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2011年7月 6日 (水)

「リバウンド」 第10回(最終回) トンカツケーキ

 大場信子(相武紗季チャン)と今井太一(速水もこみちクン)を、結局どうしたいのか。
 「リバウンド」 最終回は脚本家の遊川和彦サンの心の迷いがそのまま前面に出た気さえするグダグダぶりでした(爆)。

 ただそのグダグダが、とても意図的に行なわれている感じで、「なんかせわしないな」 と感じつつ、見ていてなんか泣ける部分もあったし、「んなんじゃソリャ」 と、ジーパン刑事に半分なりかけた部分もありました(笑)。
 結局それなりに楽しめた。
 この手の軽めのドラマには、こういう、結末を大きな振り子で激しく左右に振って、見る側を翻弄して終わらせる、という方法もありなんだな、と強く感じました。

 その象徴が、大場信子の決断に大きく関わっている実家の 「とんかつ屋」 と、今井太一が親から受け取った財産である 「ケーキ屋」 の融合。

 岐阜と東京にそのふたつの店が存在していてそれを動かせない、ということから、信子は太一との仲をあきらめざるを得ない、という決断に至っている。
 だったらその 「動かせない事実」 を動かしてしまったらどうか。 「第3の道」 を作ってしまったらどうか。
 作り手の事態収拾の発想はそこから出発しています。

 それをドラマでは、実際に 「とんかつケーキ」 として実現させてしまうのですが、
 …
 正直言って 「あり得ねー」(爆)。

 でも、ここで瞳(栗山千明サン)だったか、「なにも甘いケーキにこだわることはない、キッシュのようにしたらどうか」 という提案をすることで、「あ~なるほど!」 と見る側は目からウロコ状態になってしまう。 一気にリアリティを感じてしまうんですよ。
 まさにドラママジック、と言える 「無理やりな融合」 の仕方ではないですか。

 そしてこれが、太一が作り上げた10個目のケーキ。
 「ケーキを10個作る」 というのは、彼の父親が 「アンジュ」 を立ち上げる際に目標にしたケーキの数であり、いったんどん底を経験した太一が、自分の復活の象徴として掲げた目標でもあるのです。
 この 「とんかつケーキ」 が出来たことで、実家の 「とんとん亭」 でも東京の 「アンジュ」 でも、どちらでも信子が働ける、という状況を、作り手は創出したのです。
 そして実家の跡取りに、会社を辞めてまでこの店についてきた研作(勝地涼クン)を配することにし、研作と瞳にシンパシーが生まれつつある描写をすることで、ドラマをゴーインに(笑)収束させた。

 瞳の太一への恋心ですが、やはりこれも瞳のほうからフェードアウトさせる。 こうしないと信子と太一が一緒になれませんからね。

 ここに編集長(若村麻由美サン)を絡ませてきて(笑)「元おデブ日記」 を存続させることとして、有希(西山茉希サン)とのわだかまりの解消も盛り込み、信子のかかりつけの医者であった半海晃サンも信子を見て 「太っていることが罪悪」 という考えを改めることでクリニックを辞めさせ、デブの奥さんをめとる、という、

 …

 よくもまあこんなに全部解決したもんだと(爆)思うほどの、究極のドタバタぶり。

 とてもマジメな視聴者のかたは、このあまりにも無理やりすぎる展開に、ちょっと引いてしまう部分もあるかと思います。

 これをシリアスドラマでやられたら、確かに引きますよ。
 たしかに 「リバウンド」 はそれまで、コメディながらも主張するところは主張していたために、それまでの論調と最終回の無理やり感は、なじめない部分もあります。
 でも、「後悔しながら生きるより、なんとか無理やりでも、夢は持ち続けていたい」、という、作り手の淡い願望が、そこには含まれている。
 作り手は最後に大場信子に、こう語らせています。

 「自分の選んだ道が、これでよかったのかなんて、まだ自信がない。

 将来、いろんなことを後悔する日が来るのかもしれない。

 でも、あたしはこれから、大切な人たちと生きていく。

 愛と勇気と、信じる力で!」

 ドラマという世界では、ことさらテーマに沿った生きかたを登場人物はしなければいけない、という縛りがある気が私はします。

 でも現実の人生って、結構みんな、「そうなりたくなくても、そうならざるを得ない方向に、流されていってしまう」、ということだらけだと思うんですよ。 結局あっちゃこっちゃにぶつかりながら、等身大の自分しか、自分の人生を生きていない。 自分の夢だって、結局自分の思い描いた通りになってないかもしれないけれど、等身大の自分なりの夢の実現の方法が、いっぱいある。

 信子の生きかたも、結局グダグダでシッチャカメッチャカだったけれども、結局そうならざるを得ないところに落ち着いています。
 それをこのさき信子は後悔することになるのかもしれないけれど、

 大切な人と一緒に生きていくからなんとかなるだろう!

 そんな楽観主義が人生を前進させる風と帆の役割をしていくと思うのです。

 最終回の体裁としては、確かにグダグダ。

 でもそこがよかったんじゃないのかな、そんな気がしています。

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コメント

リウ様

同感です。>正直言って 「あり得ねー」(byとんかつケーキ)。

ロース薄肉ミルフューユ風キッシュでも作るのかと思っていたらまんまとんかつケーキ。。。あり得ねー(大笑)

はひー、ぐだぐだ。と言うところも同感です。

でも、結構それが無理矢理感と言うより
愛情の果てみたいな、ちょっとほんわかな気分でした。

痩せてる相武ちゃんはとうとう自分会議の中にはいちゃって、おー最後まで特殊メイクかぁ〜。
女優魂貫きました。

でも、やっぱり
「将来、いろんなことを後悔する日が来るのかもしれない。」
と主人公に言わせたこのドラマ、新鮮でした。
結構、記憶に残るドラマになりそうです。

投稿: みり | 2011年7月 7日 (木) 00時14分

このドラマ、実は今期ドラマの中で一番好きでした。JINよりも(えっ!)。第一話を観た時は「途中でリタイアかな?」と思いましたが、気づいたらハマってました。

すごーく若い頃なんですが、私、過食症と拒食症を繰り返してた時期がありまして・・・人間は見た目なんだ!とか、いや違う!とか、痩せれば幸せになれるのか?とか、そりゃあもう色々と苦悩していたので、そういう意味でも感慨深いドラマでした。

毎回、太一より研作の方が魅力的じゃん!と思いながら観てました。

投稿: 希代加 | 2011年7月 7日 (木) 01時50分

みり様
コメント下さり、ありがとうございます。

自分会議に痩せてる相武チャンが入った、というのは、スッゴク印象的なシーンだったのに、書くの忘れてましたshock

それと、最終回の太った信子を見ていて、なんか以前の太ったバージョンの信子より、なんか美人になったような気が、ちょっとしてました。 このことも書くの忘れたcoldsweats01…。

つまり以前の信子は、太ったことが罪悪だと感じていたけれど、最終回の信子は、太っていることをポジティヴにとらえようとしている。

みり様のおっしゃる通り、相武チャンはここまでやる根性を持った人なんだぁ~、と今回つくづく思い知りました。 彼女の女優魂が生かされるドラマに再び巡り合うことを、陰ながら応援しています。

「これがベストだ」 という結末って、ドラマは求めたがりますけど、「やっぱ違うかもしれないって後悔する展開かも」 という終わり方って、とても印象に残る気が私もいたします。

投稿: リウ | 2011年7月 7日 (木) 06時56分

希代加様
コメント下さり、ありがとうございます。

ゲゲッ、「JIN」 よりも…ってcoldsweats01、でもやっぱり太る痩せるというせめぎ合いを体験されたかたはこのドラマにハマってしまうのでしょうね。

私は、やっぱり人は性格だよなぁ~と思いますです。
性格がよければ、多少のハンデは消えてしまうものです(意見には個人差があります)。 どんなに美人でスレンダーでも、性格悪きゃ私はアウト、です。

だから他人に生きかた左右されているだけだった研作も、実は人がよすぎてそうなっていた面もあるし、その点では憎めません。
ラストで信子の愛情を勝ち取れなかったのに、信子の実家のとんかつ屋を継ぐ、と決断したのは、並大抵の覚悟じゃ勤まりませんですネ。

投稿: リウ | 2011年7月 7日 (木) 07時12分

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