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2011年6月 5日 (日)

「リバウンド」 第6回 干物女の悲しみ

 太一(速水もこみちクン)にフラれたショックで信子(相武紗季チャン)は、鉄色のカプセルなしにもかかわらず食欲が大幅に減退していきます。 「そんな下らないことのためにやる気をなくすから女はなめられるのっ!」 と鬼の編集長(若村麻由美サン)に尻を叩かれながら、太った写真をEDENに載せる羽目に(笑)。 編集長、「また1週間後には痩せなさい」 と限りない無理難題(笑)。 Sモード全開で完全に面白がってます。

元気のない信子をなんとかさせようという目的と、太一の作ったケーキを今までまともに食べたことがないから食べに来た、という理由で瞳(栗山千明サン)は太一のケーキ屋を訪れます。 このことが今回、波紋を広げていくわけですが。

 瞳はどうして信子と付き合ってるんだ?という太一に、瞳は 「あたしには絶対出来ないことをするからかな」 としゃべります。 「まあ、ほとんど無駄な努力だけどね」(笑)。
 これまでドラマで展開されてきた部分も含めて、信子は常に限界以上の力を出して、あり得ないシチュエーションを次々乗り越えてきました。 この瞳の説明は、これまでのドラマを一種総括しながら、実は瞳自身が持っている劣等感をあぶり出す側面も兼ねています。
 瞳はその後も太一と会っていろんな話をしていくのですが、一連の会話のなかで彼女は両親が別れ別れになって全く自分のことを顧みなかったことを告白していきます。 彼女が世間を冷めた目で俯瞰している原因がこれで分かる。

 そしてその両親が全く認めようとしない、瞳のイラストレーターとしての才能。 太一は瞳のスケッチブックを見て素直にその画才をほめ、瞳を驚かせます。 信子もほめるけれどもそこには気遣いが含まれている。 太一のまっすぐさが瞳にとって、とても新鮮に映った瞬間。 瞳の世間をすね続けてきた顔が、途端に光がさしたようになる。
 ここらへんの表情の変化、やはり 「キル・ビル」 の国際女優だな、という気がとてもしました。 今まで恋愛にまったく興味なしの干物女に見えた栗山サンが、いきなり森林浴でも浴びたようなみずみずしさをまとうと、急に男の私でもドキッとする。

 そんな瞳、両親に対する敵意を見せた瞬間、両親を失っている太一は激しく怒るのです。 どんな親でも親は親、生きてるんなら会いに行け、と。
 瞳はその言葉のまっすぐさにまたまた衝撃を受けて、それぞれの場所にいる両親に会いに行きます。 ドラマに出てきたのは母方の朝加真由美サンでしたが(おっとオギワラの母親だ)、そのときも父親と同じく、なんとも言いようのない複雑な表情を見せる。
 そんな実の親に対して、瞳は心から落胆した表情で、もう来ない、と宣言し、「今日は何の日だったっけ?」 と母親に恐る恐る尋ねます。
 まったく心当たりがないという顔の母親を見て、瞳の絶望は頂点に達する。
 おそらくその日は瞳の誕生日なんだろうな、というのは容易に察しがついたのですが、親に誕生日を忘れられた子供ほど、悲しいものはありません。
 瞳はそこで、自分は本当のみなし児になった、という表情をして、去っていくのです。
 栗山サン、うますぎる。

 そんな瞳を待っていたのが、太一が作ったフルーツタルト。 太一は瞳のためにそこにロウソクを一本立て、瞳の誕生日を祝うのです(太一が瞳の誕生日をなぜ知ったか、というのは、信子が忘れていった手帳を太一が見てしまったから)。
 瞳はそれまでためていた悲しみが急に氷解したため、泣きながら太一の胸に顔を埋めてしまいます。
 ここ、ウルウルでした。

 ところがそこには、急激な食欲減退によってまた痩せた姿に戻った信子が隠れていたのです。
 ショックでその場からあたふたと逃げてしまう信子。 真っ赤な靴が、まるでシンデレラのガラスの靴にように片方だけ、現場に残されます。

 今回瞳の描写に多くの時間が費やされてはいたのですが、信子に関する描写が甘かったわけではまったくない。

 今回の話のエッセンスとして信子の両親(石塚英彦サン、伊藤かずえサン)の他愛ないケンカ、という話が挿入されていたのですが、それを見ながら本当の幸せって何なんだろう?ということを信子は悩んでいきます。
 さっきの手帳を置き忘れた原因となった、太一との再会場面でも大ゲンカ。 「もう恋なんてしない…なんて言わない…とは言わない…」 と完全に思考停止状態(笑)。 自分と同じくデブだからフラれた女の子を励ましても 「あんたに言われたくない!」 と言われて自暴自棄状態だし。
 そんな最悪な状態のなか展開され続ける両親のケンカに、いつもの赤ちゃん言葉ブチ切れバージョンが炸裂(笑)両親を呼び捨てにしながら(爆)「アンタタチみたいな夫婦になりたいってずうっと憧れてたんだ!」「もう自分も一生結婚なんかしない、幸せになんかならなくてもいいっ!」 と叫び、ブウブウ、じゃなくってゼイゼイ言いながら(笑…でもブウブウ言ってたな…笑)その場にブタ折れて…じゃなかった、ぶっ倒れてしまいます。

 まったく食欲がなかったことがたたって入院にまで発展してしまった信子の体調。
 結局これが最後の引き金となったのでしょう、先に述べたように信子は痩せていたときの体格に戻ります。 半海一晃ドクターは鉄色カプセルの使用を経たあとでの絶望的なリバウンドを超えた信子の 「驚異の回復力」 に唖然(笑)。 「幸せとは何だろう?」 とそれでも悩み続ける信子の 「やっぱり奥様を愛するとか…」 という問いに、「わ私は、女なんて下らない生き物を愛するつもりは二度となぁ~いっ!」 とキレまくり(笑)。 …壊れた(笑)。 なんかあったんでしょーね。 たぶん。

 結局両親は信子のブチ切れで我に返り、「信子が自分たちの娘でよかった」 という言葉を残して岐阜に戻っていきます。 信子はそんななかで幸せの意味をだんだんつかんでいく。

 「幸せって、なりたいなりたいと思うものじゃなくて、
 一日一日精一杯頑張って、気がついたら、
 いつの間にか、なっているものかもしれない…」

 そんな確信が固まっていく中で研作(勝地涼クン)との関係にも見切りをつけ、太一に会おうとアンジュにやってきた信子だったのですが。

 目撃してしまったのは、さっきの太一と瞳のシーン。

 太一が瞳の誕生日を信子の手帳で知った、ということは、それ以上に信子の自分に対する思いを太一は思い知ったはずであります(もし隅から隅まで読むデリカシーのなさが太一にあるのなら…笑)。 ということは太一が瞳になびいている、ということは考えにくいのですが、誤解は誤解を生むように、ドラマというものはできているものなのです(笑)。

 今回栗山千明サンの演技によってドラマとしての奥行きがぐっと増したように感じたこのドラマ。 ジェットコースターのような落差の激しい感情の起伏に翻弄されながら、信子は瞳との友情を、太一への愛情を、しっかりと抱きしめ続けることができるんでしょうか?

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コメント

リウ様

「検索」の研作だって笑いました。

信子ちゃんと太一くんが一緒にならなくてもいいのかもね。
前の、曲げられない女も HappyなUN-Happyでしたもんね。
製作者の人たち、一ひねり、二ひねりは普通かもしれません。

瞳サンの激太りはないのでしょうーかcoldsweats01

みり様
コメント連投下さり、ありがとうございます。

「検索ばかりやってる研作ヤロー」、でしたっけ(笑)、もこみちクンの研作の呼び名。 信子から 「幸せって?」 と訊かれて、ツブヤイッター(なのかな)はいいもののすぐにはリプライされずに 「また出直してまいります」 というのも笑えました。

つまりまあ、他人の意見を聞かないと行動できない、という、作り手のスッゴイ人間描写の上に成り立っているキャラなんですよね、研作って。

私は編集長の激太りが見たい…happy01

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BOOKS

  • マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下

    マーク・ルイソン: ザ・ビートルズ史 下
     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ紹介記事より抜粋)。 本書下巻では、1962年のレコードデビューまでが書かれています。

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     1600ページも費やして、この上下巻はまだ彼らのデビューまでしか書かれていない。 3部作計6巻のうち2巻に過ぎないのだ。 なんと気の遠くなるような作業なのだろう。  本書はビートルズを語るうえで孤高の一作となるはずだ。 虚飾をすっかり剥ぎ取った、20世紀最大の奇跡に潜む真実が、これを読めば理解されるはずである(当ブログ記事より抜粋)。 この上巻ではビートルズの祖先から遡ってリバプールで人気に火が付き始めたところまでが書いてあります。

  • ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白

    ポール・デュ・ノイヤー: ポール・マッカートニー 告白
    まず驚かされるのが、表紙のポールの写真です。 よくこんなのが採用されたな、というくらい、刻まれた年輪が顕著に分かる 「年老いたポール」。 飾り気のないその写真に、「素のポール」 をあぶり出そう、という心意気が見える。 そして実際、著者のその目論見は、成功しているように思えます。 何より大きいのは、「NME」「Q」「MOJO」 など音楽メディアで長年記者を務めてきた著者がポールと同じリバプールの出身者である、ということ。 さらにポールと同じファースト・ネームであること。 だからポールはまるで自分の分身に話しかけるかのように、時折同郷人にしか分からない言葉で気さくに著者に話しかける。 この本を読む者は、まずその 「不思議なリラックス感」 に包まれるはずです。  本の構成は大きく二つに分かれます。 前半ではビートルズからウィングス、ソロに至るポールのたどってきた長い長い歴史、後半ではポールの人格に迫る試みがなされていく。 そのインタビューは、一気に行なわれたものではありません。 著者がNMEの記者だった1979年のものから、明示はされていないがおそらく2013年、「NEW」 の発売前後が最新のものではないか、と思われます。 実際読んだ感覚では 「キス・オン・ザ・ボトム」 あたりが最新のような気もする。 その30年以上にわたる膨大なポールへのインタビューを、項目によって構成し直しているようです。 ですから、今年(2016年)亡くなったジョージ・マーティンについてのポールの見解であるとか、最新の情報が提示されているわけではない。 ポールの情報というのはこの歳になってもなお日々更新型ですから、その点については物足りなさが確実にあります。 さらに、30年以上というとポールのものの考え方にも変化変遷があってしかるべきだと思うのですが、30年以上をリミックスにかけているからその変化というものがつかめてこないもどかしさがある。 表紙を飾ったポールの 「老い」 という問題にも、この本はきちんと答えてくれているわけではない。 さらに言えば、ジョン・レノンの死について多くが割かれているのとは対照的に、2001年に亡くなったジョージ・ハリソンの死についての記述はない。 正直なところ、このような本を読み漁ってきた身としては、衝撃に値するような情報が書かれているわけではありません。 しかし前述したような、リラックスしたムードのなかでポールと語らっているような疑似体験を共有できる強みが、この本にはある。 この本全体に貫かれているのが、この心地よさなのだ、と思うのです。 その心地よさが乱れるパートがあります。 自身の失敗作、どうでもいい作品について語るときのポールは多分に感情的になりがちであり、イライラした様子を隠しません。 特に 「シークレット・フレンド」 を語るポールのくだりはポールファンなら一読に値する部分でしょう。 しかしそのイライラも、ポールの人間性が垣間見える瞬間としてこの本にとっては必要なパートなのです。 3000円以上と、この本は決して安くはない部類の本です。 ただその値段に見合うパフォーマンスは兼ね備えています。 この本と付き合った1か月足らずの間、心地よい体験をすることができました(アマゾンの自身のカスタマーレビューより)。

  • : レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]

    レコード・コレクターズ 2011年 07月号 [雑誌]
    全200ページ程度のボリュームのなかで、キャンディーズに関する特集記事は50ページ。 ただし、これが濃い。 全シングル曲、ほぼほとんどのアルバムの解説は当然として、彼女たちの芸能界における歴史から見た考察、コメディエンヌとしての彼女たち、DVD解説など多岐にわたり、キャンディーズが分析されています。 特に圧巻は、レア音源に関する記述。 ここまで調べている読み物には、個人的にはお目にかかったことはありません。 700円。

MUSIC

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)
    ロック界、いや、すべてのポップミュージックにおけるアルバムの中で史上最高と称され、すでに世界文化遺産の域にまで達しているこのアルバム。 そのアルバムの発売50周年を記念して、スペシャルエディションがリリースされます。 なかでもブッ飛ぶのがこのスーパースペシャルボックスセット。 CD4枚組であらたなリミックスのステレオ盤1枚、モノ盤1枚、初期テイク集が2枚、さらにブルーレイ1枚とDVD1枚で5.1サラウンド、ハイレゾ音源、ドキュメント映像 「メイキングオブサージェントペパーズ」 のデジタルリマスター等々、卒倒するようなラインナップです。 18、000円プラス税と値は張りますが、史上最高の名盤だからこそこれは買い。 5月26日の発売までに予約をしておけば、アマゾンならば値下がりした時に値段がそのあと高騰しても最安値で購入できます。 ビーファンならずとも、これは注目ですぞ!

  • 山口 百恵 -

    山口 百恵: ゴールデン☆アイドル 山口百恵(完全生産限定盤)
    全シングルA・B面プラスボーナストラック(「あなたへの子守歌」)を、山口百恵名義としては初のブルースペックCDとしてリリース。 音はいわゆるドンシャリ系ではなく、アナログ盤に準拠した原音に忠実な印象です。 パッケージングはアナログシングル盤サイズで中袋、CDを納めるケースが完全にドーナツ盤をイメージしています(よく言えば斬新…笑、悪く言えばチャッチイ…笑)。 しかしその発想は買える(笑)。 ほぼ原寸大のシングルジャケットと裏の歌詞カードの複製ブックレット。 ただスキャニングは欲を言えばもう一歩。 当時シングル盤を中心に聴いていたかたなら、この編集盤はかなりの 「買い」 です。 しかしこのジャケット表紙の写真、スッピン風で個人的にはすごく好き。

  • デイヴ・グルーシン&リー・リトナー -

    デイヴ・グルーシン&リー・リトナー: Two Worlds / Grusin & Ritenour
    NHK朝ドラ 「花子とアン」 で美人のスコット先生が夜な夜な歌い、チビはなチャンがすっかり覚えてしまったイギリス民謡、「ザ・ウォーター・イズ・ワイド(流れは広く)」。 このアルバムでルネ・フレミングが歌っていたのを思い出しました。 ルネのソプラノはけっして大袈裟でなく上品で、私のとてもお気に入りのソプラノ歌手ですね。 このアルバム自体は全体的にクラシックにギターのリー・リトナーが絡むフュージョンぽいものなのですが、故・黒田恭一サン評するところの、「大人が聴く音楽」。 胸を締め付けるような哀しみと、すべてを包み込むようないたわりに満ちていて、私の人生のなかでも最上位に位置する愛聴盤です。

  • 桜田淳子 -

    桜田淳子: ゴールデン☆ベスト 桜田淳子~シングル・コレクション
    彼女の活動期に発売されたシングルをすべて網羅したベスト盤。 確かに後年のものほど馴染みがありませんが、選曲漏れがないので、彼女の存在とは何だったのか自体に思いが至るベスト盤です。 音も楽器の音像がよくてなかなかいいマスタリングをしている気がします。 2600円程度で推移しています。

  • ザ・ビートルズ -

    ザ・ビートルズ: ザ・ビートルズBOX(限定生産品)(USBメモリ)
    パソコンにUSB端子があり(たいていついてると思います)、パソコンで音楽が聴ける環境をお持ちの人ならば、聴くことができます。 現在のテクノロジーで最もいい音質で聴ける、ビートルズの音楽です。 ただし国内版にもかかわらず、訳詞とか一切なし。 ジャケットもブックレットもパソコンデータ。 純粋に音楽だけ楽しみたい人向けです。 また、曲間にコンマ何秒かのブランクが入ります。 「アビイ・ロード」 のメドレーも同様です。 しかし、音はさすがに、すごい。 大きな音量であればある程、目の前にビートルズが迫ってくる勢いです。 ツヤが違います。

  • The Beatles -

    The Beatles: The Beatles [USB]
    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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