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2011年1月24日 (月)

「冬のサクラ」 第2回 「逢いに行こう」、「なんのために?」

 記憶も戻って成城での優雅な暮らしに戻った萌奈美(今井美樹サン)。 第2回ではその萌奈美に、祐(草彅剛クン)が山形から逢いに行きます。
 物語は、「なぜ祐がわざわざ東京まで行かなければならないのか」、をくどいくらいに追っていた気がします。 なぜなら、それこそがやはり視聴者の知りたいところだという認識が作り手にもあるから、でしょう。 それくらい今回の祐の行動は、フツーに考えると不自然なのです。

 これはですね。
 こうでもしなきゃ恋愛ドラマとゆーものは成立しない、というごもっともな理由もございますが(笑)、いくら不実な恋でも常識や理屈ではいけないと分かっていても、自分の気持ちを押さえられない、というのが、恋なのだ!と結論いたします(異論は認めません…爆)。

 冗談はさておき(じょーだんかよ!)、山崎樹範サン演じる駐在さんに 「電話で済むだろ」 と言われ、「電話で済むことじゃないよ…大変なことだし、ちゃんと会って話したほうがいいと思ったんだ」 と切り出したのが、まず最初の祐のいいわけ。

 駐在さんのとりなしで萌奈美と電話で話す祐なのですが、萌奈美は夫(高嶋政伸サン)の手前もあってそっけなく電話を切ってしまう。 祐は、萌奈美が記憶をなくしていた普段の生活に、強い息苦しさを感じていたことを思い返すのです。
 つまり祐は、萌奈美が普段の生活から鳥のように逃げだしたくて山形に来たと思っている。

 第1回では萌奈美の手を握っていましたよね、祐は。
 要するに自分も気付かないうちにもう恋しちゃってる、ということなんですけど、それを、自分の母親や弟にしたように、他人の面倒を親身になって見てやらねば気が済まない自分の性格のせいにしている部分もある。

 祐が東京に行くことに難色を示す駐在さんもマトモな神経なのですが(笑)、輪をかけてマトモな反応を示すのが、弟の肇(佐藤健クン)。 やってきた兄に、「ストーカーじゃあるまいし」「勘違いすんなよ」。
 まるで肇は、視聴者の大いなる代弁者のようであります。
 肇は今回後半、事情を知りながらも、「だったらなおさら兄ちゃんの出る幕じゃねえよ、旦那いんだから」 と忠告をする。
 まったくその通りなのです。
 さらに、電話をかけてきた萌奈美のことを気にする祐に 「そんなもんは(萌奈美の)一時の気の迷いだ」 と言い切り、「10時の長距離バスに乗って帰る」 と思わせぶりなことを萌奈美に言ってしまう兄に 「うぬぼれんなって」「逢いに来たからどうすんだ?いい年して冷静になれよ」 とズバズバ言いまくる。
 この佐藤健クンのセリフはみな、このドラマを冷めた目で見ている人たちの強力な代弁をしている。

 けれども 「冷静になれ」 という弟の忠告に、祐はこう切り返すのです。

 「なれるかよ。

 バカなこと言ったって、自分だって思ってるよ。
 だけど…だけど俺は…、俺はただ…。

 …分かってるよ。

 来ないほうがいいってことくらい…。

 来なければ、彼女は俺なんかいなくても大丈夫って、そう思えるから。

 …彼女は大丈夫だってことだから…」

 「俺はただ…」 のセリフのあと、祐は何を言いたかったんでしょうね。
 「彼女が気になって仕方ないんだ」、ってことでしょうか。
 呑み込んだセリフの代わりに、「来なきゃあきらめる」、という態度を示す。
 それは、祐が自分のこれまでの人生に戻る、ということと同義です。
 祐の人生を考えた場合(オーゲサだなあ…)、彼はいつも諦念にとり憑かれながら生きてきたのです。 男を作っちゃいなくなってしまう母親、弟の面倒、そして認知症になってしまった母親の介護。 彼はそうした周囲のひどい環境に、ある諦めを抱くことで、人生を生きてきた。 東京まで萌奈美に逢いに来たのは、母親の介護という足かせがなくなったことからくる要因も多分に考えられますが、祐なりの、諦め続けてきた自分の人生を転換しようとする所業だったのだ、私はそう考えます。 その感情の奥低には、萌奈美を救いたい、というオブラートに包まれた、萌奈美への恋心があることは、論を待ちませんが。

 そんな兄に、弟はもし彼女が来たらどうするんだ、と問いかけ、何を言っても無駄か、とひとりごちます。

 「…けど俺は反対だ。

 もうなんか背負いこんで、苦しむ兄ちゃんは見たくない」

 この兄弟の絆は、実に素晴らしい。

 ところが10時の長距離バスで旅立とうとする祐のもとに、萌奈美は駆けつけてしまうのです。 結局間に合いませんでしたけど。

 日常生活に戻った萌奈美は、夫航一の異様な圧迫感(笑)にさらされ続けます。
 航一は病院ではかなりの人格者で、いつもニコニコ患者さんにはとても優しい。
 家庭でも愛想がいいのですが、なにかっつーとバタン!ガシャン!(爆)、そして優しいお言葉(なんなんだコレ?…笑)。
 しかも自分は理恵という愛人(白羽ゆりサン)(しかも萌奈美の良き友人)を囲ってるくせに、妻に対する独占欲がハチャメチャに強い(笑)。 今回萌奈美が山形に行ったこともとっくに知っていた模様で、何が山形で起こっていたかも逐一報告されていた感じ。 脳外科医ですから、萌奈美の病状もとっくに知っているようでしたしね(第1回目で、山形で死んでりゃとか、その調査員?が軽口叩いてましたよね)。 あ~もう、モルモット的愛情ですか~。

 で、祐が東京まで来た表向き上の要件、萌奈美の脳に影がある、再検査の必要がある、という事実も、結局弟の恋人加藤ローサチャンのとりなしで萌奈美は祐から直接知らされるに至ったのですが、そのショックを打ち明ける相手がいない。

 夫は手術が立て込んでてとか言いながら萌奈美に会おうとせず、わざわざ萌奈美に分かるように素通りしてタクシーに乗り込む。 ありゃわざと見せてますよ。 確信犯です。
 しかもマイカーの座席におそらく理恵のものと思われるピアスを片方仕込んでますし(それって理恵がやったんでしょうかね)。 私の頭の中には、ユーミンの歌が反芻してました(♪ブロークンハー…笑)(このジョークが分からない人は、松任谷由実 「真珠のピアス」 でご検索ください)。 こういう理解不能な仕打ちをしてくる夫に、萌奈美もブチ切れて片方だけのピアスを部屋の片隅に投げ捨てる。 理恵に電話しても(萌奈美は理恵が夫の愛人であることに気付いていないですね)留守電だし。 萌奈美には、腹を割って話せる相手が、誰もいないのです。

 それにしても萌奈美が苦悩する、この豪奢な成城のお宅。
 実に無機質な感覚で、前回の山形の風景や家の中とは、全く趣が違う。
 今回この萌奈美の苦悩が見る側に大きな共感をもって受け入れられるのは、この正反対な山形と東京の風景の強いコントラストによるものだ、そう私には思えるのです。

 そして結局、自らのかたく閉ざした心は、「10時の長距離バス」 という祐から渡された鍵によって、一気に噴出してしまう。

 前述したとおり、結局萌奈美はそのバスに間に合いませんでした。 祐に逢うことが叶わなかったことを悟って、ひとり笑ってしまう萌奈美、「流れ星」 の竹野内サンみたいでしたねー。
 ところがそれを物陰から弟の肇が見ていた。 弟は、萌奈美の思いを、知ってしまうのです。

 それにしても、今回ゲスト出演した、チェ・ジウサン。

 いったいなんだったんだぁ~~っ?(笑)

「冬のサクラ」 に関する当ブログほかの記事

第1回 …大丈夫…
http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2011/01/1-1d6a.html

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コメント

 「冬のサクラ」における佐藤健くんは自然でいいですね。 話す言葉も非常に常識的なのだけれど、その中にお兄ちゃんに対する愛情が感じられます。 先シーズンの「Q10」でもいい感じの俳優さんだなと思いました。 

 いけないと思っても会いたいのが恋ですよね。 リウさんが仰る通り、母親の介護の必要がもう無くなった祐だからなおさら東京まで来ると言う行動をとらせたこともあるでしょうね。

 それにしても高嶋さんのような夫とどうして長いこと生活していけるのかなあ? 普通の感覚ならどうかなってしまいます。 体調が悪いことにさえ感心を示さない最低な夫です! 

 話はかわりますが、 以前から我が家の近くにガラス工房があるのです。 お教室もあって何時も生徒さんが作品を作っています。夏は暑くて本当に大変そうだなとも思っていました。 昨日通りかかってふと見ると 「冬のサクラ」の大きなポスターが2枚ほど貼ってあるので、「ドラマで草なぎさんがガラス職人だから教室の宣伝かしら?」と思ったら、「当工房で撮影協力しています」と言う張り紙が。 この工房でロケしている様です。何となく雪国の工房と思っていたので、「へー!」と思ってしまいました。運がよければ 草なぎさんに会えるかしら?何時もは表の扉が大きく開いているのですが 、ドラマを見るといつも閉まっているので無理ですね。竹野内さんならちょくちょく覗きに行っちゃいそうです。(笑)

投稿: ゆみ | 2011年1月24日 (月) 17時28分

>第1回目で、山形で死んでりゃとか

あ〜それって家出して思い詰めて自殺…とかじゃなくて病気だって知っていたんですね?
酷いなあ
(二回とも冒頭部分を数分見逃していますw)

あの航一の執着は一体なんでしょうね
自分に服従させることが快感なんでしょうか。


>祐なりの、諦め続けてきた自分の人生を転換しようとする所業

それもそうだし、
「人に頼られて、人を助けてナンボ」という生き方が染み付いているんでしょうね。

萌奈美が「残り少ない人生なら好きなように生きよう」と腹をくくれば、祐と過ごすこともできそうですが
そこは航一がメチャメチャ妨害するでしょう。(韓流ドラマっぽい!)
弟の研修医もヤバくなりそう。

チョコっと出演したチェ・ジウ、藤田朋子に似てましたねw
何なんだ?冬ソナのオマージュ?

投稿: マイティ | 2011年1月25日 (火) 00時48分

ゆみ様
コメント、ありがとうございます。

佐藤健クンが演じる肇は、自由奔放に育ってきたがゆえに、却って恋愛の常識をわきまえている、というのが興味深いです。
対して草彅クン演じる祐は、恋愛に免疫がないがゆえに、歯止めが効かない。 あんまり恋愛をしたことのない人は、恋愛下手になるものです(何を知ったよーなことを…笑)。

高嶋サンのようなパートナーがいたら、寿命が縮まり続けます(爆)。 そのクセ嫉妬深いし。 今のところは彼の精神構造は、理解不能です(笑)。 まるで機械みたい。 …って、映画ではありえるパターン、と言いますか…(夫がアンドロイドだった、とか…爆)。

山形でガラス工房は撮影しているわけではなかったんですね! ドラマって、ひょんなところでロケをやってたり、するもんですよねー。

そう言えばうちのご近所の自動車整備工場も、「北の国から」 で純(吉岡秀隆クン)が上京して殴打事件を起こしてしまったときの舞台になっていました。 それを見たときは、ただただ唖然(笑)。

草彅クンにも、ひょっとして会えるかもしれないですね。 なんかひとごとながら、ワクワクしてきます(単純だな~)。

投稿: リウ | 2011年1月25日 (火) 06時19分

マイティ様
コメント、ありがとうございます。 このコメント、書いてる間に爆睡してしまいました(笑)。 結果的に返信が遅れてしまって申し訳ありません。

マイティサンから言われて、そうとも言えるなぁ~と思い直してます、いまcoldsweats01。 第1回目でなんて言ってたかな~、ちょっと録画したやつ消しちゃったので、ちょっと再分析が出来ません。 「あのまま山形で死んでいれば…」 というのは、ひょっとするとひったくりの犯人は、実は航一から依頼されて、萌奈美を突き飛ばすだなんだして、殺そうとしていたのか?という推理も成り立ってくる気がしてきました。

いずれにしても何を考えとるのか、まったく分かりませんね、航一は。 分かるのは、浮気をしながら萌奈美に対する独占欲の権化になっている点のみ。 今後もっと理解不能になっていくと、面白いんですけど(それって悪趣味だ…)。

「人に頼られ、助けてナンボ」、ですか、なるほどー。
「大丈夫」、と言える相手を探してるよーな性癖も見受けられるけど(笑)、「人を助けたい」、という気持ちが強い人、なんでしょうね。

弟肇と航一が職場一緒、というのは、ドロドロの予感ですよねー、やっぱりcoldsweats01

そうそう! マイティサンも、そうお感じでしたか! 実は私も、「冬ソナ」 を最初に見たときから、チェ・ジウサンって藤田朋子サンに似ている、とずーっと思っていたのです! 同じように思っていた人がいて、自分の見る目に自信が持てました(オーゲサ…)catface

投稿: リウ | 2011年1月25日 (火) 11時07分

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