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2011年4月18日 (月)

「JIN-仁-」(完結編) 第1回① いますべきこととの闘い!

 おそらく大震災前から出来ていたと思われるプロット。
 しかしこのドラマはまるでそれを見越していたかのように、「極限状況に置かれた人間がいかにすべきか」 を考え抜いていました。
 正直なところ、「前作を超えるのはどうなのかな」 という不安もありました。
 けれどもドラマは開始直後から、その不安を見事に粛清していくのです。
 そしてそのうえでさらに、3.11を経験した見る側に、ひたすらに強く訴えかけてくる。

 「いま自分がなすべきことをせよ」、と。

 ドラマは南方仁(大沢たかおサン)が現代に戻れぬまま、素直に2年が経過した時点から始まります。
 まずさまざまな登場人物が現れるたびに、懐かしさがこみあげてくる。 内野聖陽サンの龍馬を見た時なんか、わけもなくウルウル(笑)。
 なんですかね、この感覚(笑)。
 のめり込み過ぎると、こういう現象が起こるんだなあ。

 内野龍馬の特徴は、あくまで泥臭いこと。
 福山雅治サンがやっていた龍馬は、あくまでスマート。
 福山龍馬に慣らされていたんでしょうか、内野龍馬に最初は懐かしさもこみあげつつ、「ちょっとウザったいな」(笑)と思ったりもして。
 でも両者に共通しているのは、「とても人なつっこい」、という点であります。
 その人なつっこさで他者を煙たがらせ、いなくなればなったでその人なつっこさが恋しくなる。
 坂本龍馬という男の不思議な魅力は、現代的解釈によるとその点で透徹しているように思われるのです。

 その龍馬、このドラマではまだ、海軍操練所の段階らしい。
 そこから蛤御門の変へと否応なしに龍馬は巻き込まれていくわけですが、時代は龍馬を、さらにグローバルな問題意識へと駆り立てる方向へと突き進んでいる感じであります。

 海軍操練所、と言いますと勝海舟(小日向文世サン)とまだ絡んでいることになって、なんか 「龍馬伝」 を見ていた身としては、「暗殺されるのまだまだ先だなあ」、という感じなのですが、それよりなにより、勝と言えば武田鉄矢サン、というイメージが、まだ払拭できない(笑)。
 だけどこの 「JIN」 前作でも、武田サンは緒方洪庵として出演し、その洪庵はすでに亡くなっているんですよね。 あ~混乱する(笑)。
 これも2年ほど前までは、「篤姫」 での北大路欣也サンが、勝海舟のイメージだったんですけどねぇ。
 小日向サンはこのおふたかたに比べれば、残念ながらパンチ力不足なのですが、あまりドラマに絡んでこないからあんまりインパクトありすぎなのも却って問題かな、なんて(笑)。

 うっ、なかなか本編に突入することが出来ない(笑)。 またいたずらに、長くなりそうだ…。

 物語冒頭、大沢たかおサンのナレーションによって、見る側は一気に 「JIN」 の世界に呼び戻されます。
 「ぼくたちは当たり前だと思っている。
 思い立てば地球の裏側に行けることを。
 いつでも思いを伝えることが出来ることを。
 平凡だが、満ち足りた日々が続くであろうことを。
 昼も夜も忘れてしまったような世界を。
 けれど、それはすべて与えられたものだ。
 誰もが歴史のなかで闘い、もがき苦しみ、命を落とし、生き抜き、勝ち取ってきた結晶だ。
 だから僕たちは、さらなる光を与えなくてはならない。

 ――僕たちは、この手で」

 もうこのモノローグによって、このドラマのすべては語られている、と言っていい気がします。
 このナレーションの間、幕末と現代の風景が交互に映し出され、「両者は、つながっている」 という、このドラマ前作から私が感じてきたことが繰り返される。
 我々は過去と比べると、海抜的に数センチから数メートル上に暮らしている、と言います。
 つまり過去の土壌の上に土を盛り、埋め立て、舗装し、そこを地面の基準としている。
 だからちょっと数メートル掘り起こせば、江戸時代の割れた茶碗とかが出てくる可能性もある。
 もっと掘り返せば縄文土器が出てくるかもしれない(笑)。
 つまり現代は、物理的にも精神的にも、過去の積み重ねのうえに、成り立っている世界なのです。
 どんなフツーの人でも、そのなかで闘ってきた。
 フツーの小さな闘いが、いまを作り上げているのです。

 そのナレーションの間、未来(中谷美紀サン)と思われる人物が、こちらを振り返ります。
 そして古ぼけた手紙らしきものを読んでいる、南方仁?と思しき人物。 彼の目には涙が溜まっている。
 これがこのドラマ完結編の行く末を大きく暗示している気がします。 先が見たくて仕方なくなってくる。

 まだ冒頭か(笑)。 どんだけ長くなるんだこの記事…(笑)。

 先と言えば咲(綾瀬はるかチャン)ですが(笑)、彼女は結納の場から飛び出してしまったために橘家とは絶縁状態、南方の営む診療所 「仁友堂」 で働いています。
 その咲、なんかよそよそしいのですが、スワ大沢たかおサンと不仲なのか?と現実とごちゃまぜの感想を抱くのもつかの間(笑)、彼女は自分の母親栄(えい、麻生祐未サン)が脚気で重篤な状態であることを南方にひた隠しにして、南方が橘の家で骨休めしたら、という誘いを断ります(「ドタキャン」 談義は笑えました)。
 その橘家はそのドタキャンで恭太郎(小出恵介サン)は出仕差し控え、窮地に陥っています。

 脚気というのはビタミンB1の欠乏によっておこる病気で、南方にとっては原因が分かっているからなんてことはない話。 橘家を訪れた南方は栄の病状を知り、食事療法を勧めるのですが、栄は 「もう、生きていたくもございませぬゆえ。 生きていたとして、これより先、私にどのような望みがあるのでございましょうか」 とそれを敢然拒否。
 この栄の弱々しくも凛とした態度は、まさしく武家の女性そのもので、見ているこっちも身が引き締まるような毅然さなのです。

 その態度ひとつによって、その時代に生きている者の価値観を余すところなく表現できてしまう。
 別に心情をべらべら吐露せずとも、現代的な解釈で表現せずとも(どこぞのドラマを揶揄してますけども)「女の生き方」 は描写可能なのです。
 「JIN」 の世界は、この栄だけでなく、人物のひとりひとりにまで、その世に生きた者の価値観を見る側に納得させるだけの力にあふれている。
 この栄、第1回後半では咲や喜市(伊澤柾樹クン)の尽力があって回復するのですが、夢見が悪くて栄の病状を心配し、京都から帰ったときに真っ先に駆け込んで彼女の手を握り涙を流して嬉しがる南方に、ちょっとその毅然さがほころびます。
 それってまるで、なんか南方に恋しちゃったような感覚(笑)。
 お武家の奥方がいきなり手を握られるなんて、まさに青天の霹靂でございましょう(笑)。
 これってツンデレ?(笑)
 私は一気に咲より母親の栄のほうに感情移入してしまいました(やっぱりオレって、ツンデレ好きなんだろうか…笑)。 いや、栄のほうが、歳も近いですし(笑)。

 話が終わらないぞ(爆)。
 まだ17分ではないか(笑)。

 「これは、母の私への罰なのです。 橘家に泥を塗った私を、死をもって戒めようとしているのです。 ならば私は、黙って受けるしかございませぬ」

 そう語る咲。
 南方は、「咲さんは、医者でもある。 医者ならば、黙って見ているだけ、っていうのは、違うんじゃないですか?」 と咲を諭します。 それがちっとも、押しつけがましくない。 大上段に構えて、説教がましいことをしない。 これがこのドラマの、すごいところであります。
 咲は栄がかりんとう好きであることを思い出します。 南方はそれにインスパイアされて、玄米や豆乳を混ぜ込んだドーナツを作ることを思いつくのです。
 「男子厨房に入るべからず」 という時代を生きる咲にとって、ドーナツを作る南方は、やはり特異に見えるようです。 それをいぶかしがる咲に、南方は未来(ミキ)と一緒に料理した過去(いや未来、ミライか)を思い出す。
 野風(中谷美紀サン、二役)を救ったことで消えた未来(こっちはふたたびミキ、あ~ややこし)の写真が南方の脳裏をよぎります。
 未来(ミキ)、どうなっちゃったんでしょうね。
 現代を生きていることは冒頭で提示されたと思うのですが、おそらく南方との接点がなくなってしまったんじゃないでしょうかね、写真自体がなくなった、ということは。
 南方は野風が元気なら、それでいい、と咲に語るのですが、そのとき野風のその後が描写されます。

 野風は花魁をやめたはよかったのですが、横浜で始めた私塾が、やはりもと花魁であることから風評被害があとを絶たず、経営も成り立たなくなっている模様。 必ずしも幸せである、とは言い難い様子なのです。 「あちきは…でありんす」 などと口をついてしまうようではそれも無理からぬことかと(笑)。
 ただし未来(ミキ)が未来(ミライ)で教鞭をとっているようなので、私塾経営はこのあと野風の子孫のなりわいになりそうな感じがするのですが。

 「んなんじゃこりゃああっ!」 って、ジーパン刑事みたいに驚く佐分利(桐谷健太サン)たち、完成したドーナツの味に感動しまくり(笑)。
 ただしそれをどうやって栄に食べさせるのか。

 ここでいったんCMなのですが、やっと30分、第1回目4分の1までこぎつけた…(笑)。
 ちょっと今日はここまでにいたしとう存じます。 夜勤なのに寝てる時間がない…。

 それにしても今回このドラマのCMなんですが、震災後の空気をきちんと読んでいるCMが特に前半は多くて感心しました。 普通録画を見ながらだとスッ飛ばしまくるのですが、見入ってしまうCMが多かった。 東芝さん、サントリーさん、いいCMをありがとう。

当ブログ 「JIN」 についてのほかの記事
第1部
第1回 荒唐無稽との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---1-e9ae.html
第2回 建前との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---2-f3b1.html
第3回 自分の病との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/10/jin---3-3290.html
第4回 女としての闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/---4-542b.html
第5回 梅毒との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---5-9dba.html
第6回 リアルとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---6-25d6.html
第7回 明日のための闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---7-87b0.html
第8回 自分の器との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/11/jin---8-e9a7.html
第9回 心意気どうしの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---9-8cf0.html
第10回 ああもう、どうなっちゃうの?との闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---10-670a.html
第11回(最終回)続編あるかどうかとの闘い!http://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---7290.html
番外 続編の可能性を、もう一度考えるhttp://hashimotoriu.cocolog-wbs.com/blog/2009/12/jin---a138.html

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コメント

内野龍馬のほうが、計算高いというかクレバーなかんじがします。もちろん泥臭く熱いヤツなんですが。


>勝海舟(小日向文世サン)
べらんめえの江戸っ子ですね。これから西郷どんとのやりとりなどで器を見せてくれるんでしょうか。

武田鉄矢さんはかつて龍馬も演じてますよね。
なにより龍馬本人のフリークですからね。


栄さんは、息子に続いて自分も南方に心のこもった治療をしてもらったことで感謝してるんですな。
これからお家の名誉だけでなく、自分の日常の喜びを見出して生きていけるんではないですか。

枝豆坊やが2年経過してもあまりお兄ちゃんになってなくて違和感無くて良かったですw

JIN_2時間スペシャルの直前に
ものすご〜く濃く完成度の高い映画『切腹』(仲代達矢、三國連太郎、丹波哲郎)を見ちゃったので
物足りなく感じたらどうしよう?と思ってましたがJIN独特の空気感(と、あの曲)で安心して見られました。

『切腹』は『一命』というタイトルで海老蔵さんでリメイクされましたw

マイティ様
コメント、ありがとうございます。

内野龍馬、クレバーですか…(笑)。 それはドラマ自体の質によるところが大きいですかね(笑)。 福山龍馬は、結局何も考えてなかった、って、…んなこっちゃない!でしょうけど(ひとりボケツッコミしてます…笑)。

武田サンに関しては、その龍馬への思いがとても強くて、去年の 「龍馬伝」 では、「自分はもう歳をとってしまって龍馬を演じることが出来ないけれども、こうして新たに世代に引き継がれていくのを見るのはとてもうれしい」、という感情が横溢していて感動的でした。 なんか訳知り顔で説教するのがウザったいという意見が最近では特にネットの世界で散見されますが、私に言わせれば説教爺さんをうるさがってどうする!、という感じです。

「枝豆坊や」…(笑)。 確かに外見上、あまり変わってないみたいでしたね(笑)。 ハスキーボイスもそのままで…(笑)。

「切腹」 って私、未見ですが、仲代三國丹波の映画って、その名前だけで傑作であろうことが想像できます。 見てみたいけど、最近長尺モノにこらえ性がなくって…(笑)。 だから 「JIN」 の2時間イッキ見は、自分でも驚きました。

長ったらしいレビューを書いて恐縮ですが、お付き合いくださればこの上なく嬉しいです(常連のマイティサンに他人行儀だなあ…笑)。

橋本さん、再びこんばんは。
アキラです。

自分は民放のドラマっていうか、民放を一切観ないので「JIN」も一回も観てなかったんですが、自分の彼女は熱狂的な「JIN」ファンでかなり強引に録画を観ることになりました。
原作のコミックは読んだことあるんですが、主人公が原作のイメージとちょっと違うけど、そこがまた面白いですね。
評判になるだけあるなと思いました。
若干くどく感じる部分もありましたが。

しかし、好みの問題でしょうが、自分は福山龍馬がやっぱり好きですかね。
橋本さんの言うところの龍馬特有の人懐っこさは両者とも存分に感じますが。
福山さんって、なんか「切なさ」を感じさせるんですよ。
大河の龍馬は確かに脚本がイマイチだったんですが(人物描写とか浅い部分が多々ありましたよね)過ぎてしまえば、印象に残る場面がいくつも思い出されるんですよね。良いとこばかり思い出される。
なんていうか別れた昔の恋人的な!
自分は福山龍馬の「透明感」とか「切なさ」が懐かしくなりました。
男のくせに気持ち悪いと言われましたけど。。

でも「JIN」は今後も観る予定です(自分の意志半分、強制半分)。
橋本さん、これからも楽しいレビューをよろしくお願いいたします!

アキラ様
コメント連投下さり、ありがとうございます。

今回の 「JIN」 は、第1部と比べてちょっと 「神」 がくどすぎる、と感じております。 いちいち神の意志に逆らってとか。
おそらくアキラ様が感じたのも、その点なのではないかと思います。 今後に期待、です。

やっぱり1年間見続けてきた龍馬ですからね、福山龍馬は。
内野龍馬に勝てるわけがない、みたいな感じで見始めた大河でしたが、年間を通じて、スタイリッシュな龍馬、というイメージを作ることに、結局成功していた、ということになるかと思うのです。
NHK大河ドラマアーカイヴで、大昔にやった北大路欣也サンの 「竜馬がゆく」 での北大路龍馬も、また別のイメージ。 役者によってこれだけ変わる、というのも坂本龍馬の人間性に、さまざまな解釈が可能な広さが存在しているから、なんでしょうね。

今回、いまのところ内野龍馬はあまり出てこないので、余計に違和感が際立ってしまうかもしれないです。 これも今後に期待。

2回まで見て、なんかストーリーに振り回されてきめ細やかなことが出来ていないように感じる、「JIN」 なのです。

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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