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2010年10月23日 (土)

「龍馬伝」 第42回 なにもないところから築き上げる、ということ

 お待たせいたしました(笑)、「龍馬伝」 の最新レビューであります。
 しかしまあ、やはりブログの記事というものは、新鮮さが命のような気が、今回は特に強くいたします。 何をいまさら、という感じですもんね(笑)。 書く側のテンションも、いつもと比べればかなり低いです。

 高杉の遺志をついで、意気揚々と船出をしたばかりのいろは丸が、いきなり紀州藩籍の大型船と衝突、沈没。 今回の 「龍馬伝」 は、その損害賠償交渉に大きなイニシアチブをとる龍馬(福山雅治サン)の秘策に注目なのです。

 今回の話で強調されていたように思うのは、蒸気船どうしの衝突事故が、過去に例のない話であった、ということ。
 それが本当かどうかは不勉強で知りませんが、龍馬が持ち出した 「萬國公法」 による 「損害賠償」 という概念自体は、おそらく日本では初めてだったのではないでしょうか。

 それまでの藩どうしのトラブルに関しては、紀州藩の持ち出したように、立場の強い側の一方的な状況確定によるものが大きかった。 それで決着がつかなければ、お上に裁定を仰ぐ、ということでしょうか。

 龍馬は過去に例を見ないこのトラブルの解決策を、従来の慣習通りになあなあで済ませることを、よしとしなかった。 この龍馬の思考回路が、ひと回りもふた回りもスケールが大きくなりつつあるこの人物の底知れなさを、じゅうぶんに描き尽くしているように思えてならないのです。

 幕府に裁定をゆだねよう、という紀州藩の奥の手に龍馬が反発しているのは、紀州藩が天下の徳川御三家だからどうしても紀州藩に有利に裁定が下ってしまう、ということが主な原因ですが、泣く子も黙る御三家に楯突こう、という龍馬の意向は、長州征伐に失敗して権威が失墜しつつある幕府の屋台骨をさらに揺るがそう、とする側面も垣間見える。

 従来の慣例通りに行けば紀州藩が捻出した見舞金千両と宿泊代で事が収まってしまうかに思えるのですが、見舞金を先方から出してくる、という行動それ自体に、紀州藩の弱みが隠されている、私はそう思うのです。
 龍馬がそんな紀州藩の弱みを見逃すはずはありません。

 「おそらくこれは、日本で最初の、蒸気船同士の衝突ですろう。

 蒸気船はこれからどんどん増えていきますきに、同じような事故が起こるがです。
 その時は、必ず最初の事故が引き合いに出されるがです。
 土佐は、紀州に泣き寝入りをしたと。

 船の事故は、たとえ相手にどればあ非があろうと、力の弱い者が引き下がる。
 土佐がそう思われても、えいですろうか後藤様」

 龍馬は紀州藩との談判に後藤象二郎(青木崇高サン)の後ろ盾を得るべく、土佐藩のプライドに訴えかける方法をとるのです。 龍馬はその後、土佐藩を幕府への対立軸にしようとする意図も、説明しています。

 「土佐藩は、日本を変える要になると覚悟を決めたがですろう。 たかが紀州一藩に怯んじゅうようでは、幕府を倒すらあ、到底できんがじゃ。

 後藤様。

 これは単なる事故の談判ではありませんき。

 いろは丸と明光丸の衝突は、
 …土佐と幕府の衝突じゃ。

 この談判の行方を、長州、薩摩、それだけではのうて、諸藩が息を潜めて見つめゆう。
 わしが勝てば、『あっぱれ土佐』 と諸藩から喝采を受け、流れは一気に変わるがじゃ」

 この談判は、先にも指摘したように、これまでの日本の常識を覆した、過去に例のないものなのです。

 なにも例のないところから、龍馬は一体、このことをどうやって収拾しようとしたのでしょうか。 荒野にひとり取り残された龍馬が、私には見える気がしました。 自分だったら、とっくに途方に暮れているはずです。 いつもの慣習通りに、お愛想笑いをしながらシャンシャン、で済ませてしまうはずです。

 龍馬はまず後藤の後ろ盾を確保し、まず外堀から、けんもほろろの紀州藩が交渉の席につくように仕向けていく。
 つまり龍馬は、紀州藩を揶揄する歌を流行らせるのです。
 これは結構チマチマした作戦のように思えるのですが(笑)、世の中のエイトスをまず味方に付ける、という、「ドラゴンボール」 の 「元気玉」 の発想なんですな(笑)。

 こういう、徒手空拳のような作戦は、却って図に当たるものです。
 中尾彬サンというコワモテの親分を擁立して(笑)、紀州藩は海援隊に、再びの談判を持ちかけるのです。

 中尾サンは予想されたように、最終的にはお上の裁定にゆだねる、という奥の手を使ってくるのですが、ここで龍馬が持ち出したのは、「萬國公法」。

 つまり龍馬は裁定基準を、日本という枠をとっくに通り越して、世界全体のルールにのっとったレベルで論じようとしているのです。

 これは反論の余地が中尾サンにもじゅうぶんあるように思われます。 いくら鎖国を解いたからとはいえ、それまでに250年もこの国は、「日本は日本、世界は世界」 という論理で世の中が回っていたのです。 「そんなのカンケーねえっ!」 と言ってしまえば済むようにも思える。
 要するにこれは、日本の常識から外れた、若い世代の戯言とも言い切れる。

 けれども龍馬の論理は、こう展開を見せる。

 「これから日本国が世界に認めてもらう国にするためには、まずこの法を守らんといかんがじゃき。
 それでも徳川幕府に判断をゆだねると言い張るがやったら、…ハハハ、紀州藩士は野蛮人の集まりじゃと、世界中から笑われますろう。

 それこそが!
 徳川幕府の…いや、帝の御名を汚すことにはなりませんろうか?」

 中尾彬サン、じゃなかった(笑)茂田は、その考えをいったん受け入れるのですが、「じゃあ誰が裁くんや?」 と土俵際でうっちゃりをカマします(笑)。

 ところが龍馬は、奥の手を用意していた。
 ここで龍馬が後藤を味方につけていたことの、真の効果が発揮されるのです。

 後藤が連れてきたのは、イギリス海軍提督。
 英語で 「アンタラの考え方は、間違っとりますサカイ!」 とまくしたてられまくったら、そりゃもうタジタジになって、従うよりほか、ないですろうなあ(笑)。

 それにしてもこのイギリス海軍提督も、怒鳴りまくりの恐喝しまくり(笑)。 格下相手を一気に攻め落とす方法であります(笑)。 それにしてもなんか、弥太郎(香川照之サン)もエラくなるに従ってがなりたてまくるし、海援隊も怒鳴りまくってるし、どーにかならんもんかなー(笑)。

 結局この交渉で海援隊は全面的に勝利するのですが、ここで弥太郎が現代の損害賠償に通じる概念を打ち出していたのは、ちょっとシビレました。
 つまり、その損害額だけを見積もれば、4万3千両だったというのに、もし沈んでいなければいろは丸が稼いでいたであろう金額まで上乗せして、8万3千両を支払わせた、というものです。 もともと弥太郎のがめつさから出たかに見えるこの上乗せ分ですが、これってかなり現代的なアプローチのように思えるんですよ。 船と積み荷を失った分だけ請求してしまえば、その後の損失は考えなくてもいい、というのは、損害を受けた側からすれば、そりゃねーだろう、ってことですからネ。

 そしてあのはやり歌を流行らせたお元(蒼井優チャン)に礼を言う、龍馬。
 お元は龍馬が自分の希望だから、と答えるのですが、いみじくも第4部のタイトルですよね。
 お龍(真木よう子サン)は今回も相変わらず拳銃の練習に忙しかったようですが(笑)、お龍に龍馬が託した首飾りに書かれた文字も、希(のぞみ)。 龍馬の頭上にある 「元気玉」 は、みんなから希望を託されながら、さらにさらに巨大になっていくのです。
 そこに現れた、紀州藩の刺客。
 現代的なアプローチから見れば、こういう恨みの買われ方というのは、かなりドロドロしているように思えるのですが、やはり人々の思いが情念、怨念に結びつきやすい世界がある、ということを、強く感じざるを得ないのです。

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コメント

最後に襲ってきた紀州の暴漢、あの役者さんは『モリのアサガオ』でARATAに日本刀で斬られてましたw
あれ?昨日も悪役だったよね?と思いました。

>人々の思いが情念、怨念に結びつきやすい世界がある

私なんかはクライアントや仕事関係者をこっそり呪ってばかりですよwww
もちろん襲ったりはしませんが。

当時は藩の殿様のためなら武器をもって戦えたわけですし(刀を持ち歩いてる人がとても多いのだから、キったハったも今では考えられない頻度だったんだろうなあ。歴史に疎くてすみません)
世の中の基準がひっくり返る最中、血なまぐさいことも多かったですよね。
特に京都。
このあいだチラッと三条あたりに行きまして、偶然「池田屋」(今は居酒屋、以前はパチンコ屋)の前を通ったので写真を撮ってきましたw

いつの時代も、既得権をもった人たちは守り抜きたいわけですよー。(ムカムカ)

ここに書くことではありませんが
次のNHK朝ドラのヒロイン井上真央ちゃんの相手役に高良(こうら)健吾クンが決定!ヤッッッターーーッ!!

白洲次郎では伊勢谷君の若いときを演じ
(顔が似てるタイプなので違和感なし)
映画ハゲタカでは、あの派遣労働者。
他にも『フィッシュストーリー』など
映画で活躍してきたコです。
ますます「おひさま」が楽しみに♪

マイティ様
コメント、ありがとうございます。

まあ恨みつらみというものは通常、深く静かに潜行するものですが(笑)、いまも田舎なんかに行ったりすると、結構その手のドロドロがあったりしますよね。 都会ではそんなしがらみがなかったりしますが、かえって表面に出ないだけ、その怨念は強くなっているかもしれません。 そんなことを考えると、怨念が表面に出て来やすい田舎のほうがいいのかな、なんて考えたりもします。

現代から遡っていくにつれて、そんな怨念情念は、強く人々の間にはびこっている、とは思うんですよ。 「気に食わない奴は殺せばいい」、なんて、現代に比べれば、それこそマイティサンご指摘のように、かなり頻繁にあったのでしょうから。

龍馬もそんな情念怨念のために、殺されてしまったんですけどね。

あ、「池田屋」 跡、パチンコ屋さんじゃなくなったんですネ(笑)。

「おひさま」 真央チャンの相手役が、あの派遣労働者クンですか。 マイティサン、相当精通しておりますネ(笑)。

きゃあ。高良くんですか。期待ですね>おひさま

と、道をそれます。ごめんなさい
マイティ様、リウ様

フィッシュストーリー、よかったですよ。
多部未華子ちゃんがいい味出してまして、原作の雰囲気も割とちゃんと残ってて。
大森南朋さんも粋な役割で、伏線、伏線の積み重ねが
最期におおーーってまとまるし。
(って、舞台は宇宙に飛び出すのに展開は笑えるくらいちいちゃいのです。)

自分は、情念、怨念、執着の大作より
切ない思いの積み重なりのちいさなほわんという物語がすきなのではまりました。

みり様
私もフィッシュストーリー好きです。
高良クンのボーカル、なかなか良かったですよね。
森山未來クンの体のキレもね。

みり様
コメント、ありがとうございます。

「フィッシュストーリー」、そんなによかったんですかぁー。 お魚の話かと思いましたが…(そのまんまですやん!)パンクバンドの話なんですネ。

しかもみり様、原作もちゃんと読んでいらっしゃるご様子。

私はこのところドラマの感想文書きに忙しくて、ちっとも読んでません…というより、小説自体を読まないですね。 読むのはビートルズ関連の書籍ばかり…。

一年以上前に新聞で連載されていた平岩弓枝サンの 「西遊記」 や、石田衣良サンの 「チッチと子」 などはハマったのですが。 どうしても手っ取り早く物語を知ることのできるドラマに、流れて行ってしまいます。

リウ様

あたくしは、「ものがたり」しか読めません。
ドキュメンタリーや散文や学術論、マニュアルどれも
ちっとも頭に入ってきません。(はぁ。)

マニュアルが物語だったらいいのにっていつも思います。

今朝届いたばかりの箱を開けた。
黒く艶めいた四角い箱は僕の心を僅かに躍らせた。
液晶画面本体だ。
つづいて出てきたのは赤と黄色と白のコネクタのついたケーブルだ。モニタ接続ケーブルと呼ぶらしい。。。。。みたいな。

遅れ馳せながら。。ではありますが、

リウ様、私は龍馬伝をこの回程スカッとした気分でみたことはありませんでした。(最後のシーンにはちょっこし違和感があったものの)楽しめました!

視聴を諦めかけたこともあった。。福山龍馬伝をリウ様の書評や皆様のコメントを読みながら、私には到底読み取れないドラマの機微に触れながらここまでやって参りました。。(^^)v

そして第43回は初めてワクワクと胸を震わせながらみました。龍馬に託された無念の涙した人達の思いが文字となって龍馬から。。湧き出でてくる様に。。感動(T^T)そして龍馬暗殺へと。。

私の所為でリウ様のドラマ視聴数を増やしてしまい時間を不足させてしまったようで申し訳なく思っております。(-"-)どうか睡眠不足で体調を崩されないように書評をお書き頂きたくお願い致しますm(__)m

ペコ様
コメント、ありがとうございます。

刺客の場面は、スーパー龍馬のサービスカット、ということですか(笑)。 自分的には、千葉道場の免許皆伝、という龍馬のスキルをちょっこし見たいほうなので、「やっつけたれ!」 みたいな感覚で見てました(紀州藩の交渉人かよ、イージーだよなあ、と思いつつ)。

ペコ様はこのドラマ、結構モヤモヤを抱えながらご覧になっていたんですネ。

確かにいったん気になりだすとどーしても受け付けない、という表現が多いです、このドラマ。

私は記事中にも書いたのですが、ここ数回やたらとみんながなりたてまくっているのが、気に入りません(笑)。 我も我も我先に、大声出したほうが勝ち!ゲーム、みたいな(笑)。

ただこのドラマ、「どうして龍馬は実際にこのような行動をとったのだろう」 という疑問に対して、フィクションによって答えを出している、そんな気がするのです。

私の体調をお気遣いいただき、誠に恐縮の至りです。 「ギルティ」 、面白かったですよ! ご紹介いただいたことのありがたさのほうが勝ってしまいます。 お礼申し上げます!

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  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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