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2011年7月30日 (土)

「江~姫たちの戦国~」 第28回 わめくことより効果的

 どうも設定が変わってから書式がおかしい。 ブログの記事やコメントが書きにくくって仕方ありません。 エンターを押すたびに入力設定が変わってしまう。 改行してスペースを押すとカーソルが上に行っちゃうし。 改行が変にずれてて、インク漏れしたみたいな見てくれになってるし。 ちゃんとまともに届いておりますでしょうか?

 私が今回の大河ドラマを見る方法として採用している 「江」 の再放送。
 先週は地震のために途中中断し、それを今週のレギュラー時間帯でやる、はずが今度は新潟・福島の大豪雨で延長。 その後に始まる予定の第28回分も、どんどん伸びていく。 こと再放送に限って申し上げれば、自然災害にうっちゃられっぱなしの、吹けば飛ぶような将棋の駒みたいな軽い扱いとなっております(災害報道のほうがよほど重要ですが)(あらためて被災地のかたには、お見舞いを申し上げます)(なんか今年は、こんな映像ばかりの気がする)。

 いずれにせよそんな状況のためか、ちょっと平常心で書くことがあたわず、先週分のレビューも感情に任せたままの過激なものになってしまったこと、あらためてお詫び申し上げます。 ちょっと書きなおしたのですが余計に過激になってしまった気がする(ハハ…)。
 今週もちゃんとしたレビューが書けるかどうか甚だ心もとないですが、とりあえず書き進めたく存じます。

 で、その心もとない今回の評価から参りますが(笑)、前回のていたらくからちょっとは持ち直した気がいたしました。
 こういうのがあるからスッパリ視聴を中断できないんだよなあ。 なんかヒョウタンから駒みたいな淡い期待をしている。
 ところどころはやはりダメだよなあ、という出来でしたが、先週みたいに見ていて腹の立つことがありませんでした(でもやっぱり乳母の相変わらずの失言プラス 「とんだ無礼をば…」 にはムカっとしたかな…笑)。

 今週の出来を左右していたのは、秀吉の狂気の様と、それによって切腹させられるに至る秀次役の、北村有起哉サンの演技。
 そして意外なように思われるかもしれませんが、話を結果的に引き締めたのが、江を演じる上野樹里チャンの、これまでにない押さえた怒りの演技だった気がするのです。

 今回の話の中心は、秀次の切腹。
 彼は拾が生まれたあとの秀吉の変節を敏感に感じ取り、関白の仕事を平常心で行なうことができない。 鷹狩りをして大猟だったので昼間っから酒を飲んで酔っ払い、というエピソードは実にこのドラマらしい安易さなのですが、私が注目したのは、この秀次が徳川氏に取り入ろうと画策しようとしていたくだり。
 家康は秀次との接見後、秀忠に向かって 「もし何かあったら秀吉側につくように」 とくぎを刺している。
 そんなことがあったために秀忠は、秀次の 「泊ってけよ」 攻撃に動じることがない(笑)。
 ここで注目だったのが、そんな秀次の、「押しの弱さ」、なのです。
 短歌や書物を愛し、そんなパワーゲームに秀でていない、秀次の特徴をとても簡潔にではあるけれど、描写している。
 政治の舞台で生きる者にとって、「押しの弱さ」 はなんとも致命的です。
 菅サンくらいの鉄面皮がないとやっとれん、つーか(笑)。

 そして秀次は、そんな耽美な世界に生きようとするから、秀吉の蟄居プラス切腹命令に、いとも簡単にしたがってしまう。
 彼は江との最後の接見の際、「わしはいてもよい場所に行きたいのじゃ。 わしがいても許される場所、秀勝のおるところじゃ」 と江に語ります。
 江や完のことを秀勝と語り合いたい、というのはいかにもお涙頂戴ですが、秀勝が 「自分がいてもいい場所」 を求めていた、というのは、一定の説得力を有しています。

 切腹の日、秀次は空を見上げて、「美しいのう…」 とつぶやく。
 芸術を愛する者の、これから自分の思い通りの世界で暮らしていける、という安堵の笑みは、ひとかどの重みを伴っているように感じるのです。
 北村有起哉サンの今回のしわがれ声による演技は、顔の作りとかが全く似てないのに、亡きお父様の北村和夫サンの魂が、まるで息子の役者の魂と共鳴しているように感じられてなりませんでした。 これぞ大河の魅力であります。

 まあそれにしても、話はさかのぼりますが、そこに至るつまり江が幽閉中の秀次に会うまでの筋は、相変わらずのあり得なさ。
 江は利休に続いて秀次をも自分の思い通りに殺そうとする石田三成に対して大きな不信感を抱き(このくだりは説得力がありましたが)三成との押し問答の末、三成の脇差を奪って自分の喉元にあて、「秀次殿に会わせよ」 と迫る。
 ちょっとちょっと、完がいるでしょ~。
 娘のことほっぽってもいーのか?(笑) そんな簡単に死ぬ覚悟をひけらかしていいのか?(笑)
 …てな感じでしたが、まあいつものことなので…(笑)。

 ただ、このときの三成とのやり取りもそうだったんですが、今回の江は、怒りを表現するとき泣いたりわめいたりしないんですよ(秀次には泣いてすがってましたけど)。

 そして江が泣いたりわめいたりしないことで、話全体がヤケに引き締まって見えるのです。

 秀吉は齢を重ねることで、去年の徳川慶喜サンに引き続いて眉毛を剃って?おりますが(笑)、そのことで狂気に拍車がかかっている演出がなされている。
 その秀吉、秀次及び一族郎党皆殺しの残虐行為を行なったあとで、江がいつものように抗議に来てみると、完璧に狂っちゃってる。
 前半のオチャラケバカ殿ぶりはどこへやら、であります。
 それがまた、ドラマをギュッと引き締めている。
 前半があまりにバカだったから(爆)余計に効果的。
 ああ、岸谷サン、あなたの意図がようやく分かりました。

 そしてその秀吉に対して江は三下り半(イヤ、結婚してませんけど…笑)を突きつけるのですが、「じゃあ秀吉の庇護を離れてどーすんの?」 という前後の見境考えてないことは置いといて(笑)、このときの樹里チャンの演技が、もうすべて呆れ果てた、その果ての演技に終始しているのです。
 泣いたりわめいたりするより、よっぽど効果的だ。
 まあ江も、娘もできて大人になったんでしょうが、同じ 「若さの爆発」 という怒りの表現でも、これまでの江の怒りかたには、なんか一工夫があってもよかった気がしてくるのです。

 そんな凄味の増してきた江を一瞥することもなく、秀吉の狂気は突っ走ります。
 「江、秀忠に嫁げ。 もう決めておる」。
 目が尋常じゃない、目が(笑)。

 折しも完が自分を見て 「お父上?」 とあどけなくしゃべるのを聞いてちょっとしたショックを受けていたようにも思える秀忠。 ここらへんの秀忠の心の動きも、なんか押しつけがましくなくて良かったと思います。 江はそんな秀忠に、嫁ぐことになる。

 一部分を見て批判をするのは、誰でもできます。
 でもちゃんと全部見ないときちんとした批判はできない、そんな気もこのドラマを見ているとしてくる。 それだけ、出来不出来にばらつきのある、今年の大河ドラマなのであります。

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コメント

 再放送は天災に2週続けて、追いやられたのですね。でも、豪雨の被害がひどいので、江どころじゃないですよね。早く雨が止んでくれるといいのですが。新潟や福島が心配です。

 北村さんの秀次、素敵でした。だから、江ちゃんが三成相手に刃物振りかざして脅したり、三成がやたら小物だったりしたのは、見なかったことに。西軍の大将が、刀をお姫様に簡単に盗られるって、情けないですけど。しかも江の脅しに屈してるし。三成なら、何か意図を以て会わせるくらいの芸がないと。秀次の声が、お邪魔な人達の声を打ち消してくれたから。お父様の演技とは趣が違うでしょうが、北村さんの演技は脚本のあらとか凌駕していたと思います。

 利休との別れの時もそうで、あの時少し江ちゃんは成長したと勘違いしたのですが、今回も秀次の悲劇を前にしての江ちゃんはなかなか良かったです。秀吉に対峙した時の落ち着いた態度も。ただ私は今回秀次の悲劇が主題だと思っていたものですから、後でタイトルが、「秀忠に嫁げ」と知ってびっくり。(実はオープニングの音楽が好きじゃないので、たいていテレビから離れているか、よその局にチャンネルを変えています。)北村さんに満足して「何故向井くんの入浴シーンがあるのかわからん」と思っていたら、「主題はそっちだったのね」でした。

 秀次の自分がいてもいい場所に行くという思いは、今の日本人にも共感できる言葉だと思います。説得力をもたせたのは、北村さんの演技ですが。岸谷さんの秀吉の狂喜も凄みがでてきたし、明日も希望を持って見たいと思います。大河って、去年も厳しい批判にあっていたし、(龍馬伝は私には十分楽しめる大河だったけど)あら探しに躍起になると、楽しめないので、あらも含めて楽しむことにします。「江ちゃん今度こそ大人になってくれ」私の願いです。

 

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

どうも思うように文字入力できないためか、間違いや書き足りない部分があって、ちょっと本文を直しました。 まだ不十分ですがもういいか~(笑)。 不完全な本文をお読みくださってコメントをしていただいて、恐縮です。

北村サンの演技はほかのドラマではあまりお父上の影を感じなかったのですが、私の場合 「江」 ではとてもダブって見えました。 彼が声を時代劇ふうに凄味のある声にしようとすると、お父様のだみ声にとても似てくるんですよ。 ああー北村和夫サンが、そこにいるようだ…と、なんかとても懐かしいような、変なような感覚に襲われました。 演技の仕方も違うし、顔なんか面長で全く似てないのに。

テーマ曲がお嫌いですか! 私はこのドラマでいちばんいいのはこのテーマ曲だと思ってます(笑)。
でもまあ、確かに狙ってる感じですけどネ。 それに途中からジャンっ!って曲調が変わって、樹里チャンがロボットみたいに首の向きを変えるのがなんか見ていて恥ずかしくなる、とい~ますか(ハハ…)。

向井クンの入浴シーンは、これはまあ、アレでしょう(アレって何だ?…笑)。 女性の需要、というか、田渕女史の需要というか(爆)。

「陽はまた昇る」 というドラマでも、男どもが無意味に大勢風呂場で裸になってるし。 どうして男ならいいのか、男の私には甚だ理解に苦しみます(というより、男のハダカなんぞ見たくない…笑)。

完ちゃんも可愛いし、最近のドラマは、男のハダカと可愛い子役を出してりゃどうにかなる、という感じですね

あと、江チャンのビルドゥングスロマン(成長物語)は、あまり期待しないで私は見てます(笑)。

「龍馬伝」 は私にとっても、じゅうぶん合格点の大河でしたよ! ドラマとしての仕掛けが優れていた点で、近年の大河では評判が高い 「風林火山」 より出来はよかったと思います。

 テーマ曲は私にはわくわく感がなくて、水の流れや琵琶湖の雰囲気がある曲ですが、江の踊りと合わせて見ると、退屈なんです。音楽通の方には申し訳ないです。
 
 伏見城のセットの赤い欄干が、テンペストから借りてきたのではと思えて、というか、あちらを意識しているのかしらと、邪推しました。あちらの方が大河らしいと言う方もいるようですし。

 江ちゃんの成長はその場だけ。そうかもです。あまり期待はしてません。三成と刃物を喉にあて「死ぬのは怖くない」のような事を言った時は、さっき家康に子供がいたから乗り越えられたとか言ってたくせに、子供置いて死ぬ気かと呆れましたもの。彼女の根本はガキのままなのでしょう。

 北村さんの演技は他を知らないのですが、声はお父さんと似ていると思いました。ラジオで森繁さんの代わりに名作を朗読してほしいと思いました。本当にいい声です。劇場でもよくとおると思います。演技も脚本を軽く超えていたと思います。この大河では今までで最高の発見でした。我慢しながらも見てきて良かったです。

 

ささ様
再コメント下さり、ありがとうございます。

そう!あのオープニングは、まさしく 「水」 のイメージですよね。 第1回のサブタイトルも、「湖国の姫」 でしたし、「江」 のイメージは番組開始当初 「水」 という方針だった気がします。

ところがフタを開けてみると、江は全く逆の 「火」 のイメージ。 まあ、オープニングタイトル中あのロボット体操(by芦田愛菜チャン…笑)の瞬間、江は水から飛び出た感じですし(笑)、「水」 から 「火」 にイメチェンしたんでしょうね(笑)。

赤い欄干がテンペストからの代用かも?なんて、考えもしませんでした(鋭い…)。 建物、と言えば今回、聚楽第を取り壊して秀次の存在すら消してしまい、秀勝との思い出もそれで消滅してしまった、というくだりがありましたが、この江の悲しみ、というものも、もっとじっくり描写できたんじゃ?と考えながら見ていました。

ささ様、なんだかんだ言いながら、とても深くこのドラマをご覧になっていることが、とても伝わってまいりますですよ! 江が刃を喉元にあてたとき、「さっきこ~言ってたじゃないの」 とは考えませんでした(忘れてた…笑)。 ただ単に 「子供を置いて死ぬ気かこの女は」 としか思わなかった…(笑)。

今日は。
リウ様、ささ様のやり取り、楽しませていただきました。
私は、この回も、違和感ありありです。

秀次の正室、側室一切出さず、近くの女人は江だけとか、(経費節約?)
石田三成に、自殺すると脅すとか、
(今までとキャラが違い過ぎ)
秀忠が、父親の傍で、タヌキめ、と呟くとか・・・(苦笑)
相変わらずバカな学ばない、お付きの女たちも。

江は三成が嫌いで、敵対してるんですよね。
同じ脅すんなら、姉(淀の方)に、汚いやり方を密告するぞ、と言う方が、効果的かも。
もし、彼が承諾しなかったら、(その可能性の方が多いと思うけど)、どうしたんでしょうか。

秀吉と縁を切りたいと言っても、後どう暮らしていくのか、・・・仏門に入りたいとか?(笑)
なんだか、行き当たりばったりの、行動ばかり目に付いてしまいました。

勇者様
コメント下さり、ありがとうございます。

行き当たりばったり、というのは言えてます。 私も記憶力が悪いほうですが、作り手のかたはそれ以上に、ドラマ中でこの人物が過去に何を考え、どう行動したのかの記憶の蓄積がない。 役者さんは細切れにワンシーンワンシーンを順不同で撮影していくから、自語相違に気付きにくいのかもしれませんね(憶測ですけど)。

秀次の一族の話が秀次の切腹のあとに思い出したみたいに描写されていたのには、私もびっくりしました。 え、あ、女房も子供もいたのね、みたいな(笑)。 すごいよなあ、ある意味(笑)。

三成の悪役化と、茶々(淀)の行動にちょっとした違和感が生じてきて、江は豊臣と敵対していくようなフラグが立っている、今回はそんな気もいたしました。

 今日もまあまあだったです。驚くことに、江を見て泣いてしまいました。年を重ねると、ゆるくなるものです。お完ちゃんがとっても愛らしかったです。

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

番組HPでは、江が完を抱いて泣いてたような…。 とすると、ささ様の涙腺を刺激したのは、完だったのかも…(笑)という憶測をしている私でございます。 再放送が楽しみです(ダメドラマなのに、どうしてこう、吸引力があるんだろう…笑)。

 田渕さんのブログを読んだら、なんと43回で淀殿が亡くなり、46回が最終回だそうです。歴史どおりですと、大阪の陣で落城するのが、43回ってことでしょうか。小説とかでは、淀を生き延びさせるものがありますが。びっくり。もう45回までお書きになったそうで、篤姫から、続いて6年、大河の仕事に身を捧げられたそうです。
 最終回は2時間とかに延長するんでしょうか?今のままだと、正直勘弁してねです。さっさと終われとは言いませんけど。言ってたかも。ブログを読むと先生は先生なりに努力されていたようです。46回を通じて、ヒロインは何を学び成長したのか、書き手の腕というか人間性が問われると先生もおっしゃっています。覚悟されているようですよ。びっくりです。
 
 

ささ様
コメント下さり、ありがとうございます。

はぁ…。 やっぱり江の全生涯はやらない、ということですか。 それはそれですごいですね。 また非難ごうごうでしょうね(江江ってか…笑)。

ところで29回 「最低の夫」(毎度このサブタイトルのつけ方、どーにかならんかと思いますが)の再放送を見たのですが、どうもささ様のご期待通りには書けない感じでございます。 ここであらかじめお断りしておかねばなりません。

予想通り、この回でいちばんよかったのは、完チャンでございました。

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BOOKS

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    こちら上記の海外版。 内容的には国内版とほぼ一緒なので、値段が安いこちらのほうがいいでしょう。

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