。

 ただ大変失礼ながら、役作りの上で役をちゃんと把握していないように見えるのは、安田成美サン。 名指しで誠に申し訳ない。
 このあかりのお母さん、大阪のべっちゃあのところに行ったことをひたすら隠すのですが、ブチ切れるあかりに逆切れして 「恩返しなんて言葉二度と言うな」 とか厳しく叱りつける。 ところが 「恩返し」 なんてあかりは一言も言っていない。
 そのことから、自分が大阪に行ったことがばれてしまうのですが、ここって笑わせどころであると同時に、このお母さんが結構マヌケな側面も持っていることを表わしている気がするんですよ。 だけどその効果があまり感じられない。

 安田サンの演技からは、子供を育てよう、という意志がとても強固なしっかり者の母親、というキャラクターが見えてくるのですが、それゆえにこのマヌケな側面が、かなりトートツに見える。 「こういうドジもやらかす女性なのだ」、という認識で彼女が全体の演技をしていないことが、ここで分かってしまう。

 つまり、真剣すぎるんですよ、安田サンの演技が。
 もっとマヌケな部分も醸し出していかないと、誰にも言わずにいきなり大阪に行ってしまったことも理解不能に思えるし、「自分の子供だから大丈夫」 という根拠のない確信を持っていることも理解不能だし、あかりを育てようとした理由が、半ばどーでもいい理由だったのに、「それで充分じゃないの」 と言い切ってしまうことも、理解不能に思えてくる。
 スンゲー不遜な話をしてしまって、重ね重ね申し訳ないです。 これは演出家と役者との意思の疎通不足によるものも大きいような気は、するんですけどね。

 でも、ですよ。

 その真剣さがあればこそ、あかりが家族のひとりひとりに対して感じている 「家族の有難味」 が、逆に説得力を持って来る側面は、あるんですよ。

 今週の 「てっぱん」 で相変わらずのゴーインな話の持っていき方のなかで浮き彫りにされていたのは、やはりこの、家族の愛情。 あかりが感じていた、「お父さんの匂い、お母さんの匂い」。 これってかなり涙腺を刺激するファクターなのです(笑)。

 あかりの18歳の誕生日のお祝いの日に、気まずい話の連続になってしまった挙句、結局誤解も解けて涙の ローソク消しとなる。 「祝いの席で気まずい」、という構図の作り方も、こちらを泣かせる要素が満載されています。

 そしてあかりが大阪に旅立つ日。 進水式のスピーチで遠藤憲一サンがグダグダになってしまう、というのも、やはり泣かせる。

 リアリティにこだわってしまえば見ていられない部分もありますが、2週続けて泣かされた、という作り手の力量は、素直に認めなくてはならない、そう考えるのです。

「てっぱん」 に関する当ブログのほかの記事
第1回 名作の後番組は、ハードルきついですよね
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/09/1-8eb5.html
第1週 どこまで、ついていけますかね?http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/1-c996.html

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