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2010年11月 5日 (金)

「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」 第2夜 「山河燃ゆ」 とダブります

 草彅剛クン、第2夜からは日系二世役であります。 そして第1夜で草彅クンが演じた長吉が、中井貴一サン。 切れ長の目で面立ち的には同系統の顔なのですが、ちょっと似ても似つかない。 性格的にもちょっと頑固になってしまったようなきらいがあります。 イモトアヤコサンを嫁にしたときの柔軟な思考が、なりを潜めている感じ。

 そしてイモトアヤコサンの役が、今度は泉ピン子サン。 これは苦笑してしまうほど同じ顔。 ただ年齢的に中井サンとは釣り合わんよなあ、という感じです。 まあ、顔が同じなので許します(エラソーだなあ…)。

 そして中井サンとピン子サンのふたりの息子が、前述した草彅クンが長兄で、松山ケンイチクンが次男。 ふたりの妹は、寺島咲チャンと川島海荷チャン。 咲チャンはメイクのせいか、イモトアヤコサンの面影を少し感じさせます。 この子が物語では死んでしまう役で、海荷チャンがのちの岸惠子サン、というわけですか。

 そして二世の草彅クンの恋人役が仲間由紀恵サン。 現代編では八千草薫サン。 ただし結局結婚しているのは、松山ケンイチクンのほうです(間違えました、どうも結婚はしていないようです…マイティ様、ご指摘恐れ入ります)。 つまり現代編で松山クンは、上條恒彦サン、ということになります。 あ~ややこし(笑)。 二世の草彅クンは兵士になっていましたから、おそらく戦争で死んでしまうのでしょう。

 という事情を頭にちゃんと入れながらこのドラマを見ると、「ああ~ここが今生の別れだったんだ」、とかが分かって、涙腺がさらに刺激されることは確実です。

 実際この第2夜は、何度も泣かされました、私。 コメントを下さるリーン様が気になったと言われていた、仲間サンが海に飛び込んでアメリカ再上陸(笑)という話も、そこまで思いつめていたことがかえって感動的でしたよー。 マイティ様が指摘していた 「広島と沖縄」 という点も、分かりやすすぎで苦笑ものですが、実際そここそがいちばん(順位はつけられませんが)戦争の悲劇を体現した場所だったので、あえて目をつぶります。

 私が個人的に残念なのは、こうした日系人たちの悲劇は、すでにNHK大河ドラマ 「山河燃ゆ」(原作は山崎豊子サンの 「二つの祖国」) で見てしまっていること。
 でももう、26年も前になってしまうんですねー。
 この 「山河燃ゆ」 は、NHK大河ドラマのマイベスト3に入る作品です。 19歳という世間知らずの段階でこの番組を見た、というインパクトを差し引いても、です。
 主演は市川染五郎サン…現在の松本幸四郎サンです。
 そしてその弟役が、西田敏行サン。
 あにおとうと、と言って連想されるのは、そう、今回の草彅クンと松山クンです。
 ただ 「山河燃ゆ」 では、兄弟が敵味方になってしまう。 それゆえにかなりドラマチックな展開を示していくのですが、太平洋戦争のなかでも日系二世たちの悲劇を余すところなく描かれる話に昇華されていました。
 そしてマンザナール強制収容所。 おそらくこのドラマでも第3夜で描かれていくのでしょうが、19歳の私にとっては、アメリカにいるだけで罪人となってしまった日本人たちがいたことに、強烈なショックを受けたものです。

 「99年の愛」 に話を戻しますが、レイプされそうになった仲間由紀恵サンを草彅クンが救ったことがきっかけでふたりは付き合うようになります。 農場にやってきた仲間サンを見て一目ぼれしたのは、松山ケンイチクン。 この、兄弟それぞれの思いが交差する展開がいい。

 日米情勢の悪化によって日本に帰ることを決意した仲間サンは、極めて理路整然と、しかも事務的に、草彅クンに別れを告げます。
 そして草彅クンも、苦しみながらもそのことに同意。
 ふたりの別れのシーンは、橋田流の心情全部ばらしまくりの手法(笑)によって、とても分かりやすく涙を誘うものになっていました。 泣けました。
 ふたりとも、情勢や親に逆らいながらこの恋を推し進めていくことに、覚悟も自信もないのです。
 この、「覚悟と自信がない」、という点は、深く共感できる部分があります。

 そして中井サンが娘の咲チャンと海荷チャンを日本に帰そう、とすることへの理由づけも、実に納得のいく話。
 その底辺には、咲チャンがレイプされかかった、ということが重たく横たわっている。
 それを阻止した草彅クンの意向で本当の話は全くされないのですが、中井サンもピン子サンも、すぐに気付いてしまう。
 そして日本に送ろう、という考えには、「こんな戦争は一時のことだ、すぐに帰ってこられるだろう」 という甘い考えがあることも確か。 実はその甘い考えこそが、大きな悲劇を呼んでしまうのですが。
 そして中井サンとしては、 「美しい国日本」 を見せてやりたい、という気持ちも含まれています。
 ところが美しいのは景色だけで、ロクなもんじゃなかった。
 日本人のウェットさ、嫉妬深さを知っている橋田サンの本領発揮ですな、ここらへんは。 「おしん」 を思い出しましたよ、咲チャンたちを引き取る杉田かおるサンなんかの演技を見てまして。 姉妹が今生の別れをするシーン、ここでもボロボロ泣きました。

 でもいちばんボロボロ泣いたのは、やはり家族の別れのシーンですね。

 咲チャンと海荷チャンを送りに来た場で、それまでずっと我慢してきたピン子サンが、背中を向けて歩き出したふたりに向かって、大声で叫ぶのです。

 「…いいーーー!!

 行かなくていいーーー!!」

 駆け寄っていく母娘。

 もう、理屈抜きで、ダバダバ泣きました。 号泣です。 ピン子サン、うますぎる! 誰が何と言おうと、うまいものはうまい! もう、脱帽であります。 このシーンを見るだけでも、このドラマを見る価値が絶対にある。

 そしてさらに、父親にすがって泣きじゃくる娘ふたりを、思い切り強く抱きしめながら、中井サンは意を決したように、こう叱咤するのです。

 「船が出ちまうぞ…!

 行け…!

 行け!

 ……行けっ!!」

 あーもう、仕事行かなきゃならんのに、またボロボロ泣いてます(笑)。

 橋田サンの力量が全く衰えていないことにひたすら驚嘆するばかりであります。
 こんな長丁場のドラマを、しかも5夜連続、しかも 「渡る世間」 も書きながらなんて、なんて人なんだ!

「99年の愛」 に関する当ブログほかの記事
第1夜 http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2010/11/99japanese-amer.html

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コメント

「山河燃ゆ」が 「二つの祖国」だったのですか。山崎さんのほうは読みました。
ダブります〜。

上条恒彦さんは、八千草さんと結婚はしてないですよ。
1話に「この人は兄嫁だ」とのセリフがありました。家族として一緒に住んでるのかもしれません。

アメリカに残った家族が「妹たちを日本へ帰して良かった」と度々言うのが不憫ですね。

マイティ様
コメント、ありがとうございます。

この記事、推敲もしないまま、あ~仕事だ!とそのままアップしてしまったため、誤変換はそのままだわ、主語は抜けてるわで、帰ってきて読み返してみたら散々な記事でした(汗)。 しかも状況認識まで誤っていたとはbearing

「山河燃ゆ」 は、何年か前にNHKアーカイヴスで見たのですが、想い出補正がずいぶんかかっているな、という感じでしたか…。 やはり幻滅しないためにも心の中に納めていたほうがよいこともあるようです。

ただ、それを抜きにしても、当時の大河ドラマの数々は、傑作が揃っていた気がするのです。

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