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2011年3月19日 (土)

「江~姫たちの戦国~」 第9回 見くびって見ていると、足元をすくわれる

 相変わらず浅いドラマが展開している 「姫たちの戦国」。

 今回の全体的な骨格としては、秀吉の度重なる挑発にムカムカしながら、「戦はやめてください」 という娘たちの願いをはねつけることが出来ない柴田勝家(大地康雄サン)、市(鈴木保奈美サン)の説得を聞きいれて義父を戦場へと送り出すことに同意する姉妹たち、そして戦場へと赴く義父への江(上野樹里チャン)の思い、そんなところがメインだった気がします。

 そのメイン部分の説得力、うーんいちおう説明はされているんですが、なんか浅い。
 ホントに、ホームドラマ目線なんですよ。
 政治的な思惑が、全く感じられない。

 女子供が戦が嫌い、だというのは、まあ当時にしたって同様だった、と思うんですよ。
 ただそれに目をつぶっても、ドラマにおいて戦に至るまでの勝家の政治的な判断を一切描写せず、勝家が市と娘たちに平和ボケにされたという視点ばかりで見せていこうとする姿勢が、軽さを感じる最大の原因となっている気がするのです。

 柴田勝家が秀吉の挑発になかなか乗らなかったのは、市の娘三人に 「戦はやめてください」、と強く懇願されていたからだという、こうした作り手の視点。

 度重なる家臣からの報告に 「ぬわんだとぉ~~っ?」 と激高しながら娘たちに睨まれて、「あ、いやいや、なぁ~~んちゃって!今のはナシね」 みたいなギャグタッチ。

 「男ってこんなものだから戦をさせてあげましょうよ」 と娘たちを説得する市の論理の浅さ。

 娘から戦いの了承を得て 「えっ?いいの?(ヤタァ~ッ)」 みたいにふるまう勝家の幼稚ぶり。

 確かに笑える部分もあるのですが、なんか、失笑みたいな笑いなんですよ。 「ハハハ…あ~あ」 みたいな。

 当の挑発する人、秀吉は全く受けないお笑いみたいだし。
 いたずらに嫌悪感をあおっているだけ、としか見えない。
 こんな下卑た男と茶々が今後どうなるのかを考えただけで、虫唾が走る…というか、それを狙ってるんでしょうけど。 狙いすぎてて虫唾が走る。
 現代劇に置き換えたとしても、こんなリアリティのない人物など、いないと思うんですけどね。

 そんななかでこちらの胸に届いたのは、茶々(宮沢りえサン)が市の説得にもかかわらず義父の出陣をゴネる江に 「『己の信じる道を行け』 という伯父上(信長)の言葉は、義父上にも当てはまる」 と諭した言葉。
 こうした浅いドラマが展開するなかで、市が娘たちに諭した 「男とは、もののふとは」 という論理を、かつて信長が語り江が自身の生きる指針としていた言葉を引用し重層的に茶々が推し進めることで、ドラマとしての体裁を保つ一線に、かろうじて踏みとどまっている。

 さらにここでカギとなるのが、勝家の隠れ特技、刺繍。

 口下手だった勝家が戦場で覚えた、という刺繍ですが、いったい勝家は戦場で誰に教わったのか?とかが不明で、いかにも取ってつけたような話がまた興醒めする。
 江が阿弥陀様だと言い張って作成していた作りかけの刺繍も、こりゃ勝家だな、というのがバレバレだ、という点でやはり浅い。

 この時点で先が読めてしまう展開なのですが、戦いに赴く勝家のもとに、息せき切って江が馳せ参じ、義父の姿が縫われた巾着袋を手渡す場面で、不覚にも私、ウルウルしてしまったのです。

 これは、先の茶々による説得の際、江が勝家の出陣を渋る原因として 「あの人は自分が初めて父上と呼べる人なのだ」 と話していたことが伏線にあります。

 江が縫ったその勝家の像は、いかにも10歳程度の娘っ子が作ったような稚拙なもの。
 でもそれが、幼い娘の思いが凝縮されている感じで、いいんですよ。
 予想できた展開でしたが、う~ん弱いよなあ、娘にこういうことされると…(涙)。 クソッ、不覚だ(笑)。

 勝家はそこに市から預かっていた信長の天下布武の印と、茶々と初(水川あさみサン)からのお守りを入れ、「御屋形様と、家族に見守られている」、という構図が出来上がる。

 そして城門を出ていく勝家を、ひとり飛び出して 「義父上ー!義父上ー!」 と呼び続ける、江。

 ここでもウルウルです。
 江が勝家のことを 「義父上」 と直接呼べる、最後の機会だったと、見る側が分かっている故のことなのですが(やや間違っておりました…笑)。

 これらのシーン、確かに江たちを 「いつものごとく」 年端のいかぬ少女として脳内変換をしていなければのめり込めないシーンであることは自明であります。

 ホントしつこいと自分でも思いますが、子役を使っておれば、こんな大損などしなかったでしょうに…。 子役がやってると思いながら見ると、結構ハマるんですよ、これらのシーン。
 ちょっと見くびりながら見ていたので、足元をすくわれる気がしました。
 見せかたがきちんとしておれば、「ホームドラマとしては」 60点くらいの出来だと思うんですけどね(誉めてるのか、ソレ?)。

 いずれにせよ、
 …秀吉だけは何とかならんものでしょうかね。

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コメント

思ってたほどひどくなかったです。ホームドラマとして見れば良かったです。勝家と江ちゃんの親子の交流にぐっときたかも。地震でたくさんの家族が引き裂かれていますから。「戦はいやでございます」の連呼も当時の武家のお姫様達としてはどうなのかと思わなくは無いですが、今、地震、津波、原発事故、いっぱい戦ってますから、「家族は離れ離れになりたくないよね」と現代人として理解してしまいました。勝家パパがかわいいし。武将としては?だけど。秀吉はヒールなんですね。勝家、家康が江ちゃんの理解者側なので、仕方ないのでしょうね。バットマンのジョーカーのような役どころなのかしら。岸谷さんには頑張ってるけど。利休の方が食えない感じで好きです。石坂さんを見ると大河だなという安心感があるし。秀吉は去年の弥太郎で満足しているので、今年は、岸谷さんにもう少し茶目っ気だしてと注文つけるだけでいいです。江ちゃんには、これから世間を明るくしてくれるのを望みたいです。がんばれ。力入れずに時々見るから。計画停電が一日なかったので視聴できました。

ささ様
コメント、ありがとうございます。

「この大変な時期にこうした放送をするのはいかがなものか」、という議論が、このごろときどき湧き起こっている気がします。

特に 「江」 では、「大河として」 の作品の出来の悪さに加えて本日放送分では家族の別れを描いているみたいなので、余計に風当たりが強いですね。

まあ、「いやなら見るな」、という単純な話でもない気もしますけどね。 特にNHKのような強制的に受信料を払わされるようなテレビ局で下らん作品を膨大な予算を使って製作されると、文句を言う権利もあろうってもんです。

柴田勝家は、絶世の美女・市をあてがわれたことで結構ひよっちゃったような印象がこれまでもあったんですよ、確かに。
まあここまでホームドラマ解釈になってしまうとは思いませんでしたが(笑)。

このドラマでちゃんとしてるのは、やはり北大路サン、石坂サンあたりかな。 このような駄作のなかでしっかり自分のポジションを主張していると思います。

秀吉は、…見ていてイライラします(笑)。
なんでこの男に大勢の者たちがついていっているのか、という説得力が、皆無なんですよ。 そこがイライラする。 ただ面白おかしくして、そこに狡猾さをくっつけることだけで、この男を解釈しようとすることが、浅い。

まあ、目くじら立てようとするとキリがありませんので、ここまでにいたしとう存じます…。

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    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

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