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2010年11月 9日 (火)

「流れ星」 第4回 消えない流れ星

 リサ(上戸彩チャン)がマリア(北乃きいチャン)のドナーになるためだけに婚約をしたのではないかと疑った神谷医師(松田翔太クン)は、さっそく健吾(竹野内豊サン)とリサにその真意を訊いて回るのですが、「これじゃまるで…」「まるで、なんですか?」 と竹野内サンから半分すごまれ(笑)、リサには 「大切な人が困っているから助けたいと思っているんです」 と、その演技力のうまさでするりとかわされる。
 どうにも釈然としない翔太センセイなのでありますが、そこは何とか、大目に見ていただきたいのが視聴者心理なのです。
 ただ翔太センセイは杓子定規で物事を考えるタイプではなく、このことをきいチャンが知ったときのことを、不安に思っている。 あくまでルール違反を責めているわけではないのが、好感が持てるところです。

 そしてその翔太センセイの不安は、今回ラストで現実のものとなってしまう。

 その話は置いといて、リサの兄モズク頭の(笑)ゴローチャンがまたぞろ、借金取りに追われている模様。 どこまで金借りてんだこの人?という感じです。
 そりゃ身分不相応な車乗りまわしてたり、その金でいい思いをしていることは確実だと思うのですが、底なしに金を借りて、車以外に何に使っているのか?というのは、ちょっと気になります。 テッテ的に遊ぼうとでも思わなければ、金なんかそう浪費できないもんだと思うんですよ(これってビンボー人の感覚か?…笑)。 ゴローチャンのその金使いの荒さにドラマ的な面白いウラでもあると、また興味深いのですが。

 そして今回も、このドラマはさりげなく見る者を引きつけていく。
 そして知らぬ間に見る側は、時間のたつのを忘れてしまう。
 今回もなんか、あっという間でした。
 この見た目地味なドラマに引きこませる要因というのは、いったい何なのでしょうか。

 私が考えるに、細部のなにげない話に、興味深くまた人の心を豊かにしてくれるエピソードが挿入されてるせいなのでは、と。

 そうした意味で今回のさりげない話は、煮物の話です。

 煮物くらい作れる、とナニゲニ自慢したリサは、ショッピングセンターの書籍コーナーで料理の本を読んでいる。 下調べをまずしておこう、というリサの気持ちが、なんかカワイイ(笑)。 母親の原田美枝子サンの好みを竹野内サンから聞いておく、というのも、ナニゲニ用意周到。

 そしてまったく別のシーンで、マリアがリョウタクン(桐山照史クン)から聞く小噺が、煮物にまつわるダジャレなのです。
 こうした、カンケーないところで同時多発的なサブリミナル的手法をしているのが、さりげなくすごい。
 視聴者は無意識のうちに、煮物が食べたいという気持ちにさせられ(笑)(サブリミナルって、実際効果があるかどうか、私は疑問なんですけどね)、かぼちゃの煮物をリサが作った時の竹野内サンの感動に、見る側が共感しやすくなっている。

 まあストーリーの本筋とは離れた部分での、こんななにげなさが、「時間のたつのを忘れる」 要因なのではないか、と思うんですよ。

 そしてショッピングセンターで鉢合わせした竹野内サンに、リサはきいチャンにしてあげるネイルアート用のチップ?(名称がよく分からんです)のどれがいいか尋ねるのです(この時点でリサは、まだマリアが健吾の妹であることに気付いていません)。 まったく興味の外ながら、星型のチップを選ぶ竹野内サン。 「流れ星」 のイメージを、ここでもサブリミナル的に挿入してますよね。

 ある夜、ノンアルコールビールを飲みながら家の外で星を見ていたリサに、健吾はこう話しかけます。

 「そう言えばこのあいだ、『流れ星はクラゲみたいに消えて無くなる』 って言ってたよね。 海に潜ると、消えない流れ星が見れるんだよ」

 その 「海の流れ星」、フカクテンジクダイ?とか言ってましたけど、リサが 「流れ星は消えて無くなるものだ」 という認識でいる悲しい心の持ち主だということを、健吾が気にとめていたことが分かる、重要な場面のような気がしました。

 消えることのない流れ星、それは、消えることのない祈りです。 妹を助ける、その願いが消えてしまわないように、健吾は強く願っているからこそ、「消えない流れ星がある」 とリサに言っておきたかったのではないでしょうか。 そしてそれは同時に、悲しい心の持ち主であるリサの希望が消えてしまわないでいてほしい、という気持ちの表れでもある。

 さて、リサがネイルアートをマリアにしてあげていたところに現れた健吾。
 健吾がこのコの兄だったということに、リサが気付いた瞬間です。
 その場を立ち去るリサ。
 健吾はもはや、妹に打ち明けるときが来ていることを察するのです。

 当初はリサ抜きの家族3人で話を進めようとしていた健吾ですが、ゴローチャンがリサを連れ去っているところを目撃し、車を自転車で追いかけ(!)、強引に 「リサは、ぼくの妻です」 と連れて帰る。
 その時に健吾は、リサも家族の話し合いに加わらせようと決意するのです。

 健吾のこの決断は、自らの引き返せない強い覚悟の表れだったのですが、当のマリアは、やはり17歳の女の子です。 何もかも洗いざらい事実を聞かされて、混乱するばかり。

 このときのきいチャンの気持ちに、完全にシンクロしてました、私。

 いきなり前の婚約者(板谷由夏サン)とは別れた、この人とオレは結婚する、ドナーになってくれるんだ。
 お前の体は、もう移植しなければどうしようもない段階にきてるんだ。

 一晩考えたくらいでは、気持ちの整理など全くつかない、というのが本当のところだと思うのです。
 板谷サンからは、別れたことなど一切聞いていなかった(これも板谷サンの思いやりだったのですが)。
 しかもいくら仲良しになったからと言って、兄とは全く釣り合わない、リサ。
 そんな女性と、自分のために結婚しようとしている兄。
 しかもそうでもしない限り助からない、という自分の体。
 ちょっと17の女の子には許容量オーバーの衝撃的な話の連続なのですから。

 一晩考えたきいチャンは、それを受け入れるのですが、それはただ表面的な取り繕いに過ぎなかった。

 病室には、リサが施してくれたネイルアートの、星型のチップが落ちている。 翔太センセイが言っても取ることを聞かなかったネイルを、マリアは取ってしまった、ということですね。
 そして板谷サンと竹野内サンのために作っていた石膏?のプレート。 投げつけたのでしょう、粉々になって床に転がっています。
 そしてもぬけの殻の病室。

 次回、きいチャンは自暴自棄になるようです。 「どうせ死ぬんだ」 とか予告で言っていたみたいですが、きいチャンの自暴自棄が、どこまでリアリティを伴っているのかに、ちょっと注目してみたいと思います。

当ブログ 「流れ星」 に関する他の記事
第1回 ダウナーな感覚あふれるフジの月9
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/1-9-cab7.html
第2回 なんか、あっという間でした~ http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/10/2-2223.html
第3回 一瞬で消えてゆく星、その星への祈りhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/3-f0b3.html
第4回 消えない流れ星http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/4-6d12.html
第5回 生きていてほしいからhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/5-8444.html
第6回 託したい思いhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/6-3966.html
第7回 分かってる、その気持ちはhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/7-9175.html
第8回 思いがはじける瞬間http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/8-2edd.html
第9回 グラス・タワーの緊張感http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/9-ce60.html
第9回 健吾の決断について、補足ですhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/9-cad6.html
第10回(最終回) やさしさが帰る場所http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/12/10-6223.html

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テレビ」カテゴリの記事

コメント

きいちゃんと板谷さんの仲良し度が描かれていないのでちょっと考えてしまうけど、自分の病気以上にショックなんでしょうね。彩ちゃんがカボチャの煮物を作って、「ヤバイ」って言う竹野内さんに照れくさそうに言葉を返す彩ちゃん。その彩ちゃんを優しく見つめる原田さん。うつむきながらも原田さんに見守られている事をも喜ぶ彩ちゃん。とてもいいシーンでしたね。どうやらきいちゃんとは本当の兄妹ではないようですね。予想では原田さんの連れ子が竹野内さんで、再婚相手の父親の子供がきいちゃん。ゴローちゃん最高です。

リウ様

またまた私も流れ星に引きこまれて、あっという間の一時間でした~☆″

私がこんなに引き込まれるのは。。つぶやくような心に響く台詞を聞き逃したくなくて、そして台詞の前後のシーンで役者さん達がそれぞれのまなざしや表情での演技(演出)があまりにも心を捉えて、見逃せないからのように思えるのですが。。

アールグレイ様がおっしゃったカボチャの煮物のシーン。。ほんとうに心がほっこりするようでしたね^^

そして見えないけどあるあたたかな想いが一つずつ紡がれて行くような心地よい何か。。。見えない糸が健吾と梨沙、梨沙と健吾のお母さん、そして病院で偶然に出会ったマリアと梨沙にも繋がっているようにも思えて。。。でも、それがすぐにでも切れてしまいそうな儚いものなのかもしれないけれど。。。切なくて。。優しいものが感じられました。

神谷先生に「ドナーになること、そんなに簡単に決めていいんですかね?」 と言われて梨沙が「大切な人が困っているから助けたい。そう思ってるんです」と答えた時、
その大切な人って健吾なのかな?と芝居じゃなくって本心のような気がして。。

梨沙の心に響いたであろう健吾が「梨沙は僕の妻です。連れて帰ります」、背を向けた梨沙へ「梨沙!帰ろう、一緒に」という台詞にもう私胸キュンでした。

病室でネイルしてもらいながら、梨沙の「一人になれてるし」へ返したマリアの言葉の「私も同じようなもんだし」
お母さん(原田さん)の「お父さんとあの人がいたら助けられたのかしら」という意味ありげな言葉から。。
アールグレイ様のおっしゃるようにこの家族にも特別な事情があるようですね、マリアの明るさに隠れた影も垣間見れて。。(涙)

予告で梨沙の「手術が終わったらさ、また彼女んとこへ戻ればいいじゃん」言葉と元婚約者の美奈子さんの登場で、あ~来週まで待ち切れません!

あ、モズク頭ゴロ―チャンの不気味さが最高でした^^

稲垣吾郎さん本人は天然パーマをすごく気にしてるのに「モズク頭よばわり」には軽く衝撃をうけました。w
吾郎ちゃん、苦笑いしながらOKしたんだろうな。


ネイルから落ちた星は、故意に取ったものではないかもしれませんが(ウェルカムボードのようなものを壊したときに取れた?)
星がひとかけら落ちていて本人はいないというシーンが、詩的だな〜とおもいました。

マリア、あの状況は簡単には受け入れられませんよね
自分の病状が相当悪い上、自分の命を救うためにお兄ちゃんが…と思うと。
落語のカレがオペを受けるように説得してあげてくれればいいな…。

マイティ様

細かいこと、すみません。
ネイルの☆はマリアちゃんの部屋に落ちていたもので
取りたくなかったネイルアートが「剥げた」表現になっていましたよ。

☆が落ちていたことはリサしか知らず、リサの寂しさみたいなところが出ていて、視聴者を泣かせるな〜と思います。
あ、ツメから剥げたことはマリアも解っていましたね。


さて、
私はウエルカムボードは渡したかったのに渡せなくて
病室まで持ってきてしまって、やり場のない気持ちをぶつけてしまったのかな、と思いました。

竹野内さんとマリアちゃんの関係は
お父さんの浮気相手との間に生まれたのがマリアちゃんで、お父さんとその彼女が旅先など、もしくは駆け落ち先で同時に無くなったので、引き取った。と想像してます。
おじさんとケンゴは血のつながった親戚である様だけど
マリアのことは「あの子」と呼んでいたように思います。でも、マリアとケンゴも血はつながっているようなかんじでした。おおっぴらに出来るなら、マリアは自分の出生を知っていてよいと思うのだけれどケンゴと原田さんで隠してる感じがします。考え過ぎかな。

肝臓の上に出生のヒミツも乗せられたら
パンクしてしまいますね。

板谷さん、もうでてこないのかと思ったら
まだ、すみそうもなくてあんまりかっこ悪くしないであげてください。

クリオネ、モズク頭と海の生物にたとえるところも職場を反映していて、脚本に好感が持てます。

私的、今週のベストは
僕の妻ですのあとの「演技うまくなったじゃん。」と
消えない流れ星のあとの「新婚旅行につれていって。」
ワルぶるリサちゃんの叶わないと思って吐く本心。
ケンゴへの突き放し方がいじましいです。

アールグレイ様
コメント、ありがとうございます。

かぼちゃの煮物は、何度か作ったことがありますが、水加減がエライ難しいのです(笑)。 結局かぼちゃがペースト状になってしまったり(笑)。 しかも、ショウユの加減を間違えると、ひどく不愉快な味になってしまうのです(笑)。 料理本による予習をしたリサは、正解でした(笑)。

登場人物たちの心の動きが微妙で、深読みできるところも、このドラマにハマりやすい理由かもしれません。 みんないいヒトなんですよねー(たぶんゴローチャンも…)。

きいチャンの役名は、マリアですよね。 かたや竹野内サンは、健吾。 共通項がない(笑)。 血がつながっていない、というのはなんとなく想像できますが、ひょっとしてマリアは、ハーフなのかも?とつまらない想像をしています。

ペコ様
コメント、ありがとうございます。

私も、ペコ様のおっしゃることに同感です。

なにしろ、脚本が、これ以上ないところまで練り上げられている気がするんですよ。
あり得ない話なのに、登場人物たちのセリフやしぐさに、あり得なさがちっとも感じられない。

本当に、儚い糸で繋がっているように思えますよね、この登場人物たちは。

とても居心地がいいのに、なんだか同時に、とても哀しい。

そんな綱渡りのような感情どうしのつづれおりが、とても大きな魅力になっている。

これからクリスマスシーズンですけど、クリスマスに向けてこの手の話は、切なさを倍加させていく気がします。 なにしろ、マリアが約一名、ドラマのなかにいますもんね(笑)。

「ひとりに慣れている」 というリサの発言に共感するマリアは、やはり何か別の面を併せ持っているような感じで、ちょっとドキッとしましたね。
原田美枝子サンの 「おとうさんとあの人…」 発言も、ヤケに心に引っかかります。 あーもう、何があるんでしょう、この家族!(笑)

そうそう、コロチャー、じゃない(笑)、ゴルゴチャーン、じゃない(しつこい…)、ゴローチャンも、その捜索能力さえあれば、刑事にもなれそーな気がいたします(笑)。 不気味すぎですよね…。

マイティ様
コメント、ありがとうございます。

ゴローチャン、天パーを気にしてるんですか! あまりそんなイメージなかったですけど…。 「モズクみたいな頭した」 というところは、笑ってしまいました。 杉本哲太サンから、病院の看護婦サンから(ア、看護士、か)、みんなからウサン臭がられているのが悲しいですsad

そうですね、星がひとかけら、というのは、いかにも意味ありげな気がします。 さまざまな憶測が出来るのが、またさりげなくいいんだなあ。

リョウタクンだけがこうなると、マリアの暴走を(エヴァンゲリオンか?…笑)止められるかもしれません。 逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…(笑)。

みり様
コメント、ありがとうございます。

鋭いですねー。
細部にまで目が行き届いた考察、脱帽であります。

特にクリオネチャンとモズク頭(笑)、海の生き物で兄妹を括っている、というご指摘、あ、そうだった!と改めて驚きました。

それに、「演技力」 云々の話。
実は 「演技力」 ということが今回のキーワードのひとつになっている、ということをこの記事にも書こうと思ったのですが、ちょっと挿入する個所に迷ったので、入れなかったんですよ。 さすがにみりサン、重要視する部分が違う。

竹野内サンときいチャンの関係推理、うかがっているだけで楽しくなってしまいます。 なるほどなるほど、という感じで。 いずれにしても一筋縄ではいかない関係が、隠されているようですよね。 アールグレイ様への返信にも書いたのですが、私はマリアがハーフだとふんでいます(拙い予想ですが…笑)。 だってあのお母さんのセンスとは思えないんですよ、「健吾」 の妹が、カタカナの 「マリア」 なんて。

「新婚旅行」 の話は、なんだか今のままではとてもじゃないけど実現できそうな感じではないので、切なかったです。

あと、板谷サンがひっかきまわす展開になったら、確かにウザったい気がしますですね(笑)。

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BOOKS

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    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

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  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

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    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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